渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年10月04日

メッツの歴史的敗退

 いよいよ3日、MLBのプレーオフが始まった。

 ただ今回のプレーオフをニューヨークから眺める場合、どうしても触れておかなければいけないことがある。メッツが進出できなかったことだ。シーズン前半から好調だったメッツは9月12日の時点で2位フィリーズに7ゲームも差をつけていた。が、その後2週間で5連敗と4連敗を含む4勝11敗という極度の不振状態に陥り、27日終了時点でとうとう追いつかれてしまった。

 それでも30日に行われた最終戦の結果次第では可能性が残っていたのだが、開始前からファンも地元メディアもすっかり暗い雰囲気に飲み込まれていたのが印象的だった。そしてマーリンズとの対戦結果は1-8の完敗。対するフィリーズはナショナルズに6-1で勝ち、フィリーズの奇跡の進出、メッツの歴史的敗退が決まったのだ。

 この日の夜、ニューヨーク地元テレビのスポーツ・ニュースの多くが、時系列的にメッツとフィリーズの試合経過を紹介し、深い落胆の情を示していた。きっとフィラデルフィアは同じ画面構成でまったく逆の感情を表していたことだろう。ニューヨークとフィラデルフィアは車で2時間ほどの距離しかないのに、これほどの明暗が生まれているのだと考えるとちょっとおもしろくさえあった。

 もちろんニューヨークタイムズをはじめ、翌1日付けのニューヨーク地元紙はいずれも頭を抱えるなどして敗退を悲しむファンの写真を1面などで大きく掲載していた。ファンの落胆をまず先頭に持ってくるところが地元での根付き方を表してもいるようだった。

 さて、プレーオフである。ニューヨークからは無事ヤンキースがワイルドカードで進出、ディビジョン・シリーズで4日からインディアンスと対戦する。

 今シーズン、ヤンキースはインディアンスに6勝負け無しと分が良い。楽勝ムードが漂っているかというと、地元メディアではそうでもないのが実情だ。日本人としてはひざの治療を行っている松井秀喜外野手の様子が気になるが、こちらでそれ以上に“心配”されているのがアレックス・ロドリゲス内野手である。

 MVPの有力候補になるほど絶好調だったAロッドのどこが心配なのか。それは彼がプレーオフで活躍する“ミスター・オクトーバー”になれるのか?という点である。過去Aロッドはプレーオフに入って調子を落とし、ワールド・シリーズ・チャンピオンになれなかったことの戦犯扱いされたことがあった。その記憶が甦り、また?と心配しているのである。3日付けのニューヨークポストなど「Aロッド:新しいミスター・オクトーバー?」というそのままな記事をスポーツ面のトップで掲載しているほどだ。

 メッツ最終戦の例もあるが、始まる前からあまり悲観的になるのもどうかと思う。それでも心配してしまうのが地元意識というものなのかもしれない。ヤンキースがプレーオフをどう戦い、地元がどう一喜一憂するか楽しみである。

October 4, 2007 08:02 AM