2006年11月30日
ヤ軍井川vsレ軍松坂が早くも勃発?
米東部時間28日午後8時、ポスティングシステムでMLB移籍を目指す阪神の井川慶投手との交渉権を、2600万194ドルでヤンキースが落札したことが発表された。
この落札について29日付のスポーツ・セクションの1面トップで大きく報道しているのがニューヨーク・タイムズだ。「A.L.(ア・リーグ)東地区から極東へ:ヤンキースはライバル関係を広げる」という見出しをつけ、試合での井川の投球写真とその横にWBCでの松坂大輔投手の写真を掲載している。
そう今回の井川落札と前回のレッドソックスによる松坂落札(同時にヤンキースの落札失敗)は、因縁のライバル関係を日本人選手まで含めてさらに深めた、とメディアやファンは感じているのだ。
同記事では井川と松坂の年齢、身長、日本での所属チーム、成績、さらにはエージェントまで比較した表まで掲載されている。同様の表はニューヨーク・ポストにも載っていた。当人たちの意志とは関係なく、すっかり2人もライバルという扱いになってしまったようだ。
そうしたなかで気になるのが井川の評価。デイリーニューズはやはり29日付の記事の中で「チームの関係者によるとヤンキースの組織の中で意見が分かれており、井川は先発の3、4、5番目のどれか」とし、さらに松坂、井川両方の投球を見たというスカウトの「イガワがメジャーの一線級打者をパワーでねじ伏せられるとは決して思えない。しかし十分に使える選手だ。自分の考えでは、ローテーションの4番目」とのコメントを掲載している。他紙においてもスカウトのコメントとする記述はいずれも、まだMLBで投げたことがないにも関わらず松坂は先発のトップクラスだが、井川は劣る、先発の4、5番目、というものばかりだった。
実力は認められてはいるものの、いきなり”ライバル”よりも低評価の発進となってしまったようで、ぜひシーズンが始まったら逆転して欲しいものである。
一方松坂の入札で巻き起こった入札金額の高騰問題だが、ニューヨーク・タイムズは「新入札ではヤンキースにとって価格は正当」、「マツザカの半分のコスト、しかし半分以上の投手?」という小見出しを使っている。
松坂の入札額のほぼ半分だったことで、金額についてはあまり問題視されておらず、むしろお得かも、と皆思っているようだ。
松坂と同じくこれからの契約交渉が正念場。井川がアメリカのピンストライプに袖を通す日を、ニューヨークのファンもメディアも心待ちにしている。
November 30, 2006 09:59 AM
2006年11月23日
NYは松坂に未練も話題は井川へ…
アメリカ訪問を終え帰国した松坂大輔投手。さすがに入札前後と比べると大幅に量は減ったもののニューヨークのメディアは「ボソックス、マツザカに会う」(ニューヨークポスト)などと動向はカバーし続けている。
デイリーニューズは22日付でAP通信社によるアメリカ訪問と交渉が開始され、レッドソックスのGMは12月14日までに契約を結ばなければい、といったことを紹介した記事に「ダイスケ交渉開始」という見出しをつけて掲載した。ボストンのメディアは松坂のニックネームを決めようとしているようだが、アメリカ人にとっては”マツザカ”より”ダイスケ”のほうが発音しやすいのは事実で、こういう見出しが今後増えるかもしれない。
また最近松坂の名がよく出てくるニューヨーク地元紙の記事として、ヤンキースの投手陣再編をテーマにしたものがある。先発陣を補強、確定するのを急がねばならない、というのが各紙共通の論調で、その中で「ヤンキースは日本人スターダイスケ・マツザカの入札でレッドソックスに負けた」(ニューズデー)といった表現がよく出てくるのだ。
またニューヨーク・ポストは18日付のやはり投手陣再編記事の中で、ヤンキースは現在アストロズからFAになっているアンディ・ペティットの獲得を狙っているが、引退や獲得失敗を考え、松坂に3300万ドルで入札した、としている。かなり狙って3300万ドルも入札したのにレッドソックスにしてやられ、いまだに投手陣が埋まっていないというわけだ。松坂獲得失敗は大きいと各紙とも捉えているのである。
