渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年05月11日

「東のエリート対決再び」

 9日からヤンキースタジアムでは今季初のヤンキース対レッドソックス3連戦が始まった。長年にわたるライバルとのしかも首位争いということで、地元は当然のごとく盛り上がっている。「東のエリート対決再び」(ニューヨークポスト)といった見出しが組まれるほど、ヤンキースとレッドソックスに対する特別意識は高く、そしてまさに宿命のライバルとして捉えているのだ。またスポーツ専門ケーブル・チャンネルのESPNによる全米中継も組まれており、全国的にも関心度高いカードとなっている。

 それだけに第1戦が終わった翌日の10付紙面はすごいことになった。「みにくい!」「ソックス戦でヤンクスとランディ、失策のコメディ」(ニューヨークポスト)、「ブー!」「レッドソックスがヤンクスを粉砕し、ボスはAロッドを非難、ファンはランディを攻撃」(デイリーニューズ)といったこれでもかと言わんばかりの非難の言葉が裏1面にでかでかと並んだのである。

 原因は前夜の負け試合。その内容が3対14と今季最多失点だっただけではなく、3失策、2暴投とミスが続き、松井秀喜が「自滅したような感じ」とコメントしたとおりの惨敗だったためだ。

 先発したのは左腕ランディ・ジョンソン。エースとして大きな期待を背負っての登板だったが4回途中5安打、5四球、7失点でノックアウトされてしまった。この間、3回にはアレックス・ロドリゲス三塁手のタイムリーエラーと4回にはメジャーに昇格したばかりのメルキー・カブレラ右翼手が何でもないフライを落とす2失策が起こっている。

 この内容だと確かに言葉のきつい地元メディアが「みにくい」「ブー」といった見出しを組むのももっともかもしれない。ジョー・トーリ監督も「みっともない試合だな。ランディだけじゃない。みんな駄目だ」と話したという。

 このような試合をしたときに、やはり出た、と思わせられたのはデイリーニューズが強調した“ボス”ことジョージ・スタインブレナー・オーナーの発言と行動。同紙によれば試合内容に怒ったスタインブレナーは8回表でスタジアムを去ってしまったのだとか。その際「彼らにはびっくりさせられる」と話し、さらに特に「三塁手!」と言ってロドリゲスを非難したという。

 確かにロドリゲスはこの日2失策で「これまでプレーしてきた中で最悪な試合だろう」と認めているが、名指しで非難されるほどだったかというと微妙な感じではある。

 この宿命の対決は、この後今月は22日からもボストンで3連戦が組まれている。これから皆がどれほどヒートアップしていくか楽しみだ。

May 11, 2006 12:56 PM