2007年12月27日
ヤ軍「ぜいたく税」下がり首脳陣は喜んでいるが…
24日、今シーズンの「ぜいたく税」徴収チームと額が明らかになった。AP通信が報じたものだ。
ぜいたく税とはチームの総年俸額が基準を超えた場合、超過分に一定の割合の額がMLBコミッショナー・オフィスによって課される制度。今シーズンの場合総額1億4800万ドルをオーバーしたチームに課されることになっている。
そしてその“課税対象”となったのは、年俸総額が2億770万ドルと大きくオーバーしたヤンキースと、1億6310万ドルだった王者レッドソックスの2チームだった。
ヤンキースは5年連続、レッドソックスは4年連続の徴収となる。ただしその間レッドソックスが2度ワールド・シリーズを制したのに対し、ヤンキースは1度も頂点に立っていない。ヤンキース首脳たちはさぞや悔しい思いをしているのだろう、と思っていたら、このぜいたく税問題に関してはそうでもなさそう、という報道をしたのが25日付のニューヨーク・ポストである。
同紙によると、ヤンキースが支払うぜいたく税は2388万ドルであるとし、この額が2年連続下がっているため、チーム首脳はそのことを喜んでいるのだという。
ヤンキースが支払った過去のぜいたく税は2005年の3398万ドルがピークで、昨シーズンは2600万ドルだったという。1年で200万ドル以上、2年前から1000万ドル以上下がったことになる。
これは基準額が40人ロースターに入った選手の契約額の平均などから算定されているためで、基準額が上がったため“課税”対象額が下がったということだ。
さらに同紙は来シーズンの基準額は1億5500万ドルに上がり、ヤンキースへの徴収額は2000万ドル未満になるだろうとしている。たしかにぜいたく税においてだけなら、ヤンキース首脳は喜んでいるかもしれない。
ただしそのうえで、同紙はシーズン半ばで契約し、6勝6敗という中途半端な成績で終わったロジャー・クレメンス投手と交わした1740万ドルの契約によって、ぜいたく税が698万ドル高くなったとも指摘している。一時はあれだけ期待されていたクレメンス獲得を失敗と断定している論調だ。
薬物使用疑惑で厳しい立場に置かれ続けているクレメンスだが、一番の味方だったはずのニューヨーク地元メディアからもこんな扱いになってしまったのには本当に残念である。身の潔白を証明し、今一度の復活を遂げて欲しいのだが。
December 27, 2007 08:24 AM
2007年12月20日
「ミッチェル・レポート」で薬物騒動さらに拡大
まったくこのオフシーズンは波乱続きで目が回りそうだ。
先週初めまではヤンキース松井秀喜外野手のトレード問題にハラハラさせられていた。それがトレードを申し込んでいたとされるジャイアンツが13日、フィリーズからFAとなっていたアーロン・ローワンド外野手を獲得したことで事実上消滅。ニューヨークにいる日本人としては、ほっと一安心することができたのである。
と思った途端、同じ日に全米、いや日本をも巻き込んで大騒ぎとなる事件が起こった。ジョージ・ミッチェル元上院議員が責任者となって薬物使用の実態をまとめた報告書、通称「ミッチェル・レポート」が発表されたのだ。
同レポートには、かねてから使用疑惑の渦中にあるバリー・ボンズ外野手はもちろん、アストロズのミゲル・テハダ遊撃手など、計89人もの名前が挙げられていたのだから注目が集まるのは当然である。特にここニューヨークではロジャー・クレメンス投手やアンディ・ペティット投手、ジェイソン・ジアンビ内野手など、過去の在籍者まで含めるとヤンキースの関係者が22人も告発された。地元メディアは騒然となっている。
特に今回、大きく報道されているのはペティットとクレメンスの2人。ペティットの場合、もともとヤンキースで活躍し、その後アストロズに移籍したが、今シーズンはヤンキースに戻り15勝を挙げている。200勝投手で投手陣の主軸となる選手だから心配になるのは当然だ。
そしてペティット以上に、全米的にも今回最も話題になっているのがクレメンスである。通算354勝、サイ・ヤング賞7度のクレメンスはまさしくMLBを代表する右腕であり、殿堂入りは確実視されている選手を襲ったスキャンダルだけにその注目度はダントツなのだ。
ただこの2人の対応は19日現在大きく分かれている。ペティットは15日、2002年に左ひじ治療のためにヒト成長ホルモンを使用したと認め、謝罪する声明文を出した。
これに対し、クレメンスはレポート発表直後に弁護士を通じ、薬物使用を否定。さらに18日にも「ステロイドも、ヒト成長ホルモンも、ほかのいかなる禁止薬物も、野球選手としてどころか、生涯にわたって摂取したことがない」と否定する声明を出している。今のところ完全否定を続けるようだ。
ニューヨーク地元メディアの報道ぶりだが、ペティットが謝罪文を出したことで現在はどの社もクレメンスの動向に絞った感じになっている。いつものスクープ合戦の様相は呈しておらず、発表される声明を追っている感じだ。やはり今回は問題が大きすぎ、今は対応に追われているのかもしれない。今後落ち着いてきた時に特ダネが出てくるのかもしれない。
