渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年10月05日

ヤンキースとメッツの明暗

 3日、MLBプレーオフ、地区シリーズが始まった。この日ア・リーグ東地区1位のヤンキースはワイルドカードのタイガースと初戦を戦い、8-4で快勝。幸先の良いスタートを切ることができた。

 翌4日付の地元紙はいずれもこの勝利を大きく報じているが、中でもニューヨーク・ポストとデイリーニューズはいずれも表・裏両1面を割く力の入れようだ。そしてその計4面全てで写真が使用されたのが、デレク・ジーター内野手である。

 ジーターといえば、もともとヤンキースの顔と言えるスター選手だが、第1戦はファンの期待を裏切らない活躍を見せた。なにしろ本塁打、2本の二塁打を含む5打数5安打の大爆発。5安打はポストシーズンにおける1試合最多安打タイ記録である。さらに守備でもダブルプレーを決めるなど、攻守にわたって勝利の原動力となった。

 そして、この日もスタジアムの観客席で目立ったのが、「2006 MVP」、「ジーターにMVPを」というプラカードや横断幕。これは地区優勝が決まった頃からよく見られるようになったのだが、内容通りジーターのシーズンMVP獲得を願うものだ。

 レギュラーシーズンでのジーターの成績は打率が3割4分3厘でリーグ2位、さらに打点97、本塁打14、盗塁34と堂々としたもの。そのうえキャプテンとしてぶっちぎりの地区優勝にチームを導いたのだから、ファンが早くからアピールしたくなるのも当然だろう。しかも重要なプレーオフ初戦でのこの活躍で、第2戦以降、ジーターへの期待と声援が高くなることは必至である。

 もちろん、ジーターもファンもそしてメディアも、6年ぶりのワールドシリーズ制覇こそが最上の願いだが。

 こうして最高の滑り出しを見せたヤンキースに対し、ナ・リーグ東地区1位のメッツはやはり抜群の成績を残したのにもかかわらず、暗いニュースでプレーオフ突入となってしまった。4日のドジャースとの地区シリーズ初戦で先発を予定していたエルデュケことオルランド・ヘルナンデス投手が前日の練習中に右のふくらはぎを故障、登板回避となってしまったのだ。4日の報道では、ポストシーズン全体でプレーできないだろうとされている。既にエース右腕のペドロ・マルティネス投手が右肩のけがなどで戦線を離脱しており、先発の2枚看板を失ってしまった。

 果たしてサブウエーシリーズは実現するのか。ニューヨークのファンたちはまさにワクワクドキドキしながら、2チームを応援している。

October 5, 2006 10:09 AM