そんな状況のなか、続いてよく見るようになった日本人の名前が、阪神からやはりポスティングでMLB入りを目指す井川慶投手だ。ニューヨーク・タイムズは21日付の記事で、ヤンキースが井川に興味を持っており、入札を考慮している、と伝えた。
ただ確定的ではないようで、22日付のニューヨーク・ポストは同じく投手陣再編記事の中で「昨日(21日)彼らは日本の左腕ケイ・イガワに入札する考えをもてあそんでいた」と、ヤンキースが入札を決めかねている状況だとしている。
これに対し20日付ニューズデーはメッツが井川の入札を計画している、という記事を掲載した。メッツも動くかもしれない。
果たして締切の27日までに入札するニューヨークのチームは現れるか、交渉権を勝ち取ることができるか、松坂同様メディアとファンの視線が集まりつつある。
November 23, 2006 10:13 AM
2006年11月16日
松坂獲得失敗で揺れるNY
米東部時間14日午後8時、MLBはポスティングシステムでメジャー移籍を目指す松坂大輔投手の独占交渉権を、5111万ドルの入札額でレッドソックスが獲得したと発表した。
この驚異的な入札額とヤンキースの宿敵チームが落札したことに対し、ここニューヨークのメディアは驚きと落胆、さらに敵対心を露わにして報道している。
デイリーニューズは15日付け裏1面全面に松坂の写真を掲載。「オール・トーク(話だけ)」、「ボソックスがただマツザカとしゃべるのに5100万ドルも払い、ヤンクスとメッツは大失敗した」という見出しをつけた。”しゃべる”とは今回の落札したのはあくまで交渉権に過ぎない、という点への皮肉だ。
対してニューヨーク・ポストは、レッドソックスの投手の写真に松坂の顔写真をコラージュしたものをやはり裏1面に掲載。つけた見出しは「イェン・ウェイ・パーク」、「ボソックスのスターへの5100万ドル入札はメッツとヤンクスを上回る」というもの。円とフェンウェイ・パークをかけた見出しの意味はジャパン・マネー狙いだろう、という嫌みのようだ。
数日前からレッドソックスが最高入札ではないか、という報道がされていたが、両紙とも悔しさいっぱい、といった感じである。と同時に、本当にこのライバル関係は強固で、ファンの心を捉えるんだな、と再認識させられてしまう紙面であった。
一方で各紙とも冷静な分析もしている。ニューヨーク・タイムズは、ヤンキースの入札額が3000万ドルを少し超えた程度だったと指摘。そのうえで、失意のシーズンの後レッドソックス首脳陣は変化を望んでおり、入札に成功しなければならないと考えていた、というジョン・フラハティのコメントを掲載している。フラハティはレッドソックスとヤンキースの両方でプレーした経験を持つ解説者。さらに同氏はヤンキースは「ブライアン・キャッシュマン(GM)がいくらか自制を示したと思う。彼は若手投手の育成を望んでおり、払いすぎたくなかった」としている。
また、デイリーニューズは「ヤンクス、メッツ動く」と題した記事を掲載。松坂獲得に失敗した両チームはすぐに次の選手補強を始めたと思われているが、GM会議開催中の14日には新たな発表はなかったと伝えた。両チームとも後遺症のようなものはないようである。
すっかりストーブ・リーグの目玉となった松坂については今後も契約交渉、入団発表、そしてキャンプと、絶えることなく注目されていきそうだ。
November 16, 2006 11:18 AM
2006年11月10日
入札有力チーム&メディアは待ちの姿勢
米東部時間8日午後5時に締め切られたポスティングシステムによる松坂大輔投手の大リーグ移籍に関する入札。最高入札額は日本時間9日午前に西武側に通知されたが、入札を受け入れるかどうかなどを西武がすぐに発表しなかったため、ここニューヨークのメディアは待ちの姿勢に入っている。
ニューヨーク・ポストは8日付紙面で“バトル・オブ・ザ・ビッツ(入札の闘い)”という記事を掲載、ヤンキースとメッツが入札有力チームとなっている状況をもう1つのサブウェイ・シリーズに例えて紹介した。が、9日付では短信で「ヤンキースとメッツ、他数チームにとって昨日、待ちが始まった」と伝えるに留まっている。同記事が入札したと見られると、しているのはほかにレッドソックス、カブス、レンジャーズだった。
