渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2005年11月17日

松井、ギリギリ契約で紙面の扱いは…

 ついに松井秀喜とヤンキースが、来季からの新たな契約に合意した。既に日本で大々的に報道されている通り、契約期間は4年で、年俸総額は5200万ドル(約61億8800万円)とみられている。

 この合意について、ニューヨークの地元メディアも16日にそろって報道している。ニューヨークのニュース専門チャンネルNY1が、スポーツコーナーで松井の活躍場面のハイライトを流しながら速報形式で伝えたほか、地元紙もすべて速報記事を掲載といった具合だ。

 その16日の各紙面だが、老舗のニューヨーク・タイムズはスポーツ面の1面で、今季のプレーオフで松井がフェンスにジャンプしながらファウルボールをキャッチする写真を大きく載せるとともに、「マツイ、ちょうどにサイン」「ヤンキースの左翼手、最高額の日本人選手に」という見出しで契約への経過をレポートした記事を組んだ。日本人選手の年俸にわざわざ触れるあたりが同紙らしいところか。また、「マツイの心は常にヤンキースとともにあった」という代理人アーン・テレムの言葉を小見出しに使うあたりは、ニューヨーカーの心をさらにつかみそうで、日本人としては少しうれしく感じた。

 ニューヨークポストの見出しは「商談成立」「マツイ、ピンストライプスにとどまる」というもの。あまり面白味がないが、ヤンキースでの3シーズンの成績を表にし、安定した数字を残していることを紹介して「ミスター一貫性」と名付けたのは目新しかった。

 対してデイリーニューズは「ヤンクス5200万ドルでマツイをキープ」「ゴジラの4年契約、時間ちょうどに成立」という見出し。具体的な金額に触れたが、ニューヨークタイムズと同様、交渉期限の15日、しかも午後10時ごろというギリギリに合意に達したことを強調するものになっている。ただいずれの記事も、双方が当初から残留を望んでいたこともあり、比較的淡々とした内容となっていた。

 とはいえ、松井の契約合意の報道は大々的なものではなかった。ニューヨークポストとデイリーニューズはともに裏1面では松井残留、契約合意を伝える1文の見出しを載せただけ、という扱いだったのである。では、この日トップで扱われたのは何かというと、大リーグ機構と選手会が新たな薬物規定の実施に合意したニュース。従来の規定より大幅に厳しく、3回目の違反で永久追放となるこの規定の厳格化については、米議会をも巻き込んだ問題になっていたこともあって、松井よりも大きなトピックとして扱われたようだ。

  この点に関してはギリギリのサインはちょっとタイミングが悪かったなぁ、と残念に思った次第である。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

November 17, 2005 07:00 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3512