渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年11月08日

超大物Aロッドを巡る報道合戦過熱

 ヤンキースとの契約を破棄しFAになることを宣言したアレックス・ロドリゲス三塁手獲得を巡る動きが激しくなってきた。

 ニューヨークの地元紙は3日、ヤンキースに対し3億5000万ドルを要求し、交渉が決裂したと伝えている。これだけの金額を支払える球団となるとそう多くはないのだが、そんな中で意外な獲得候補として浮上したのがマーリンズである。

 フロリダの地元紙、パームビーチポストが、マーリンズはミゲル・カブレラ三塁手らをトレードに出し、代わりにAロッドを獲得するために動いていると報じたのだ。マーリンズは資金力に劣るチームとして知られているだけに、前途は多難だが、大ばくちを打って実現させる可能性はありそうだ。

 また前ヤンキース監督のジョー・トーリ新ドジャース監督もAロッド獲得に関して「我々はよい関係にある」とコメントし、可能性を否定しなかった。さらにロサンゼルス郊外に位置するエンゼルスも獲得の有力候補とされている。

 ではニューヨークはすっかりAロッドにさよならムードかというとそうでもない。地元紙デイリーニュースは6日、Aロッドの代理人スコット・ボラス氏がメッツ首脳陣と面談することを伝え、メッツが有力候補だと大々的に伝えたのだ。メッツならば資金力も十分で、確かに可能性は高そうではある。

 と思ったら、ライバル紙のニューヨークポストがこのデイリーニュースの報道を否定した。7日付の紙面で同紙コラムニストのジョエル・シャーマン記者による「アレックスを忘れろ、メッツのライトこそが三塁手だ」という記事を掲載したのである。

 メッツがAロッドと契約すると三塁しか守れないデイビッド・ライト三塁手が浮くことになり、トレードしなければならなくなる。しかしGMのオマー・ミナヤは「我々はデイビッドを移籍させることはできない」とコメントしたことから、Aロッド獲得もない、というのがこの記事で展開されている論法。

 そして同記者は別の記事でヤンキースが調停を申請し、Aロッドをチームに留まらせるために動くだろうという、仰天の予測をしている。FA宣言をする前、ヤンキースはFAになった場合、交渉には応じないとしていただけにこの変わり身が実施されれば驚くしかないが、今オフの三塁手市場にいい選手が多くないことを考えるとなくはない、と感じられる。

 一方デイリーニュースだが、7日付紙面ではヤンキースは前述のカブレラ獲得に挑むだろうとやはり大々的に報じている。

 こうしたライバル紙同士の報道合戦もなかなか面白いものである。しかし、これだけ多くの人々を振り回し続けるのだから本当にAロッドは大物だ、と痛感せざるを得ない。ニューヨークのファンも複雑な心境のことだろう。

November 8, 2007 11:20 AM