渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年09月14日

マツイがニューヨークに戻ってきた

 「ハッピー・リターンズ」、「ゴジラ・リターンズ」、「ウエルカム・マツイ」。13日付のニューヨーク地元紙の裏1面はこんな見出しで埋め尽くされた。そう、ヤンキース松井秀喜外野手が左手首を骨折してから124日、110試合ぶりに12日のデビルレイズ戦でMLBに復帰したことを祝ったものだ。

 その復帰戦でいきなり4打数4安打1四球の大活躍、チームが12-4で大勝するのに一役買ったのだから、各メディアがこのようにヒートアップするのは無理もない。

 さらにニューヨーク・ポスト紙のブライアン・コステロ記者など松井の復帰紹介記事の冒頭で「ヤンキースタジアムの外看板には『ヤンキース-デビルレイズ』とあったが、それは『ゴジラの逆襲』とすべきだったかもしれない」とまで表現している。

 たしかに初回に松井が「8番DH」としてこの日最初の打席に立とうとすると、スタンドを埋めたファンはスタンディングオベーションで彼を迎えた。その上で詰まってはいたものの、センター前へのタイムリー安打を放ち、その後も安打を連発したのだからこの試合を見てゴジラ松井の『モンスター・ナイト』という印象を受けた人も多いのではないだろうか。

 しかしこのような歓待と期待を受けた松井はかなりのプレッシャーを感じていたはずだ。ニューヨーク・ポスト紙の記事によれば松井は「4安打するなんて考えてもいなかった。心地よい驚きだね」と話したとか。さらにジョー・トーリ監督は「彼が我々のそばにいてくれて嬉しいよ。プレッシャーを受ける中での彼のプレー能力は教えて身につくたぐいのものではないね」と絶賛したとしている。

 おもしろかったのはニューヨーク・タイムズ紙が「ヤンキース、全気筒に火が入る」という見出しを使ったこと。この日は松井が復帰しただけでなく、鼠蹊(そけい)部の負傷で一時戦列を離れていたマイク・ムシーナ投手が復帰後2戦目で今季14勝目をあげてもいる。さらに左手首負傷で戦列を離れているゲリー・シェフィールド外野手が、約4カ月ぶりに打撃練習を再開した。いよいよ全戦力が揃うということで”全気筒”という表現になったわけだ。

 ア・リーグ東地区首位を走るチーム成績もこの日の結果、マジック9となり、いよいよプレーオフが見えてきた。松井とヤンキースがシーズン終盤どんな戦いぶりを見せてくれるか楽しみだ。

 さらにもう1つ。松井も復帰に向け練習したヤンキース傘下の1Aスタッテンアイランドが現在プレーオフに勝ち残っており、13日から連覇をかけニューヨーク・ペン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズに挑む。こちらも要注目だ。

September 14, 2006 10:34 AM