渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2007年03月08日

井川とヒューズを見守るNYメディア

 5日フロリダ州タンパで、ヤンキースの井川慶投手がオープン戦に初登板した。相手はタイガース。新左腕にニューヨーク地元メディアの注目も集まったが、1回いきなり1死満塁から、押し出し四球で先制点を献上。2回の先頭打者に安打を浴びて球数が予定の40球に達し、途中降板となってしまった。

 もちろんこの結果に各メディアの反応は厳しかった。6日付のデーリーニューズは「よれよれのスタート」という見出しでこの初登板をレポートする記事を掲載。以前メッツなどに所属し、荒れ球で知られた現ヤクルトの石井一久投手を引き合いに出して「カズ・イシイの再来」と評したり、「松坂獲得競争の残念賞」と実力を疑問視する他球団スカウトの声を紹介するなどさんざん。

 ただ1回のピンチを連続三振で切り抜けたことで「少なくとも見かけはまるで動揺していなかった」と、冷静だった点は評価していた。

 ニューズデーも同様で、「ホームベースを見つけられない」という見出しで、「ヤンキースが4600万ドルを投資した、日本人左腕が昨日混乱に陥った」と、3四球の荒れた投球内容を責めていた。

 こうして井川が厳しい目を向けられる一方、温かく期待されている若手投手もいる。弱冠20歳の右腕フィリップ・ヒューズ投手だ。3Aからのスタートになりそうだが、6日のインディアンズ戦で2回を無失点に抑え、評価が急上昇したのだ。

 ニューヨークポストなど「ヒュージ(巨大な)潜在力」という見出しをつけたほどで、各紙とも6月までにメジャー昇格は確実、ヤンキース投手陣を充実させてくれる貴重な人材、として扱っているのである。

 井川とヒューズのこの温度差は、即戦力として期待されている井川と将来性のヒューズという立ち位置の違いがあるためだが、それでも違いの大きさに驚きを感じずにはいられない。ニューヨーク・メディアらしい反応、と言うことではあるのだろう。

 いずれにせよ、井川、ヒューズともども良い点を伸ばし、悪い点を修正しつつ、開幕に臨めれば今季のヤンキースは強力な投手陣を構築できそうではある。

March 8, 2007 01:00 PM