渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2006年01月26日

移籍先決まらない大物FAピアザ

 このオフシーズンでまだ落ち着き先の決まっていない大物FA選手の中に、元メッツのマイク・ピアザがいる。名誉の殿堂入りもあるスター選手だが、ここ3年ほどは成績が低迷、高額の年俸もあってなかなか移籍交渉が進んでいない様子だった。

 が、24日になって突如メディアに動きが出た。同日付の地元紙デイリーニューズが、ピアザの代理人がヤンキースと接触したと報じたのだ。

 ピアザはワールドシリーズやインターリーグでのヤンキース戦でライバル意識をむき出しにし、ただならぬ因縁があっただけに、これには驚いたファンも多いことだろう。

 ただし、同記事は「ピアザの代理人が指名打者兼控え捕手として売り込んだ」ものの「ヤンキースの反応はポジションが空いてない」というものだったとしている。つまり接触したものの、振られた、という結果まで報じたものだったのだ。

 が、この報道に同じ地元紙のニューヨークポストは25日付けで反応を見せているからおもしろい。裏一面でヤンキースのユニフォームを着たピアザの合成写真と「ドント・ドゥー・イット(それはやるな)」という見出しを載せたうえ、ヤンキースがピアッツアを獲るべきでない理由を連ねたコラムを大々的に掲載したのだ。

 そのなかではピアザの代理人がヤンキースに連絡をしたものの、ヤンキースGMブライアン・キャッシュマンはまだ返答をしていない、としている。が、見出し通りというより全体にヤンキース入りはなさそう、といった内容なのだ。

 いずれにせよ可能性がそんなに低いのならそこまで騒がなくても、と思うのだが、ピアザとヤンキースの接触というのはそこまで目を引く話題ということだろう。

 依然年俸がネックになっているものの、複数の球団がピアザ獲得の意思表示をしていると両紙とも報じてもいる。野茂の元女房役としても知られたピアザの移籍先が早く決まることを祈るばかりだ。

 また、25日のニューヨークポストは「カズ『ここにいたい』」という記事も載せている。24日にメッツが開催した選手や監督、首脳陣らが取材に応じる恒例の行事に松井稼頭央が参加したことを報じたもので、松井がメッツ残留に希望を持っているという内容。

 こちらも相変わらずトレードの可能性が強く噂されている。早く決着をつけ、松井が心地よくシーズンへの準備ができるようにしてもらいたいものだ。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

January 26, 2006 07:00 AM | トラックバック (0)

2006年01月12日

関心低いWBC、意外な逆転劇を期待

 3月に開催が予定されているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。日本ではヤンキース松井秀喜、ホワイトソックス井口資仁の出場辞退が大きく報道されていた。この2選手の辞退で幾分下がったとはいえ、関心は依然高いように感じる。

 ではアメリカでのWBCへの注目度はどうかというと、日本よりも低いというのが実情だ。MLBは大手新聞や専門誌にWBCの広告を出し、ESPNやスポーツ・イラストレイテッドなどの総合スポーツ・ウェブサイトなどは、選手の出場・辞退情報などを順次掲載してはいる。が、ファンに密着している地元メディアでの報道はとなると、正直さっぱりなのだ。

 例えば、日本では連日の報道となった松井の辞退問題だが、地元紙ニューヨークポストはこのトピックを単独記事にはせず、デイリーニューズも短信扱いでウェブサイトに掲載しただけ。

 米国代表として出場か辞退かで揺れるヤンキースのスター、アレックス・ロドリゲスの問題ですら両紙とも松井と変わらない扱いなのだ。ニューヨークタイムズはこの問題を記事にしたが、それも50行弱の短い囲み記事に過ぎなかった。

 松井辞退の原因とされるようにヤンキースがWBCに消極的であることは周知のことであり、それがニューヨークのメディア、ファンにも伝わっているということもあるのかもしれない。

 しかしニュース検索などで他都市のメディアの報道ぶりを調べてみても、そう大差ない状況なのである。

 また3月18、20日に開催予定の準決勝、決勝のチケットはさすがに売り切れているが、1次リーグ、2次リーグのチケットはアメリカが出場する試合であってもかなり残っている状況だ。

 まだ開催まで時間があるから直前になれば変わってくるかもしれないが、この関心の薄さをなんとかしなければ、日本などの力の入れ方に相反して、寂しい大会になってしまうかもしれない。MLB側のさらなる広報活動に期待したいところだ。

 と書いている最中に、ブレーブスの名投手ジョン・スモルツが気を変え、出場を辞退したというニュースが入ってきた。キューバの出場問題を含め、いい話が続かないWBC、ここから意外な逆転劇で華やかな開幕へ、となってくれるといいのだが。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

January 12, 2006 07:00 AM | トラックバック (0)