渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年08月23日

移籍選手メジロ押しのヤ軍のオフは…

 レッドソックスを追撃しつつ、マリナーズ、タイガースと激しいワイルドカード・レースを繰り広げているヤンキース。クライマックスに向けて意気が揚がるところだが、スター選手の移籍を巡る報道が相次いで出た。

 まず17日付で地元紙のニューヨークポストやデイリーニューズが報じたのが、アレックス・ロドリゲス内野手について。

 今年絶好調で本塁打通算500号も達成したAロッドは2000年に10年間総額2億5200万ドルという大型契約を当時所属していたレンジャーズと交わしている。まだ契約は残っているのだが、今シーズン後Aロッド側に契約解除をして、FAになる権利が認められているのだ。

 もちろんFAになれば、今年の調子も考えるとさらに高額な契約での争奪戦が繰り広げられる可能性が高い。これに対し、ブライアン・キャッシュマンGMが、シーズン中に契約の見直し、延長を決める可能性を否定し、さらにFAになった場合は争奪戦に加わらないとラジオのインタビューで発言したのだという。

 さらに記事は、ヤンキース移籍に伴いレンジャーズがこれからの3年間年約3000万ドルのサラリーを負担することになっており、この権利をヤンキース側が手放したくない、という事情もあるとしている。

 争奪戦になるといってもここまで高額になると参加できるチームは限られており、キャッシュマンの発言も多分にAロッドとそのエージェント、スコット・ボラス、さらに他チームへのけん制球である可能性が高いのだが気になるところだ。

 一方翌18日付のニューヨークタイムスはジョニー・デーモン外野手が移籍をほのめかす発言をした、と報じている。「毎日プレーしたい気持ちはある。やり残したことはたくさんあるんだ」と話し、「ヤンキースと自分にとってベストな決断をオフにするだろう」と移籍を匂わせたのだとか。

 昨年宿敵レッドソックスからFAで移籍してきたデーモンは、トレードマークのひげを落としてまでヤンキースの一員として頑張っている。が、今シーズンは今ひとつ調子が上がらず、外野手余り状態の中で先発から外されることも多く、苦しい状況に立たされている。正直、今のままでは残留の可能性が低そうなのは事実だ。

 ただ「シーズン中はチームの勝利に貢献することしか頭にない」とデーモンが語っているように、両選手とも現在はヤンキースのプレーオフ進出に集中しているのである。スター選手の揃うヤンキースならでは、ともいえるが、この時期にこのような報道が出ることはチームの勢いを削ぐ原因になるのでは、と少し心配になってしまった。ただ選手たちはそんな雑音に惑わされたりしないほど集中していそうだが。

August 23, 2007 02:59 PM