2006年03月28日
「あおられて」調子取り戻したエース:上野耕太郎
刺激的だった。25日の札幌ドームで初めてとなる開幕戦には4万2393人が詰め掛けた。バックネット裏後方にある記者席で試合を見ていた。オープン戦のときには感じなかった、独特の雰囲気を感じた。気持ちが高ぶるというのか、落ち着かないというのか。何かに「あおられる」ような感じがした。
当然ながら、視線を一点に受ける選手たちが興奮しないわけがない。エース金村もそうだった。オープン戦で2試合投げたが、本来の投球には程遠かった。キャンプ中のブルペンでは万全だった投球フォームも実戦で崩れた。
3月17日、札幌市内のホテルで行われたチームの激励会でのこと。記者数人と金村とで雑談する機会があった。オープン戦の投球になったとき「悪いのは見て分かるじゃないっすか。本調子じゃないって」と強い口調になった。年上の記者に対して丁寧に接する金村には珍しい光景だった。開幕投手の重圧、ひじの痛みに懸命に耐えていた。
観衆が後押しした。右ひじをかばってバランスが崩れていたフォームが戻っていた。「興奮して投げていたら、フォームが直っていた。びっくりですよ」と試合後、ホッとした表情を浮かべた。よくファンが勇気を与えたという表現がある。この日の金村はファンに「あおられて」、本来の姿を取り戻した。
March 28, 2006 09:50 PM 投稿者:上野耕太郎
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