2006年11月18日

カラオケ室で実感、プロスポーツの大原則:益田一弘

 ずんずんと歩く中田スカウト部長の後をついていった。11日の横浜高・福田永将捕手の仮契約が行われた横浜市内の高級ホテル。高校生ドラフト3巡目の金の卵。だがホテル1階ロビーの案内板に会見場所の説明がない。着いた先はホテルの7階に設置されたカラオケルーム。8人部屋で1時間6000円。中田スカウト部長は「テレビ局も来ないようだし、あまり広すぎても寂しいでしょ。ここで交渉と会見をやるよ」。きれいな派手なひな壇を予想していただけに驚いた。

  プロ野球は華やかな世界だと思っていた。西武松坂に対するレッドソックスの入札金額が60億円。サッカーで言えば、Jリーグ一の人気と動員力を誇る浦和レッズの年間予算(約58億円)とほぼ同額だ。J1クラブの平均年間予算の30億円の2倍。平均年間予算が約10億円のJ2ならば、6クラブは運営できる。J2は13クラブだから、半分近くが60億円でまかなえる計算だ。

 選手の年俸もとび抜けている。中日は今季、実に11選手が年俸1億円以上だった。大相撲の横綱朝青龍でも優勝賞金を含めて年収は2億円程度。ボクシングでは日本の過去最高ファイトマネーは元WBC世界バンタム級王者辰吉丈一郎の約1億7000万円。世界王者の相場は3000万円、日本王者にいたっては100万円。防衛戦は年間2~3試合が限度で1億円は高嶺の花。他のプロスポーツに向けて金銭的に恵まれている。

 それだけに1時間6000円のカラオケ室とはギャップが激しい。仮契約を終えた福田も、球団旗もない部屋に入った6人の報道陣を見て面食らっていた。「ここでやるとは思いませんでした…」。横浜がよく利用する同ホテルの会見場(25人収容)は利用料5万円。だが中田スカウト部長は「別に問題ないでしょう」と平然としていた。現在の注目度以上の過剰演出は必要ないのかもしれない。グラウンドで活躍すれば金も名誉も手にできる。小さなカラオケ室で、その大原則は他のスポーツと変わらないのだと実感した。(金額は推定)

November 18, 2006 01:07 PM 投稿者:益田一弘