2006年08月10日
ピアザはメッツを代表するスターだった
フリー・エージェントでの移籍が普通になり、シーズン中に主力級選手をトレードすることが常態化して久しいが、これらが原因になって地元の顔、地元に根付いたスター選手がだんだん少なくなっているように感じているのは筆者だけではないはずだ。
しかし他の地域へ去っていっても、依然慕われ続ける選手も中にはいる。そんな選手はスター性という希なタレントを持っているのだ、と実感させれる出来事がニューヨークで起こった。
8日、開催されたパドレス対メッツ戦で昨季まで8年間メッツに在籍していたマイク・ピアザ捕手が、パドレス移籍後初めて“古巣”のシェイ・スタジアムに登場したのである。
スタジアムには「ありがとう、マイク」「NYはピアザを愛している」といったプラカードを持ったファンが多数詰めかけた。圧巻だったのは2回にピアザがこの日最初の打席に入った時。スタンドは総立ち状態になり、大声援でピアザを迎えたのだ。これに対し、ピアザはヘルメットをとって応えたが、あまりの歓声の大きさに3度も打席を外さなければならないほどだった。
普段は相手チームの選手に厳しい地元メディアもこの試合は別だったようで、試合日の8日付の紙面で“ピアザの帰還”を大きく報じた新聞が多かった。さらに翌9日付では「シェイ、ありがとう」という見出しとヘルメットを掲げるピアザの写真を裏1面に持ってきたニューヨーク・ポストのように、ほとんどの地元メディアがスポーツのトップ・ニュースとして扱ったのである。
ただメディアがここまでピアザに好意的になれたのは、3-2でメッツが試合に勝ったことも大きかったかもしれない。
またピアザを“将来の殿堂入り選手”と称したメディアも多かったが、先のオフシーズン、メッツがピアザと再契約しないことを決めた時、メディアもファンも異議の声を上げなかったのも事実である。ヤンキース入りが取りざたされたときも、それを後押しするような雰囲気はなかった。
結局ニューヨークを去ったからこそ、懐かしさをもって迎えられたのかもしれない、と考えると少し苦い思いもする。とはいえ、今こうして暖かく迎えられるのは、ピアザはやはりメッツを代表するスター選手だったと皆の心に刻まれているということなのだ。
August 10, 2006 10:02 AM
