渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年11月22日

Aロッド再契約の裏に意外なところから援軍

 この1週間、アレックス・ロドリゲス三塁手ほど大きなスリルと喜びを味わったMLB選手はいないだろう。


 先週、Aロッドが再びヤンキースと再契約する可能性があるとの報道を紹介したが、その当日、14日にAロッドと妻シンシアさんが代理人スコット・ボラス氏抜きでヤンキース首脳と会談。15日には地元メディアなどが一斉に契約更新で基本合意したと報道するに至った。

 合意した内容は10年、総額2億7500万ドル、バリー・ボンズが持つ本塁打記録を塗り替えた場合の報奨金も含まれるといわれている。これは文句なくMLB史上最高額の契約となる。

 ボラス氏は当初ヤンキースに対し、10年3億5000万ドルという条件を提示し、これを蹴られたことからチームを離れると見られていた。Aロッド側が大幅譲歩した形だが、それ以上に異例なのが代理人を同席させず本人が直接交渉した点。代理人制度が確立しているアメリカ・プロスポーツ界にとってはこれほどの大物選手が直接交渉とは異例中の異例のことだ。

 この直接交渉の秘密について、意外なメディアがスクープしている。世界的に知られる経済紙ウォールストリート・ジャーナルだ。17日付の「アレックス・ロドリゲス、オマハのファンから驚きのアシストを得る」という記事によると、ネブラスカ州オマハに住む著名な投資家、ウォーレン・バフェット氏がこの直接交渉を仲介したのだという。バフェット氏はサイン入りユニホームを飾るほどAロッドのファンで、2人は数年前に知り合っていたのだとか。Aロッドがバフェット氏にヤンキースとの交渉について電話でアドバイスを求めたことから、事態が進展することになったらしい。確かにその展開を見ると普段スポーツ報道に力を入れていないが、経済、ビジネス関係には非常強いウォールストリート・ジャーナルならではスクープではあった。

 そして19日にはロドリゲスがア・リーグのシーズンMVP選出が発表された。54本塁打、156打点でア・リーグ2冠王に輝き、打率3割1分4厘、20盗塁、自己最多の143得点という成績を見れば、2位のマグリオ・オルドネス外野手(タイガース)を大きく引き離しての受賞も皆納得するところだろう。

 こうして2つの喜びを得たAロッドだが、対するヤンキースもホルヘ・ポサ捕手、Aロッドに続き、19日には守護神マリアノ・リベラ投手も3年総額4500万ドルで残留に基本合意したと報道されている。心配されていた主要FA選手の引き留めに見事成功というわけだ。

 アメリカは22日のサンクスギビング・デーからホリデー・シーズンに突入する。ヤンキースの面々にとっては幸福な季節となりそうだ。

November 22, 2007 10:43 AM