渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年12月13日

松井のトレード話でNY地元紙が報道合戦

 日本でも報道されている通り、ヤンキース松井秀喜外野手のトレード問題が、ニューヨークの地元メディアでは大きな騒ぎになっている。

 事の起こりは6日付のニューヨーク・ポストなどが、ジャイアンツがヤンキースに松井のトレードを打診した、と報じたもの。翌日にはニューズデーが先行き不明なツインズのヨハン・サンタナ投手獲得よりも松井トレードの方が現実的という論調の記事を載せれば、デーリーニューズは逆にサンタナを獲得した場合その高額年俸のバランスをとるため、松井ら高額契約選手を放出する可能性がある、などと報道合戦が展開されることとなったのだ。

 さらにその後ジョージ・スタインブレナー・オーナーの長男で球団役員のハンク・スタインブレナー氏がゴジラトレードの可能性を否定しなかった、とデーリーニューズが報じ、ニューヨーク・ポストが松井の代理人アーン・テレム氏が「まだ何の話もきていない。仮説についてのコメントはできない」とコメントしたことを記事にしたりしている。

 こうした一連の動きの中で普段とちょっと違うのは、松井が既に日本に帰国している点。ニューヨークのメディアにとっては本人のコメントや動向を直接取材できないためか、日本のスポーツ・メディアの報道を引用する記事が複数出たりしているのだ。普段地元ならではの強みを発揮するメディアが多いだけに、こうした日本からの引用連発は面白かったりもする。

 そんなトレード問題だが、12日現在のメディアの様子を見ていると注目点は松井の持つトレード拒否権が行使されるかどうか、に移っているように思われる。この点について12日付で「ヤンクスは適正価格でマツイの取引を行うだろう」という記事を掲載しているのがニューヨーク・ポストだ。

 同記事はまず松井がチームに日本から多大な収益をもたらしてはいるものの、「彼は多くのお金を稼ぎ出しているが、厳密にベースベールの決定になるだろう」というチーム関係者のコメントを載せている。いわゆるジャパン・マネーは大きな収入源となっているが、トレードの判断に影響しないだろうということだ。

 そのうえで、松井側はチームから要請されればトレード拒否事項を放棄するだろうと示唆している。その理由としてはトレード拒否事項放棄に同意すると契約延長を求める権利があること、外野、DHのポジションが実質的に埋まっていることなどを上げた。確かにこの推論には説得力があるようにも見える。

 果たしてこのトレード問題がどのように展開していくか非常に気になるところだ。ただその結果を知るのはニューヨークの我々より日本の皆さんの方が早い、ということもあるかもしれない。

December 13, 2007 08:40 AM