2007年08月30日
まだあきらめるなヤンキース
宿敵レッドソックスとの3連戦、28日の初戦でヤンキースは松坂大輔投手から5点を奪い、勝利を挙げた。
負けられない試合だった。7、8月と猛烈な追い上げを見せていたヤンキースだったが、24日から27日にかけてのタイガースとの4連戦が1勝3敗に終わっていたからだ。首位レッドソックスとの差は8ゲームに開き、残り試合数とレッドソックスの調子を考えると、もう追いつくのは無理、という雰囲気が漂い始めているのも事実である。
それだけに、5回のデレク・ジーター内野手、7回のジョニー・デーモン外野手の2本の本塁打で試合を決めたことはメディアやファンに再び活気を取り戻すきっかけになったようだ。特にデーモンは昨年までレッドソックスに所属していた選手で、以前紹介したように今シーズン精彩を欠き、移籍も噂されているだけにその活躍は鮮やかに写ったようである。29日付の地元紙各紙はデーモンの本塁打打撃写真を一面に掲載する扱いとなっている。
また、首位争いに関してもニューヨーク・ポストのコラムニスト、ジョエル・シャーマンが「それはまだレッドソックス対ヤンキースだ。まだ満員だ。まだ楽しく、意味があるのだ」と表現したように、まだまだあきらめないという意気込みを示す表現も目立った。
実際のところ、ヤンキースが非常に厳しい立場にあることには変わりない。この3連戦を3連勝で終わることができたとしてもゲーム差は5。その後の残り試合数は28試合だけである。しかもレッドソックスとの直接対決は14日からのボストンでの3連戦のみとなっている。それまでにどれだけ差を詰められているかがカギになりそうだ。
一方ワイルドカード・レースは一層白熱している。28日終了時点で首位にいるのはマリナーズで2位ヤンキースとのゲーム差はわずか1。さらに3位タイガースも首位とのゲーム差3で追っている。
ヤンキースは9月3日から本拠でマリナーズとの3連戦を残すが、タイガースとの対戦はもうない。対してマリナーズはヤンキース戦の後、7日からタイガースとの3連戦が控えている。マリナース、タイガースともまだ首位を狙える位置にいるので混沌としているが、展開の中心になりそうなのはマリナーズになりそうだ。
9月も気落ちすることなく、過ごせるようまずはヤンキースが目の前の3連戦で勝ち続けてくれることに期待したい。
と、同時に3連敗となった松坂が復調してくれることも願っているのだが。
August 30, 2007 08:24 AM
2007年08月23日
移籍選手メジロ押しのヤ軍のオフは…
レッドソックスを追撃しつつ、マリナーズ、タイガースと激しいワイルドカード・レースを繰り広げているヤンキース。クライマックスに向けて意気が揚がるところだが、スター選手の移籍を巡る報道が相次いで出た。
まず17日付で地元紙のニューヨークポストやデイリーニューズが報じたのが、アレックス・ロドリゲス内野手について。
今年絶好調で本塁打通算500号も達成したAロッドは2000年に10年間総額2億5200万ドルという大型契約を当時所属していたレンジャーズと交わしている。まだ契約は残っているのだが、今シーズン後Aロッド側に契約解除をして、FAになる権利が認められているのだ。
もちろんFAになれば、今年の調子も考えるとさらに高額な契約での争奪戦が繰り広げられる可能性が高い。これに対し、ブライアン・キャッシュマンGMが、シーズン中に契約の見直し、延長を決める可能性を否定し、さらにFAになった場合は争奪戦に加わらないとラジオのインタビューで発言したのだという。
さらに記事は、ヤンキース移籍に伴いレンジャーズがこれからの3年間年約3000万ドルのサラリーを負担することになっており、この権利をヤンキース側が手放したくない、という事情もあるとしている。
争奪戦になるといってもここまで高額になると参加できるチームは限られており、キャッシュマンの発言も多分にAロッドとそのエージェント、スコット・ボラス、さらに他チームへのけん制球である可能性が高いのだが気になるところだ。
