2007年09月06日
イチロー200安打の米報道“偉大な静かさ”
ア・リーグ、ワイルドカード首位争い直接対決ヤンキース対マリナーズ3連戦。3日の初戦でイチロー外野手が7年連続の200安打を達成した。日本でも大きく報道されたように、史上3人目の大記録である。
達成の瞬間テレビに映ったスタジアムは歓声に包まれるようなことはなく、むしろ静まりかえったといった感じだったのが、印象的だった。アウエーで、しかも地元ヤンキースファンが信頼するロジャー・クレメンス投手から勝ち越し本塁打を放ったのだから、当然と言えば当然の結果といえよう。
翌4日付のニューヨーク地元紙の反応も同様だった。ニューヨークポストもデイリーニューズも試合レポートの短信欄などで、ウィリー・キーラーの8年連続、ウェイド・ボッグスの7年連続に続く3人目の達成者になったことを短く伝えただけだった。4日終了時点でゲーム差2というデッドヒートを繰り広げている両チームの対決の中で、とりわけ大きく取り上げることもない、といったところだろうか。
これに対してちょっと違ったのがニューヨークタイムズ。4日付では他紙と同じく事実のみを知らせたのだが、5日付紙面で「歩いても振っても、スズキは攻撃力となる」というあらためてイチローのすごさを紹介する記事を掲載しているのだ。
その中でイチローが長打ではなく単打狙いの打者として抜きん出ていることを強調。ヤンキース、ホルヘ・ポサダ捕手の「彼はただ単打を打とうとしている。素晴らしい目をしていた手と目の連携が信じられない。彼はどこかのロボットだと思う」という称賛のコメントを紹介している。
またイチローがその気になればもっと本塁打を量産できるのでは、という時々ある議論に対し、「自分にとって、フライを打って『あれはたぶん本塁打になるね』と言うようなシチュエーションになったことは一度もなかったです」というイチロー自身の言葉を載せているのも興味深かった。
日本でも200安打目の本塁打は狙っていたのでは、というニュアンスの報道があったが、同記事でも同僚ジャロッド・ウォッシュバーン投手の「彼が本塁打を打とうとしていたかどうか分からないけれど、彼が『うん、200安打に本塁打を打ちたいね』と言っても驚かなかったろうね」という言葉を載せていた。
プレーオフ出場を賭けた大勝負の中で、控えめな扱いになってしまった大記録達成。しかし、それはイチローが偉大な選手であるという認識が既に十分に浸透している故のことだったのかもしれない。
September 6, 2007 09:23 AM
