渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年01月12日

関心低いWBC、意外な逆転劇を期待

 3月に開催が予定されているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。日本ではヤンキース松井秀喜、ホワイトソックス井口資仁の出場辞退が大きく報道されていた。この2選手の辞退で幾分下がったとはいえ、関心は依然高いように感じる。

 ではアメリカでのWBCへの注目度はどうかというと、日本よりも低いというのが実情だ。MLBは大手新聞や専門誌にWBCの広告を出し、ESPNやスポーツ・イラストレイテッドなどの総合スポーツ・ウェブサイトなどは、選手の出場・辞退情報などを順次掲載してはいる。が、ファンに密着している地元メディアでの報道はとなると、正直さっぱりなのだ。

 例えば、日本では連日の報道となった松井の辞退問題だが、地元紙ニューヨークポストはこのトピックを単独記事にはせず、デイリーニューズも短信扱いでウェブサイトに掲載しただけ。

 米国代表として出場か辞退かで揺れるヤンキースのスター、アレックス・ロドリゲスの問題ですら両紙とも松井と変わらない扱いなのだ。ニューヨークタイムズはこの問題を記事にしたが、それも50行弱の短い囲み記事に過ぎなかった。

 松井辞退の原因とされるようにヤンキースがWBCに消極的であることは周知のことであり、それがニューヨークのメディア、ファンにも伝わっているということもあるのかもしれない。

 しかしニュース検索などで他都市のメディアの報道ぶりを調べてみても、そう大差ない状況なのである。

 また3月18、20日に開催予定の準決勝、決勝のチケットはさすがに売り切れているが、1次リーグ、2次リーグのチケットはアメリカが出場する試合であってもかなり残っている状況だ。

 まだ開催まで時間があるから直前になれば変わってくるかもしれないが、この関心の薄さをなんとかしなければ、日本などの力の入れ方に相反して、寂しい大会になってしまうかもしれない。MLB側のさらなる広報活動に期待したいところだ。

 と書いている最中に、ブレーブスの名投手ジョン・スモルツが気を変え、出場を辞退したというニュースが入ってきた。キューバの出場問題を含め、いい話が続かないWBC、ここから意外な逆転劇で華やかな開幕へ、となってくれるといいのだが。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

January 12, 2006 07:00 AM

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