2006年09月28日
プレーオフ進出は決めたけれど…
20日、ア・リーグ東地区で9年連続地区優勝を決めたヤンキース。現在はいわゆる消化試合に突入、というところだが、依然気の抜けない状況にある。 10月3日から始まるプレーオフに向けてやるべきことが残っているのだ。
まず重要なのが本拠地開催権の確保。27日現在95勝62敗、勝率6割5厘でレッドソックスに11・5ゲーム差をつけているヤンキースだが、ア・リーグ全体では中地区のタイガースがまったく同じ数字で並んでいる。同地区は怒濤の快進撃でプレーオフ進出を決めたツインズが首位争いを続けているだけにヤンキースがのんびりしていると、最上位成績を持っていかれる可能性も高い。本拠開催権について「とても重要なことだよ。どのチームもホームでの方がいいプレーができるからね」とロビンソン・カノ二塁手がコメントしているように、重要な要素であるだけに勝ち星を重ねていってほしいものだ。
また現在地元メディアなどがそれ以上に気にしているのは、プレーオフでの投手ラインアップ。短期決戦だけに万全の体制で臨まなければならず、同時に勝ち進んだ場合のローテーションも考えなければならない。AP通信は27日、10月3日に予定されている地区シリーズ初戦の先発を台湾人右腕・王建民投手にまかせ、2戦目にマイク・ムシーナ、3戦目にランディ・ジョンソンの両ベテラン投手を起用するだろうと報じた。
若手の王建民は今季18勝6敗の好成績を残しているだけに勢いに乗ろうというところだろう。ただ気になるのは3番手の”ビッグ・ユニット”ことジョンソン。27日付のニューヨーク・ポストはジョンソンが第3戦の先発候補としつつも、彼が背中に負傷を抱えていることを問題視する記事を掲載した。同紙はジョンソンの回復が遅れ、地区シリーズに間に合わない可能性が高く、その場合は4番手候補のコリー・ライドル投手が繰り上げになるだろうとしている。そのうえで今季半ばフィリーズから移籍してきた同投手をかなり不安視しているのだ。12勝10敗という数字はそれなりだが、たしかに3本柱に比べるとライドルと4番手を争うジャレット・ライトとも少し見劣りするのも事実である。
プレーオフまでの約10日間の間に、いかに万全の体制作りができるか。メディアとファンの気が休まる暇はないようだ。
10月はもう目の前である。
September 28, 2006 10:38 AM
2006年09月21日
メッツvsヤンキースでWシリーズを!
いよいよレギュラーシーズンも大詰めを迎えた。19日にはメッツがナ・リーグ東地区優勝を決めた。18年ぶり5度目の快挙だ。
20日付け地元紙はシャンペン・シャワーで祝う選手たちの写真に「チャンプ・エイン(シャンペンという文字を分けて、チャンピオンという意味をかけたもの)」という見出しなどで1面、裏1面の両方で伝えたニューヨーク・ポスト紙のようにいずれも大々的に優勝を伝えている。
メッツはヤンキースと比べるとどうしても地味なイメージがあるのも事実だ。しかし、今シーズンは20日時点で2位に14・5ゲーム差をつけ、さらにナ・リーグで唯一勝率6割を超える6割1分3厘を記録しているなど圧倒的な強さを誇っている。
早くから独走した強さはファンも認めたようで、19日までに今季は348万3933枚のチケット売り上げがあり、チームの観客動員記録を更新した。5万人以上入った試合が11試合あるというからなかなかのものである。やはり強さというのは何物にも代え難い魅力なのだろう。
対するヤンキースも執筆時点ではマジック1で、試合中。この記事を読まれる頃には優勝が決まっていることを期待している。(優勝しました)
ファンとしては宿敵レッドソックスとの直接対決で決めたかったところだが、ちょっと足踏みといった印象だろうか。とはいえヤンキースの場合、地区優勝は当たり前、狙いはあくまでワールドシリーズ制覇にある。公式ウェブサイトでも優勝決定前からプレーオフのチケット申し込みが始まっているなど、気分はもう10月といった感じだ。
日本人としては松井秀喜外野手が復帰後すでに本塁打を2本放つなど、チームにしっかり貢献しているところが何より嬉しい。
ヤンキースも勝率は6割9厘でア・リーグでは唯一6割を超えている。この成績のままならワールド・シリーズは2000年以来の「サブウェイ・シリーズ」となるのだが、そううまくいかないのもMLB。プレーオフは短期決戦が続くだけに、勢いを落とさないよう優勝決定後も両チームとも手を抜かないで10月に突入してほしいものである。
September 21, 2006 12:16 PM
2006年09月14日
マツイがニューヨークに戻ってきた
