2006年12月12日

苦悩のルーキー藤井、あせらず冷静に!:益田一弘

 中日のルーキー藤井淳志外野手(25)が、長引く左ひざ打撲に苦しんでいる。秋季キャンプ中の11月14日の守備練習で、打球を追ってボールケースに衝突した。

 当初は「打撲だからそんなにかからないと思う」。そして同19日の紅白戦出場を目指して、急ピッチで調整。痛み止めを飲んで練習を強行した。だが本人が考えていたほどの軽症ではなく、紅白戦出場は見送り。負傷は長期化した。若手中心の合同自主トレを控えた4日には「ひざがちゃんと曲がらない。どうしてこんなに治らないのか、不安なんですよ」としきりに首をひねっていた。

 藤井を見て思い出したのは、サッカーの日本代表FW播戸竜二の姿だった。サッカー担当だった05年6月、J1神戸に所属していた播戸は紅白戦で左太ももを負傷した。三木谷オーナー(現会長)が視察する「御前練習」でハッスルしすぎた。当初の診断は全治3週間で7月中旬には復帰予定だった。本人も「軽い肉離れだし早く治して復帰したい」と明るく話していた。

 だがそこからが長いトンネルだった。7月上旬と8月末に、けがを2度も再発させた。復帰をあせった理由は、最下位に沈みJ2降格の危機に瀕したチームへの責任感。結局、試合に戻ってきたのは実に4カ月後の10月下旬。播戸は長引くリハビリで「おれ、このまま引退かな」と言うほどナーバスになっていた。そしてチームは降格し播戸も年間わずか2得点(今季はG大阪で16得点)。復帰への意欲は完全に裏目に出た。

 藤井は、6日に病院で診察を受けて左ひざ近くに血腫が見つかった。手術の選択肢もあったが、リハビリを選んだ。「年内には動けるようにしたい。来年の1月に間に合わないと本当にまずいですから」。今季、新人で開幕スタメンに名を連ねた藤井は2年目の飛躍を狙っている。だがそのためには復帰への意欲をあせりに変えない冷静な判断も必要になる。

December 12, 2006 01:37 PM 投稿者:益田一弘