渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年06月01日

ピンチ稼頭央、底力を出せ!

 前回“気になる”と書いて心配していたら、その4日後厳しい決断が下されてしまった。5月28日からメッツの松井稼頭央がスタメン落ちしているのだ。

 この日、ウィリー・ランドルフ監督は松井を先発から外し、「今後は誰を二塁に起用するか、その日ごとに決める」との新方針を明らかにしたのである。この“誰”とはホセ・バレンティンとクリス・ウッドワードのことで、松井に関しては「カズが復調できるようもう一度トライするつもりだ。これで彼の仕事がなくなるというわけではない。そういうことじゃない。彼が復調することを望んでいる。少し不振なだけだ」と苦しい説明をしている。現状ではレギュラー入りには失格という判断をしたということなのだ。

 こうなった原因は前回も書いた打撃不振。30日までで今季の打率が2割1分1厘、5月だけだと1割7分4厘、さらに27日までの7試合を見ると27打数でたったの3安打だった。確かにこれではレギュラーで使い続けるのは難しいのも事実である。

 しかもその後松井にとってさらにツラい展開になっている。レギュラーに定着するほどの力はないと判断されていたバレンティンが、松井に代わって起用された28日から好調なのだ。28日から3試合で11打数5安打、特に29日のダイアンモンドバックス戦では4打数2安打1本塁打、3打点を挙げる活躍を見せた。

 地元紙は当然のごとくこれに即座に反応している。30日付のニューヨークタイムズは「バレンティンがおそらくカズの仕事を勝ち取る」との記事を掲載。バレンティンの活躍を紹介したうえで、松井は職を失ったわけでも解雇されたわけでもないとしながらも「サヨナラ、カズ」と見放したような表現までしているのだ。

 ただマスコミはともかく、松井にはまだチャンスが残されている。ランドルフ監督はその言葉どおり、28、29日の試合で代打で松井を起用した。どちらも凡退してしまい、さらに30日のダイヤモンドバックス戦には出場機会がなかったのだが、少なくとも機会は与えられている。代打ではコンスタントに成績を残すのは難しいかもしれない。しかし、松井には少ないチャンスをモノにできる力があるはずだ。なんとか復調し、1日も早くレギュラーの座を奪い返して欲しいものである。

June 1, 2006 01:13 PM