2006年10月05日
雪辱に燃えるホークス松中
◇パ・リーグ、プレーオフ第一ラウンドの展望
デッドヒートを続けて、シーズン終盤を盛り上げてきたパリーグのシーズン1位争いも終了し、日本ハムが1位通過を果たした。
そして、いよいよ西武とソフトバンクによるプレーオフ第一ラウンドが始まる。
2勝した方が勝ち残るという短期決戦なので、予測は難しいが、登板投手予想なども含めて展望を考えてみよう。
◇先発投手予想
これまでのローテーションは当てにならないだろう。
純粋に戦術を考えての投手起用を考えてみる。
10月7日(土)
福岡ソフトバンクホークス 対 西武ライオンズ
【予想先発】斉藤和巳 【予想先発】松坂大輔
10月8日(日)
福岡ソフトバンクホークス 対 西武ライオンズ
【予想先発】和田 毅 【予想先発】西口文也
10月9日(月)
福岡ソフトバンクホークス 対 西武ライオンズ
【予想先発】寺原隼人 【予想先発】松永浩典
情報戦で、いろいろな噂が飛び交っているので、この通りにならない可能性があることはご承知願いたい。
ただし、どちらのチームにとっても、第一ラウンドに勝たなければ日本ハム戦はない。
従って、現在中心的に投げている投手を1、2戦目に持ってきて、2連勝を狙うというのが自然な策だと思うので、この予想にしてみた。
◇第一戦の展望
斉藤和投手と松坂大投手という球界を代表する両投手による投げ合い。
これは夢の競演であり、両チームにとっては正念場と言える最も重要な試合になることは想像に難くない。
まず、両投手の最近5試合の状況を見てみよう。
<ソフトバンク>
斉藤和巳 勝敗 BBR 防御率 投回数 被安打 被HR 奪三振 四死球 失点 自責点
2006/08/26 ○ 70.4 1.85 8 10 1 12 0 5 5
2006/09/02 ○ 95.6 1.77 8 3 0 5 1 0 0
2006/09/10 ○ 100.0 1.68 9 5 0 13 0 0 0
2006/09/18 ○ 83.1 1.66 8 7 0 10 4 2 1
2006/09/26 ● 43.7 1.75 6 6 2 10 0 3 3
<西武>
松坂大輔 勝敗 BBR 防御率 投回数 被安打 被HR 奪三振 四死球 失点 自責点
2006/08/30 ○ 91.7 2.13 9 6 0 14 1 3 3
2006/09/06 ○ 91.8 2.04 7 3 0 9 0 0 0
2006/09/13 ○ 99.7 1.93 9 5 0 10 2 0 0
2006/09/19 ○ 91.9 1.89 9 7 0 8 0 2 1
2006/09/26 ● 35.8 2.13 5 7 0 3 4 6 6
興味深いのは、両投手ともシーズン終盤を絶好調の形で迎えていながら、最後の登板で(奇しくも同じ日の登板であった)打ち込まれてしまって、負け投手になったことである。
それまでの成績は両者とも申し分なかったので、この最後の登板を分析することで、プレーオフ初戦を占うことができる。
まず、斉藤和投手である。
プレーオフ1位通過を争う日本ハムとの直接対決で、6回を投げ6安打3失点で負け投手となった。
相手は新人王候補の八木投手であった。
もちろん、勝たなければいけない試合で、それなりのプレッシャーもあったと思うのだが、奪三振10&無四球が示すように、内容は良かったのだ。
プレッシャーに押しつぶされて自滅した訳ではない。
与えた得点も2本のソロホームランを含む3点であるから、普通の試合であれば合格点と言える内容だったと思われる。
しかし、この試合は本当に重要な試合だったのだ。
ソフトバンクは負けたらもう後がなかった。
またシーズン1位が無理でも、シーズン2位を目指し、ホームでプレーオフが戦えるようにする必要もあった。
重要な試合で、内容が悪くないながら先に相手に点数を許してしまうのは、やはり大エースとしては不満が残る。
このような試合に勝ってこそ、歴代勝率1位という記録を持つ投手が、記憶にも残る投手になれるのだと思う。
プレッシャーには負けていないが勝っていない。
プレッシャーを逆に利用して勝ってしまえるのが、超一流の証になるだろう。その意味で、斉藤和投手にも進歩の余地があると思われた試合だった。
一方の松坂大投手はどうだったのか?
プレーオフ出場を逃したロッテとの一戦で、5回6失点という内容だった。
成績も7安打4四死球、奪三振も3だけと、普段の松坂大投手とは全く異なっていた。
これはプレッシャーに負けたのだろうか?
それは違うように思う。
ローテーション通りであれば、この日は西口投手の登板だったはずだ。
しかし、そこをあえて松坂大投手を投げさせたのである。
この日、もし日本ハムが負けて、西武が勝てば西武の1位通過が決まったのである。
どうも、西武首脳陣がそれを焦ったような気がしてならない。
2位の西武としては、相手が負けることではなく、2連勝することをまず考えるべきではなかったろうか?
