渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年11月16日

松坂獲得失敗で揺れるNY

 米東部時間14日午後8時、MLBはポスティングシステムでメジャー移籍を目指す松坂大輔投手の独占交渉権を、5111万ドルの入札額でレッドソックスが獲得したと発表した。

 この驚異的な入札額とヤンキースの宿敵チームが落札したことに対し、ここニューヨークのメディアは驚きと落胆、さらに敵対心を露わにして報道している。
 
 デイリーニューズは15日付け裏1面全面に松坂の写真を掲載。「オール・トーク(話だけ)」、「ボソックスがただマツザカとしゃべるのに5100万ドルも払い、ヤンクスとメッツは大失敗した」という見出しをつけた。”しゃべる”とは今回の落札したのはあくまで交渉権に過ぎない、という点への皮肉だ。

 対してニューヨーク・ポストは、レッドソックスの投手の写真に松坂の顔写真をコラージュしたものをやはり裏1面に掲載。つけた見出しは「イェン・ウェイ・パーク」、「ボソックスのスターへの5100万ドル入札はメッツとヤンクスを上回る」というもの。円とフェンウェイ・パークをかけた見出しの意味はジャパン・マネー狙いだろう、という嫌みのようだ。

 数日前からレッドソックスが最高入札ではないか、という報道がされていたが、両紙とも悔しさいっぱい、といった感じである。と同時に、本当にこのライバル関係は強固で、ファンの心を捉えるんだな、と再認識させられてしまう紙面であった。

 一方で各紙とも冷静な分析もしている。ニューヨーク・タイムズは、ヤンキースの入札額が3000万ドルを少し超えた程度だったと指摘。そのうえで、失意のシーズンの後レッドソックス首脳陣は変化を望んでおり、入札に成功しなければならないと考えていた、というジョン・フラハティのコメントを掲載している。フラハティはレッドソックスとヤンキースの両方でプレーした経験を持つ解説者。さらに同氏はヤンキースは「ブライアン・キャッシュマン(GM)がいくらか自制を示したと思う。彼は若手投手の育成を望んでおり、払いすぎたくなかった」としている。

 また、デイリーニューズは「ヤンクス、メッツ動く」と題した記事を掲載。松坂獲得に失敗した両チームはすぐに次の選手補強を始めたと思われているが、GM会議開催中の14日には新たな発表はなかったと伝えた。両チームとも後遺症のようなものはないようである。

 すっかりストーブ・リーグの目玉となった松坂については今後も契約交渉、入団発表、そしてキャンプと、絶えることなく注目されていきそうだ。

November 16, 2006 11:18 AM