2006年06月28日
運命のイニング!ドラゴンズ佐藤充
◇佐藤充投手の大躍進!
中日の投手陣というと、今年の川上投手の活躍には目を見張るものがある。
以前にブログにも書いたが、そのレベルの高さは他の追随を許さないと言っても過言ではないだろう。
しかし、その川上投手を抑えて、先発投手として交流戦の日本生命賞を獲得したのは、5勝0敗、防御率0.91と抜群の成績を上げた、同じ中日の佐藤充投手だった。
日本生命出身の佐藤充投手が、「日本生命賞を取る」というのも何かのめぐり合わせを感じる。
今回は、投手王国中日の2番手投手となった佐藤充投手にスポットを当ててみたい。
◇2006年の佐藤充投手
勝敗 BBR 防御 回数 安打 HR 三振 四死 失点 自責
5/03 53.6 3.60 5.0 8 2 1 3 2 2
5/11 48.3 4.22 5.2 5 0 5 2 3 3
5/18 ○ 96.2 2.41 8 7 0 1 0 0 0
5/25 ○ 98.4 1.63 9 9 0 8 3 0 0
6/01 ○ 92.9 1.47 9 7 0 4 1 1 1
6/08 ○ 96.1 1.18 9 7 0 4 0 0 0
6/15 ○ 95.5 1.15 9 8 0 7 1 1 1
年間 5勝0敗 83.0 1.15 54.2 51 2 30 10 7 7
※6月26日現在
※防御率は、その試合までの通算防御率
※回数の.0は0/3回を意味する(同様に0.1=1/3、0.2=2/3)
5月3日の試合のみセ・リーグの試合だったが、その後の6試合はすべて交流戦である。
最初の試合こそ思うようなピッチングができなかったが、5/18のオリックス戦で1-0の完封勝ちを収めてからは、あれよあれよという間に5連勝。しかも、その全てが完投勝ちという、先発投手としてはこの上ない出来での勝利だった。
佐藤充投手を考えるにあたって、重要なのは交流戦で最初に登板した5/11の日本ハム戦だろう。
この試合では、初回に打者一巡の猛攻を受け3失点を喫する。
結局この3失点が尾を引き、6回途中での降板となった。
試合自体は、その後中日が一度同点に追いついたものの、延長で日本ハムがサヨナラで勝ちを呼び込んだ展開となった。
初回に打者一巡の3失点というのは、非常に不安定な立ち上がりだった。
しかし、その後の佐藤充投手を分析する上で、ポイントとなるのは2回以降のピッチングである。
初回に2ベースを打たれた日本ハムの1番、森本をライトフライに打ち取ると、その後は素晴らしい内容で、三者凡退を重ねていった。
降板した6回も、先頭打者セギノールに1回以来となる安打を打たれるが、続く木元を併殺に打ち取ってランナーを残さずにマウンドを降りた。
初回から2回にかけて何があったかは分からないが、おそらく佐藤充投手の中に何か変化があったはずだ。
2回以降、交流戦の全試合において、この試合の1回のような乱調は全く見られなかったのだから。
交流戦において、調子が悪かったと思われる回は、わずかにこの5/11の試合の1回だけということになる。
一流のスポーツ選手には、こうした「運命の1試合」(場合によっては「運命の1球」)があると言われている。
イチロー選手にしても、ある試合の打席で突然開眼したような気がしたと語っている。
この試合が、もしかすると佐藤充投手にとって運命の1試合だったのかもしれない。
運命の1試合の後の成績は、とにかく素晴らしいの一言である。
防御率もいいのだが、何よりも5試合で5四死球と、抜群のコントロールを見せている。
ちょっと変則的で、相手にとっては打ちにくいピッチャーだと思われる。
◇昨年までの佐藤充投手
ここまでの大ブレイクを予感させる記録は、これまでにあったのだろうか?