西口投手も、昨年のチーム最多勝投手であり、今年序盤は調子が出なかったが、後半戦で勝星を戻してきた。
この日、普通に投げさせても十分勝てるチャンスはあったと思われる。
そして、日本ハムの勝星とは関係なく、シーズン最終戦、絶対勝たなければならない試合に、松坂大投手を投げさせる。
そのほうが、松坂大投手のモチベーションも最高潮になり、いつもの素晴らしいピッチングをしてくれたような気がする。
ローテーションを入れ替えたことで、松坂大投手の気持ちがピークに達しないまま投げてしまった。
あくまでも結果論ではあるが、そんな気がしてならないのだ。
以前にもこのブログで書いたが、松坂大投手のプレッシャーがかかる試合でのピッチングは素晴らしいものがある。
この日の松坂大投手は、プレッシャーに負けたのではなく、プレッシャーがかからなかったことで負けてしまったのではないだろうか?
前置きが長くなったが、こうした分析をした後に、初戦の予想をしてみよう。
球界最高の投手が投げ合う非常に重要な初戦。
プレッシャーという意味では最高の試合である。
この試合に素晴らしいピッチングを見せてくれるのは松坂大投手であろうと予想する。
斉藤和投手も、それなりの内容では必ず投げる。
しかし、いつも以上のピッチングができるかどうかがポイントになると思うのだ。
その意味で、プレッシャーが大きければ大きいほど真価を発揮する松坂大投手の勝ちが考えやすい。
◇第二戦の展望
この試合の先発予想は西口投手と和田投手である。
こちらも、両投手の最近5試合の状況を見てみよう。
<ソフトバンク>
和田 毅 勝敗 BBR 防御率 投回数 被安打 被HR 奪三振 四死球 失点 自責点
2006/08/23 ○ 70.3 3.17 6 5 0 2 3 2 2
2006/08/30 ○ 69.2 3.16 6.1 7 1 5 3 2 2
2006/09/06 ○ 99.3 2.97 9 2 0 6 2 0 0
2006/09/16 - 79.3 2.88 7.2 5 1 7 3 1 1
2006/09/27 ● 45.2 2.98 7 7 2 5 0 4 4
<西武>
西口文也 勝敗 BBR 防御率 投回数 被安打 被HR 奪三振 四死球 失点 自責点
2006/08/27 ○ 62.8 3.66 6.0 10 0 6 1 4 4
2006/09/03 ○ 80.7 3.55 7 6 0 7 3 1 1
2006/09/10 - 58.7 3.48 6 9 0 3 5 1 1
2006/09/18 ● 36.6 3.52 5.2 9 2 0 1 6 3
2006/09/27 - 60.7 3.55 6.0 6 0 4 4 3 3
※投回数の.0は0/3、.1は1/3、.2は2/3を表す
5回以上を投げて3点程度に抑えるという先発投手としての責任は十分に果たせる両投手である。
お互いに点を取り合う展開にはなるだろうが、必ず試合の形は作るだろう。
注目したいのは、このところの和田投手の被HRである。5試合で4本と決して少なくない。
西口投手が5試合で2本(4試合はホームランなし)であることと比べると、これは不安要素である。
西武は決してHRの多いチームではないが、カブレラ以外でも短期決戦になるとHRを放つ可能性のある選手が多い。
その意味で、被HR数が勝敗を分けることになるかもしれない。
初戦を西武有利と見たので、この試合でも西武が勝てば3戦目はない。
和田投手には、細心の注意を払っての投球が望まれる。
◇第三戦の展望
一勝一敗となることが前提のこの試合、新垣投手の戦線離脱もあって、先発予想は寺原投手と松永投手と予想される。
寺原投手は調子が悪かったため、最近の登板がなかったのだが、一応両投手の最近5試合の状況を確認しよう。
<ソフトバンク>
寺原隼人 勝敗 BBR 防御率 投回数 被安打 被HR 奪三振 四死球 失点 自責点
2006/08/05 - 65.3 3.32 6.2 9 0 10 0 2 2
2006/08/12 - 53.3 3.34 5 7 0 2 1 2 2
2006/08/19 ● 31.4 3.52 4.1 6 1 2 1 3 3
2006/08/27 ● 33.6 3.77 4.2 5 2 1 1 4 4
2006/09/03 ● 32.8 4.23 0.1 6 0 0 0 4 4
<西武>
松永浩典 勝敗 BBR 防御率 投回数 被安打 被HR 奪三振 四死球 失点 自責点
2006/08/29 ● 38.1 5.34 0.2 2 0 0 0 1 1
2006/09/02 - 36.6 5.40 1.1 2 1 0 0 1 1
2006/09/08 ○ 87.8 4.57 8 2 1 9 4 1 1
2006/09/15 - 47.5 4.60 3.2 3 2 4 2 2 2