「ハッピー・リターンズ」、「ゴジラ・リターンズ」、「ウエルカム・マツイ」。13日付のニューヨーク地元紙の裏1面はこんな見出しで埋め尽くされた。そう、ヤンキース松井秀喜外野手が左手首を骨折してから124日、110試合ぶりに12日のデビルレイズ戦でMLBに復帰したことを祝ったものだ。
その復帰戦でいきなり4打数4安打1四球の大活躍、チームが12-4で大勝するのに一役買ったのだから、各メディアがこのようにヒートアップするのは無理もない。
さらにニューヨーク・ポスト紙のブライアン・コステロ記者など松井の復帰紹介記事の冒頭で「ヤンキースタジアムの外看板には『ヤンキース-デビルレイズ』とあったが、それは『ゴジラの逆襲』とすべきだったかもしれない」とまで表現している。
たしかに初回に松井が「8番DH」としてこの日最初の打席に立とうとすると、スタンドを埋めたファンはスタンディングオベーションで彼を迎えた。その上で詰まってはいたものの、センター前へのタイムリー安打を放ち、その後も安打を連発したのだからこの試合を見てゴジラ松井の『モンスター・ナイト』という印象を受けた人も多いのではないだろうか。
しかしこのような歓待と期待を受けた松井はかなりのプレッシャーを感じていたはずだ。ニューヨーク・ポスト紙の記事によれば松井は「4安打するなんて考えてもいなかった。心地よい驚きだね」と話したとか。さらにジョー・トーリ監督は「彼が我々のそばにいてくれて嬉しいよ。プレッシャーを受ける中での彼のプレー能力は教えて身につくたぐいのものではないね」と絶賛したとしている。
おもしろかったのはニューヨーク・タイムズ紙が「ヤンキース、全気筒に火が入る」という見出しを使ったこと。この日は松井が復帰しただけでなく、鼠蹊(そけい)部の負傷で一時戦列を離れていたマイク・ムシーナ投手が復帰後2戦目で今季14勝目をあげてもいる。さらに左手首負傷で戦列を離れているゲリー・シェフィールド外野手が、約4カ月ぶりに打撃練習を再開した。いよいよ全戦力が揃うということで”全気筒”という表現になったわけだ。
ア・リーグ東地区首位を走るチーム成績もこの日の結果、マジック9となり、いよいよプレーオフが見えてきた。松井とヤンキースがシーズン終盤どんな戦いぶりを見せてくれるか楽しみだ。
さらにもう1つ。松井も復帰に向け練習したヤンキース傘下の1Aスタッテンアイランドが現在プレーオフに勝ち残っており、13日から連覇をかけニューヨーク・ペン・リーグ・チャンピオンシップ・シリーズに挑む。こちらも要注目だ。
September 14, 2006 10:34 AM
2006年09月07日
けが人続出で後がないレッドソックス
ヤンキースの宿敵レッドソックスが、がけっぷちに立たされている。
けが人が続出したことなどで、ラインアップがガタガタになった結果、8月は9勝21敗、5連敗1回、6連敗2回というていたらく。このため、ア・リーグ東地区では6日時点で首位ヤンキースに8ゲームも離され、ワイルドカード争いでもツインズから6ゲームも離され3位。このままではプレーオフ進出は絶望的な状況だ。
1日には今季4勝2敗、35セーブ、防御率0・92という素晴らしい成績で、ア・リーグ新人王の有力候補の守護神ジョン・パペルボン投手が投球中に右肩を痛め、負傷降板するアクシデントに見舞われ、ファンをより落胆させた。
5日発表されたところによると、MRI検査によって判明したパペルボンの症状は「右肩疲労による一時的な不全脱臼」。腱断裂などの重傷ではなかったものの、今季中に復帰できるかどうかは微妙だという。つくづくついてない、というしかない。
それでも選手もファンもまだあきらめてはいない。4日のホワイトソックス戦で、主砲のマニー・ラミレス外野手が右ひざの負傷が、さらに右腕を痛めていたトロット・ニクソン外野手と左ひざを痛めていたジェーソン・バリテック捕手の3人が先発に復帰した。特にニクソンは7月30日以来、バリテックは7月31日以来の実戦復帰だった。
こうした戦力回復のおかげか4、5日とホワイトソックスに連勝を果たしている。レッドソックスとしては何が何でも勝ち星を重ね、ゲーム差を縮めて15日からの今季最後の対ヤンキース3連戦に入りたいに違いない。
だがヤンキースもここ10試合で6勝4敗とそこそこの成績を維持している。特にアレックス・ロドリゲス内野手は8月28日~9月3日の1週間に、打率3割7分5厘、5本塁打、11打点を挙げ、ア・リーグ・プレーヤー・オブ・ザ・ウィークに選ばれるなど、完全復活を遂げた。同時期にデレク・ジーター遊撃手も打率4割7分6厘をマークするなど好調だ。さらにいよいよ松井秀喜外野手も6日、マイナーで実戦に復帰する予定だ。このままいけばライバル対決の場にゴジラの勇姿が見られそうである。
苦闘するレッドソックスだが、必死に這い上がってきても再び奈落へと突き落とされてしまうことになるかもしれない。
September 7, 2006 10:05 AM
