2007年10月26日

ルーキー岩崎、日本Sでも足魅せたい:益田一弘

 大学・社会人ドラフト5順目の岩崎達郎内野手(22=新日本石油)にとって瞬く間に過ぎた1年だろう。ルーキーイヤーの最終盤となるクライマックスシリーズ(CS)の第1ステージ阪神戦前に初めての1軍登録。そのまま日本シリーズになだれ込む。「CSが終われば、ファームのナゴヤ球場だろうなと思っていた。まさかこんな段階に来て、残っているなんて」。本人も驚きを隠せない。

 今季は7人の新人選手が入団した。黄金ルーキー堂上直や2月の沖縄キャンプで注目を集めた福田、シーズン前半戦で快速球を武器に4勝を挙げた浅尾。オープン戦を含めると、岩崎以外の6人全員が1軍に帯同した。「僕だけ1軍に入れなかったので、今年は無理だなあと思っていた」という岩崎にとって、喜びもひとしおだ。練習後に、新井や平田に付き添われて選手寮に帰る姿は、まだまだぎこちなさを感じさせる。

 それでもグラウンドに出れば「俊足」という武器がある。記念すべきプロ初出場は18日のCS第2ステージ巨人との初戦。8回2死一、二塁で、二塁走者・新井の代走で出場すると、井端の右前打で本塁に生還した。「ベンチに帰ると先輩たちが『ナイスラン』といってくれた。まあ別にふつうの言葉なんですけど、うれしかった」。22歳のルーキーにとって、何ものにも代えがたい経験だ。

 中日とタイプの似た日本ハムへのリベンジ戦は、総力戦になるはずだ。接戦になれば、岩崎にも再び出場の機会があるかもしれない。岩崎は「打つほうは自信がないですけれども、こっちで頑張ります」と笑顔で自分の足を指差した。何が起こるかわからない短期決戦。俊足ルーキーがスポットライトに包まれる瞬間があるかもしれない。

October 26, 2007 09:10 PM 投稿者:益田一弘

2007年10月20日

「負の歴史」打ち破る舞台整った:伊藤馨一

 過去、何度となく苦汁を飲まされてきたジンクスを破るチャンスがきた。巨人を倒して優勝する。これが中日の悲願だ。昨年は、10月10日の東京ドームで延長12回で巨人に勝ち、2年ぶりのリーグ優勝を果たしたものの、巨人は4位。その時点ですでにBクラスが確定しており、直接対決という意味合いは薄かった。だが、今回のクライマックスシリーズは日本シリーズ進出をかけた戦い。これ以上ない舞台は整った。

 逆に2位中日が直接対決で負けて目の前で胴上げを見せつけられたことは何度もあった。最近でいえば94年の勝った方が優勝の「10・8」、96年にナゴヤ球場最後の試合となった「10・6」があった。00年には東京ドームで4点リードの9回に5点を奪われて逆転サヨナラ負けを喫した。さらに今年も勝ち越した方が優勝に近づく9月24日からの3連戦で、先勝しながらも連敗…。球団初の連覇は、ほぼ消えてしまった。

 「大事なところで巨人との直接対決で勝てない? 確かにそうかもしれない。巨人は、そういう時には何が何でも勝たないといけないという感じだった。いつも優勝を争ってきたチームと、そうじゃなかったチームの差というのかな…」。ある中日OBは巨人と中日の「違い」についてこう話した。巨人は昭和40年代のV9に代表されるように常勝球団だった。が、中日は常に優勝争いという球団ではなかったからだという。

 だが、落合監督就任後、状況は変わりつつある。中日は04年以降1、2、1、2位。常に優勝争いを演じてきている。過去、2度の日本シリーズで敗れるなど苦手としている短期決戦でも、変化がみられている。今年は、落合監督の積極的なさい配が奏功し、阪神とのCS第1ステージに連勝して第2ステージに進出している。今年からセに導入された新システムと同時に「負の歴史」も払拭されることに期待したい。

October 20, 2007 10:07 AM 投稿者:伊藤馨一

2007年10月13日

結果論で振り返らないのがオレ流:鈴木忠平

 オレ竜の連覇が消えた。10月1日、広島に敗れて巨人のマジックが「1」となり事実上の終戦を迎えた落合監督はこれだけ言った。「仕方ないだろう。勝負事なんだから」。敗軍の将、兵を語らず。巨人の優勝が決まった翌日も、その姿勢を貫いた。

 今季、落合監督の怒りに触れたことがある。9月14日、甲子園。阪神との直接対決第1ラウンドを制した。9回2死二、三塁でウッズが藤川から決勝打を打った。あの、11球すべてストレートの勝負だ。

 だが、記者には疑問があった。ウッズは試合後、ストレートを予想していたと話した。なぜ打者に予想されている球を投げるのか。ウッズ個人ではなく、中日というチームに勝ちたいのなら全球ストレートの勝負は避けるべきではなかったか? 2日後、甲子園にきた落合監督にぶつけた。

 「そんなことはない。ピッチャーが投げたんだからそれがベストだろう」

 そう言うと静かだった口調が突然激しくなった。

 「いいか。野球っていうのはピッチャーが投げて始まるスポーツなんだ。打者はピッチャーが投げないとどうしようもないんだ。イロハのイだ! おまえがテストで答案用紙に答えを書くだろう? それが間違っていても、そうだと思うから書くんだろう? それと同じだ! そんな話、聞きたくない!」。

 そう言うと監督室のドアをピシャリと締めた。落合監督は結果論が嫌いだ。「たら、ればを言うな」といつも言う。藤川という投手が最も抑える確率の高いボールとして「ストレート」を答案用紙に書き込んだ。それが正しいかなんてウッズに打たれるまでは、答えが出るまでは、だれにもわからないというのだ。

 それはオレ竜のペナントレースにも当てはまる。最大の敗因は間違いなく福留離脱の穴が埋まらなかったことだ。だが、それを語ったところで何の意味がある? 2位という結果にいたるまで苦悩があり、決断があった。「ストレート」を選択した藤川と同じ。だから将は敗因を語らなかった。生活をかけた勝負を結果論のみで振り返るのはあまりにも無粋-。オレ流指揮官はそう言いたかったのだろうと、今は思う。

October 13, 2007 06:33 PM 投稿者:鈴木忠平