2006/09/22 ● 60.2 4.21 6.1 3 0 4 2 1 1
※投回数の.0は0/3、.1は1/3、.2は2/3を表す
ソフトバンクは、新垣投手が虫垂炎でプレーオフでの登板は難しいため、3人目として他の投手を立てる必要が出てきた。
順当ならば杉内投手なのだろうが、各種情報によると、調子がいい寺原投手が3人目として浮上しているようだ。
ただし、これは変更される可能性も高いと見てよいだろう。
8月から9月にかけての寺原投手の内容は、ローテーション投手の一角とは言いがたい。
最後の3試合は、いずれも5回もたずにノックアウトされている。
その状態から調子が上向いているとは言っても、投げさせるのはかなり心配と思われる。
かと言って、杉内投手も調子は決してよくないので、どの投手を投げさせてもベンチは安心できない状況だろう。
3戦目にもつれ込んだ場合は、リリーフ投手陣の出来にかかってくるという展開が考えられる。
一方の西武も、涌井投手ではなく、松永投手が候補に上がっているが、涌井投手の線も捨てきれないと思われる。
それでも松永投手が有力なのは、このところ、大崩れしていないという実績が上げられるであろう。
最後の3戦で合計失点は4。
5回を1失点に切り抜ける能力がある。
かなり心配な状況のソフトバンクに比べて、西武は3戦目に持ち込めば勝機を見出しやすい状況にあると言えるだろう。
◇キーになる選手
ほとんど先発投手のことを中心に書いてきたが、点を入れるのは野手である。
短期決戦での打撃は、水モノと言われるように、シーズンの内容がそのままでないことが多いのも事実であるが、野手でキーになる選手を考えてみたい。
今回注目されるのは、ソフトバンクの松中選手だろう。
過去2年、1位通過でプレーオフに出場しながら、ソフトバンクがリーグ優勝できなかったのが、その原因は松中選手の不調によるものという論調が多かった。
それだけで決まってしまうほど単純なものではないが、松中選手が活躍できなかったことで、チームに勢いがでなかったことは事実であろう。
そうしたシーズンを2年続けてきただけに、プレーオフ第一ラウンドから登場する今年こそ、松中選手にかかる期待は大きい。
やはり、主砲が活躍してこそチームが元気になるのである。
その意味で、キーになるのは、第一に松中選手だろう。
西武では、主砲カブレラよりもその後を打つ和田選手がキーになるかもしれない。
和田選手が活躍した試合は西武は強いのである。
和田選手が大活躍するようだと、西武は非常に有利になるだろう。
もう1人上げておくとすれば、ソフトバンクの大村選手である。
シーズン終盤、不調でなかなかチームのチャンスを作ることができなかった。
主砲松中選手が、今年はホームランが少なく、打率が高いバッティングをしていることもあり、1、2番の出塁が得点の鍵になることは間違いない。
その意味で、大村選手が調子を戻せるかどうかが、ソフトバンクからすると重要だろう。
◇西武優勢と思われるが
ソフトバンクがシーズン終盤調子悪かったこともあるし、新垣投手が使えないなど、いろいろな意味で西武が優勢に思われる。
しかし、ここ2年のプレーオフを見る限り、シーズンの調子云々はそれほど関係がないようだ。
ソフトバンクの3年越しの優勝への思い、王監督への思いなどを胸に、劣勢と思われるこの状況を跳ね返して、西武と素晴らしい試合を見せてもらいたい。
October 5, 2006 07:27 PM
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コメント
西武有利は強いけど何が起こるか分からない短期決戦、一つのプレーで流れががっらと変わってしまう・・・ソフトバンクは終盤打てなくて6連敗で閉幕したが一週間の調整期間で打撃の調子が上向いているかどうか・・・・キーマンは松中、大村もそうですがカブレラもポイントだと思う。斎藤投手は気負いすぎない投球に期待します。西武は松坂で取れれば連勝で終わるかも・・・松坂で負けて五分だと思います。バッターでは和田はもちろんだがリファーもポイントになると思います。終盤の打力は良かったと思うので・・・
ソフトバンクの意地に期待をしています。
投稿者 ワシオ : 2006年10月07日 00:22
まあプレーオフでは負けたけど、ここ3年での斎藤と松坂の直接対決は圧倒的に斎藤が勝ち越してるけどね もちろんシーズン終盤の大事な試合も含めて
それを松坂>斎藤って・・・
投稿者 横浜 : 2006年10月09日 17:01
ここで特集すると何故か不調になるという印象があったのですが、松中活躍しましたね(笑)
投稿者 こまち : 2006年10月10日 10:10
第二ラウンドを見据えた投手起用をやった西武のミスが
大きかったな。長いシーズンをやってると短期決戦の
戦い方を忘れてしまうのかな・・・
投稿者 権俵 : 2006年10月11日 11:31