そんな騒ぎの中、福留孝介外野手や福盛和男投手、黒田博樹投手など新日本人メジャーリーガーが次々と誕生している。できるならそちらのニュースに集中したいところではあるのだが。
December 20, 2007 09:26 AM
2007年12月13日
松井のトレード話でNY地元紙が報道合戦
日本でも報道されている通り、ヤンキース松井秀喜外野手のトレード問題が、ニューヨークの地元メディアでは大きな騒ぎになっている。
事の起こりは6日付のニューヨーク・ポストなどが、ジャイアンツがヤンキースに松井のトレードを打診した、と報じたもの。翌日にはニューズデーが先行き不明なツインズのヨハン・サンタナ投手獲得よりも松井トレードの方が現実的という論調の記事を載せれば、デーリーニューズは逆にサンタナを獲得した場合その高額年俸のバランスをとるため、松井ら高額契約選手を放出する可能性がある、などと報道合戦が展開されることとなったのだ。
さらにその後ジョージ・スタインブレナー・オーナーの長男で球団役員のハンク・スタインブレナー氏がゴジラトレードの可能性を否定しなかった、とデーリーニューズが報じ、ニューヨーク・ポストが松井の代理人アーン・テレム氏が「まだ何の話もきていない。仮説についてのコメントはできない」とコメントしたことを記事にしたりしている。
こうした一連の動きの中で普段とちょっと違うのは、松井が既に日本に帰国している点。ニューヨークのメディアにとっては本人のコメントや動向を直接取材できないためか、日本のスポーツ・メディアの報道を引用する記事が複数出たりしているのだ。普段地元ならではの強みを発揮するメディアが多いだけに、こうした日本からの引用連発は面白かったりもする。
そんなトレード問題だが、12日現在のメディアの様子を見ていると注目点は松井の持つトレード拒否権が行使されるかどうか、に移っているように思われる。この点について12日付で「ヤンクスは適正価格でマツイの取引を行うだろう」という記事を掲載しているのがニューヨーク・ポストだ。
同記事はまず松井がチームに日本から多大な収益をもたらしてはいるものの、「彼は多くのお金を稼ぎ出しているが、厳密にベースベールの決定になるだろう」というチーム関係者のコメントを載せている。いわゆるジャパン・マネーは大きな収入源となっているが、トレードの判断に影響しないだろうということだ。
そのうえで、松井側はチームから要請されればトレード拒否事項を放棄するだろうと示唆している。その理由としてはトレード拒否事項放棄に同意すると契約延長を求める権利があること、外野、DHのポジションが実質的に埋まっていることなどを上げた。確かにこの推論には説得力があるようにも見える。
果たしてこのトレード問題がどのように展開していくか非常に気になるところだ。ただその結果を知るのはニューヨークの我々より日本の皆さんの方が早い、ということもあるかもしれない。
December 13, 2007 08:40 AM
2007年12月06日
ヤ軍に朗報、ペティット残留あとは井川が…
来シーズンに向けて新体制作りを進めるヤンキースの動きに注目が集まっている。
アレックス・ロドリゲス三塁手、ホルヘ・ポサダ捕手などの残留が決まった今、重要ポイントとなっているのが投手陣の確立だ。今シーズン、重要なところで投手陣が崩壊する場面が多かっただけに気になっているファンも多いのではないだろうか。
そんな中で今週まずほっとさせられたのが引退が噂されていた左腕、アンディ・ペティット投手の現役続行だ。現在35歳のペティットはMLB通算201勝を誇る。4年ぶりにヤンキースに戻った今シーズンも15勝9敗の成績を残した。
来シーズンの契約に関してはオプションが設定されていたが、ペティットがこれを破棄して引退する気でいるとささやかれ、首脳陣やファンを不安にさせていたのである。
が、3日になって来シーズンもプレーする意志をヤンキースに伝えたのだという。
このタイミングはヤンキースにとって願ってもない朗報であったに違いない。なぜならこの日からテネシー州ナッシュビルでウィンター・ミーティングが開始されたからだ。
この会議での選手動向について大きな目玉となっているのがツインズのヨハン・サンタナ投手である。今シーズン15勝を挙げ235三振、過去2度サイ・ヤング賞を獲得しているMLBトップクラスの左腕だ。トレードに出されるのは必至と見られており、ヤンキースとレッドソックスが獲得に乗り気だと見られてきた。
が、5日付のニューヨーク地元メディアでは軒並み、ヤンキースが獲得レースから外れたと報じている。報道によればフィル・ヒューズ投手などを交換要員に4対1のトレードが交渉されたものの、同意に至らなかったのだという。
これでレッドソックスが獲得することはほぼ確実となった。この件で宿敵との“レース”に敗れたことによりまたライバル関係がヒートアップすることになるだろうという記事が出ているのには、苦笑いしてしまっのだが。
ただヤンキースにとってはペティット現役続行である程度先発陣が確定し、無理にサンタナを取りにいくこともなくなったという考えも首脳陣にはあったのだろう。
と同時に先発左腕となると井川慶投手もぜひ数に入る存在であって欲しい、と日本人としては思ってしまうのも本音ではある。
December 6, 2007 11:33 AM