佐藤充投手は、2004年に入団しているが右ひじを壊し、やっと復活したのが2005年の秋だった。
勝敗 BBR 防御 回数 安打 HR 三振 四死 失点 自責
9/19 ○ 60.1 3.60 5 4 0 3 3 2 2
9/29 58.4 4.09 6 6 1 5 2 3 3
0/06 ● 36.6 5.63 5 7 1 3 1 5 5
※2005年の成績
見ての通り、初勝利を挙げて、1勝1敗という記録が残っている。
投球回数を見ていただくと分かるように、先発投手として起用されているのだ。
つまり、中日の首脳陣は、佐藤充投手を最初から先発要員と考えていたことがわかる。
期待の選手であったことは間違いない。
しかし、その成績は今ひとつである。初勝利の試合こそBBRが60を超えているものの、5回を4安打3四死球と、安定したピッチングとは言えない。
5回を投げて2、3点は覚悟しなければならない投手と言える。
それでも、完璧にノックアウトというピッチングでなかったことが大きい。
ひじの故障から復活して最初の試合で勝星に恵まれるという幸運も味方につけているようだ。
◇今後の予想
実績がない投手だけに、今後の予想をするのは難しい。
交流戦期間中こそ、驚くほどのピッチングを見せたが、この後も同様の投球を続けられる保証はない。
しかし、昨年の成績から類推するに、大崩れするタイプの投手でないことはよくわかる。
毎試合完投勝利とはいかなくても、7回2、3失点で投げ抜くことは比較的容易ではないだろうか。
川上投手という、今年最高の活躍を見せている素晴らしい先輩がいることも、佐藤充投手にとっては好材料だろう。
これからの夏場、スタミナが持つのかどうか心配の種がないではないが、今年の投球を見る限り、現在の好調さをある程度は維持していけるのではないだろうか?
その調子を続けることができれば、中日はリーグ制覇に向けて、非常に大きなアドバンテージを持つことになるだろう。
June 28, 2006 05:01 PM
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コメント
中日ファンの中でもこれだけ活躍すると予想できた人は、まったくいないと思います。朝倉、中田、小笠原と同年代の競争相手がいることも、ファンにとっては楽しみなところです。
カバちゃんとしてどんどん知名度もあがっていくでしょう。
投稿者 touch : 2006年06月30日 14:31
佐藤投手、素晴らしいですね。同じ中日の川上投手も抜群の成績を収めていますが、川上投手
からしてみれば、スゴいライバルが同じチームにいたという感じかもしれません。
佐藤投手のいいところは
1.フォーム的にタイミングが取りづらい(被本塁打がわずかに3本/約80イニングで)
2.直球・変化球とも同じ腕の振り
3.長身から角度のあるタマを投げる
4.制球力がある(与四死球14)
といったところでしょうか。川上投手とは右上手投げというタイプとしては同じですが、1と3
は川上投手にはない部分ではないでしょうか。奪三振は少ない。本格派と言うよりは打たせて
取る、いわば軟投派の部類なのかもしれません。タイプは違えど、中日からすれば安心感のある
投手です。
佐藤投手の真価が問われるのはこれからだと思います。優勝を争う、ディフェンスの堅いチーム
との対戦が少ないからです。交流戦から頭角を現しましたが、比較的打線の援護に恵まれた観も
ありました。これは攻撃陣にリズムを与える投球テンポの賜物かもしれませんが…。
先日の東京ドームでは、相手投手・パウエルの力投で途中まで0-0という投手戦になりま
した。が、先に失点したのは佐藤投手の方でした。幸いにもその後チームが逆転してくれたので
負けが消えるどころか勝ち星が転がり込んできました。また、昨日(7.18)の横浜戦でも終
盤に捕まり、味方の勝利を手放す結果になりました。これからはプレッシャーのかかる僅差の
試合でどれだけ我慢できるか。実質1年目の投手には酷な課題ではあるのですが、それだけの
期待をしてしまうほどの信頼感を勝ち取った投手の宿命だと思うのです。
今季の中日は強い。エース川上がプロ生活最高の数字を残しそうな好調をキープしてるだけ
でなく、昨年まで計算できなかった朝倉・中田・佐藤充という若い3枚の右腕の存在が何とも
心強い。この4人が今の状態をキープしただけで、秋の結果はある程度予想がつきます。
投稿者 ナックル : 2006年07月18日 23:36