これに対してデイリーニューズは9日付で「ヤンクス、マツザカに入札」という記事を掲載。ヤンキースが入札したのは確定、メッツは入札したと“信じられている”という表現を使っている。他入札有力チームに関してはポストと同じだった。
この記事ではライオンズが4日以内に入札を受諾するか判断すること。受諾しなかった場合松坂は来年ライオンズでプレーすることになり、シーズン後FAになるだろうということまで紹介している。
また気になる入札金額について「私は2000万ドルか、3000万ドルと聞いた」という有力エージェントのコメントも掲載。締め切り後の記事だけに信憑性(しんぴょうせい)はありそうだ。
そんな中、ニューヨークのメディアで少しづつ動きが出てきたのが阪神から大リーグ入りを目指す井川慶投手に関する報道。
デイリーニューズが7日付の記事で「メイド・イン・ジャパン」と題し、井川が松坂同様にポスティングで大リーグ入りすると見られていると紹介。さらに8日付ニューズデーは井川を松坂に次ぐ「セカンド・チョイス」になり、「ヤンキース、メッツにとってイガワは、マツザカがとれなかった場合の代替になりそうだ」とするとともに日米野球での様子などを伝える記事を掲載した。
井川の場合阪神側の容認問題が残っているようだが、ひょっとしたら松坂に加え井川もニューヨークに、という期待を抱かせる展開になっている。
いずれにせよ、まずは西武の発表をジリジリ待つしかない。
November 10, 2006 06:52 AM
2006年11月02日
興味は松坂の入札額と入札球団
1日、松坂大輔がポスティング制によるメジャー挑戦を正式に表明した。ここニューヨークの地元紙は、時差の関係で1日付紙面でこの会見を伝えることはできなかったようだ。しかし1日昼の時点ではニューヨークタイムズが同紙ウェブサイトに通信社ロイターが配信した記事を、さらにニューズデーがやはりウェブサイトで「マツザカの入札がもうすぐ始まる」という同紙記者が日本から送った記事を掲載している。
ニューズデーの記事は報道陣で埋まった都内ホテルの宴会場で会見があったことや西武は松坂を手放したくなかったが、遂に拒めなくなったことなどまで紹介。そのうえで、ポスティングのシステムや額などを予想している。
日本でも報じられているように松坂がメジャーに挑戦することを既に各紙が掲載済み。けっこうな量だったので熱心なMLBファンであれば松坂がこのオフの目玉の一人であることを十分に認識していることであろう。それゆえ皆の興味も松坂の存在より、ポスティングでの入札額と入札球団に移っている。
10月25日付のデイリー・ニューズは、あるGMの発言として「1800万ドルから2000万ドルにまでなると聞いている。ただ彼と交渉するのにね」というコメントを掲載。すると翌26日付のニューヨーク・ポストが、2000万ドルと言われていたが、あるナ・リーグのGMは3300万ドル前後を示唆した、とする記事を載せ、高騰ぶりを紹介する、といった具合である。
ただし投手の補強が必要で、資金も豊富なニューヨークの2球団が有力なのは確かだが、10球団が入札すると言われる状況に、松坂獲得の可能性を「懸賞」と表現する新聞まで出ている。まさしく開けてみなければわからない、といったところだろうか。
ちなみに先のニューズデーの記事には松坂がニューヨークでプレーすることについて聞かれた回答を以下のように記している。「(マツザカは)ほとんどのフリーエージェントがそうするように、よく聞く控えめな発言を繰り返した。『たくさんの人と話したんですが、彼らはさまざまなことが起こっている都市だと言っていました』と」。まだ立場的にどうとも言えないので当然の答えなのだが、ニューヨークの記者にはちょっと当たり前すぎたというところだろうか。入団先が決まったらズバっと返して、記者たちをうらなせて欲しいものだ。
いずれにせよニューヨークでの評価も期待もうなぎ上りな松坂。8日にも明らかになる入札結果が注目されている。
November 2, 2006 08:12 AM