一方翌18日付のニューヨークタイムスはジョニー・デーモン外野手が移籍をほのめかす発言をした、と報じている。「毎日プレーしたい気持ちはある。やり残したことはたくさんあるんだ」と話し、「ヤンキースと自分にとってベストな決断をオフにするだろう」と移籍を匂わせたのだとか。
昨年宿敵レッドソックスからFAで移籍してきたデーモンは、トレードマークのひげを落としてまでヤンキースの一員として頑張っている。が、今シーズンは今ひとつ調子が上がらず、外野手余り状態の中で先発から外されることも多く、苦しい状況に立たされている。正直、今のままでは残留の可能性が低そうなのは事実だ。
ただ「シーズン中はチームの勝利に貢献することしか頭にない」とデーモンが語っているように、両選手とも現在はヤンキースのプレーオフ進出に集中しているのである。スター選手の揃うヤンキースならでは、ともいえるが、この時期にこのような報道が出ることはチームの勢いを削ぐ原因になるのでは、と少し心配になってしまった。ただ選手たちはそんな雑音に惑わされたりしないほど集中していそうだが。
August 23, 2007 02:59 PM
2007年08月16日
井川と桑田にグッドラック
今週2人の日本人選手に残念な動きがあった。ヤンキースの井川慶投手とパイレーツの桑田真澄投手についてだ。
先週不振によるマイナー降格を心配した井川に関してだが、10日テレビ局のFOX Sportsやスポーツ専門局ESPNが、井川がウェーバーにかけられ、パドレスが獲得に向け動いている、と報じたことをきっかけに移籍報道が飛び交う事態になった。
ヤンキースとパドレスは7月31日のトレード期限以後に実質的なトレードを成功させるべく、あるチームが保有権を放棄し、ウェーバーにかけた選手に対し、獲得に興味を示したより下位の球団が47時間の交渉権を得る制度を利用したのだというのである。
5年総額2000万ドルという契約でヤンキース入りした井川だが、2度目のマイナー降格後もパッとしない状態が続いている。今回の動きは1年目であるにもかかわらずヤンキースが見限ったともとれるものだった。
ただ14日になって再びESPNが交渉がまとまらず、移籍はご破算になったと報じ、ひとまず事態は収拾している。ちなみにこの間ヤンキースは今回の動きについてはっきりとは認めてはいない。
とりあえずはヤンキース残留とはなったものの、井川が瀬戸際に立たされていることには変わらない。せめて3Aで快投し、評価を上げて欲しいものだ。
桑田にはもっとつらく、厳しい判断が下されてしまった。14日の試合前に戦力外通告をされてしまったのである。
6月10日にメジャー初登板を果たし、最初は好投もあったものの、13日には本塁打を含む4本の長打を浴び1イニング5失点するなど、最近は調子が悪かった。19試合に登板して0勝1敗、防御率9・43という成績である。
チーム自体ナ・リーグ中地区最下位に沈んでおり、既に来シーズンをにらんで若手登用を図りたい時期に来ている。39歳という桑田の年齢などを考慮し、戦力外通告となってしまったようだ。
なんとも残念な判断ではあるが、これもプロとして納得するしかない。気になる来季の去就だが、桑田本人は白紙であると強調しているようだ。まさに不屈の闘志でMLBデビューを実現させただけに桑田にはもう一頑張りしてもらいたいところではあるが。
どのような展開になろうとも、今回話題になった2人の未来が明るいものになることを信じたい。
August 16, 2007 08:00 AM
2007年08月09日
それでも…井川の復帰信じたい
いよいよヤンキースのプレーオフ進出がその視野に入り始めた。3日から7日まで5連勝を飾り、7日終了時点でア・リーグ東地区首位のレッドソックスとの差は5ゲームにまで迫った。ワイルドカード・レースはさらに加熱しており、首位タイガースにわずか0.5ゲーム差の2位。さらにその0.5ゲーム差で3位マリナーズが追っている三つどもえ状態になっている。
4連勝中にはご存じのようにアレックス・ロドリゲス内野手の500号、松井秀喜外野手のメジャー100号本塁打が出ており、ヤンキースはまさにイケイケ・ムードといったところだろうか。
