渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年07月19日

ヤンキースにドラマの予感

 先週シーズン前半のヤンキースと松井秀喜外野手の調子の悪さを紹介し、心配していたら、12日の球宴休み明けからどちらも一転して絶好調となっている。

 チームは13日のデビルレイズ戦を4-6で落としたものの、17日まで残り5試合は全てものにし、現在4連勝中だ。

 特に目につくのがチームに勝負強さが見えてきたこと。その典型といえるのが17日のブルージェイズ戦で、9回まで1-2とリードされながら、メルキー・カブレラ外野手が三盗を決めた後、相手のジェレミー・アカード投手がボークし同点。続く10回にロビンソン・カノ二塁手の適時打でサヨナラ勝ちしている。

 カブレラの果敢に塁を狙うアグレッシブな姿勢が相手投手のミスを誘い、「何とか点を取るべく思い切りいった」と語るカノの勝利への執念が劇的なひと振りを生んだのだ。選手たちがこういう状態にあるときは、そう簡単に負けることはない。

 松井にしても同じだ。休み明けからの打率は3割8分5厘、5打点、3本塁打と乗りに乗っている。17日の試合では、連続試合安打を12に伸ばした他、今シーズン3度目の盗塁も決めた。

 さらに守備も良く、「打球まで的確なスピードで追いかけるし、1歩目のスタートがいい」とジョー・トーリ監督が絶賛する。デイリーニューズなど2回の守備で結果的にエンタイトル二塁打になったが、リード・ジョンソン外野手がフェンス際に放った大飛球にためらわずジャンプしながら捕球を試みた場面の写真をわざわざ大きく紙面で掲載していた。それほど松井の守備は皆に強い印象を与えているのだ。

 そんななか井川慶投手があいかわらずピリっとしないのが気になるところではある。

 全体に復調してきたとはいえ、ヤンキースとア・リーグ東地区首位のレッドソックスとの差は8ゲームもある。ワイルドカード・レースでも首位のインディアンスに対し7ゲーム差で、4位という状況だ。決して浮かれられる状況ではない。

 しかし、皆が波に乗っているこの状況を逃さず、勝ち星を重ねていけば、追いつく時間は十分にある。それだけにこの時期にチームも松井も復調、というのが今後のドラマチックな展開を予想せずにはいられないのだ。それが現実になることを期待したい。

July 19, 2007 07:45 AM