そんななかで非常に残念なのが、井川慶投手の姿がチームの中にないことだ。7月26日のロイヤルズ戦で3敗目を喫した後、27日に今シーズン2度目のマイナー降格となってしまったためである。5月初旬から6月下旬までマイナーで調整したが、6月22日の昇格から6試合で1勝もできなかったのだから再度の降格も致し方ない。
再度の降格にあたって井川は「3Aでも一生懸命頑張ります。安定した投球ができるように、もっと努力していきたい」とのコメントを発表している。が、その3Aスクラントン・ウィルクスバレーでも本調子とは言い難い状況が続いているのだ。
1日の2度目の降格後初登板では5回を9安打2四球で3失点、3A通算3敗目を喫してしまった。さらに6日の2度目の登板では6回を投げて4失点、味方打線のおかげでこの日は勝ち投手となったが、連続してこの数字はいただけない。
そんな井川の苦しい状況は当然ながらニューヨーク地元メディアの報道にも出ている。シーズン序盤には不調に対する怒りや失望といった表現であっても井川の名前が出ていたが、今やその名前を見ることすらなくなっているのだ。たとえばニューヨークポストの場合、井川に最後に触れたのは7月29日付のヤンキース周辺のトレードの動きを知らせた記事で、マリナーズがトレード候補に井川を当初挙げていたことをたった一文紹介したのが最後である。現在の3Aでの登板はまったく無視状態だ。
こうした扱いになってしまったのも成績を見ると当然かと思う。が、同じ日本人としてそれでも井川の今シーズン中の復活を信じたい。ヤンキースがプレーオフ進出を決めるとき、井川がAロッドや松井と祝福の輪の中にいると。
August 9, 2007 08:22 AM
2007年08月02日
「松井、モンスター月をエンジョイ」
ヤンキース松井秀喜外野手が絶好調のまま7月を終えた。日本でも報道されているように月間13本塁打はMLBトップで、松井は月間MVPの有力候補となっている。
特に31日のホワイトソックス戦では20、21号の2本の本塁打を放ち、3打数2安打3打点、2四球と月を締めくくるに相応しい活躍を見せた。この試合、ヤンキースは球団記録タイの8本塁打などで、16-3で大勝している。
ニューヨークの地元メディアも松井のこの活躍を大きく扱っている。ニューヨークポストは1面で、「ヤンクス、本塁打フェスティバルで楽勝」という見出しとともに紙面の3分の1ほどを割いて松井の本塁打打撃写真を掲載。さらにコラムニストのジョエル・シャーマンによる「ゴジラがホワイトソックスへの猛攻撃を先導」と松井の活躍を紹介した記事を載せていた。
また、デイリーニューズも「松井、モンスター月をエンジョイ」という同様の記事を掲載し、さらに松井の本塁打シーンの写真に“灼熱の松井”という表現のキャプションをつけ、その絶好調ぶりを伝えている。
ただちょっと残念だったのは、日本で伝えられたように前日、日米交流プログラムで来日した金沢からの野球少年たちにお願いされた本塁打を見事放った、という紹介がなかったこと。プログラムにはアメリカ側からも少年たちが参加していただけに、アメリカのメディアにも取り上げて欲しかったところだ。
もう一点、松井が大きく扱われたのは事実なのだが、1日付の地元紙でこの試合一番のトピックとなっていたのは実は松井ではなく、アレックス・ロドリゲス内野手だったことにも注目しておきたい。
Aロッドは本塁打通算500号まであと1本と迫っているためだ。シーズン本塁打数では35本でMLBトップながら、29日まで4試合本塁打がなかっただけに期待が大きかったようである。しかもチームは8本塁打もしたために、メディアもファンも大勝にもかかわらず、ちょっとがっかりしてしまったというわけだ。
松井もそんな雰囲気を十分察していたらしい。試合後の記者会見で、メジャー通算100本塁打へあと1本と迫ったことを聞かれ、「Aロッドの500本より早く打ちたいですね」とジョークを飛ばし、周囲を笑わせていた。
ぜひともこの好調を8月も維持してもらいたいものである。
August 2, 2007 10:46 AM
