2005年11月30日
議論沸騰!中堅手はだれに?
4年間総額5200万ドルという大型契約で松井秀喜の引き留めに成功したヤンキースだが、もちろん、これで来季に向けたチーム構築が終了したわけではない。むしろ、これからという部分も多いのだ。
その重要項目として、メディアやファンの間で議論されているのが中堅手問題。日本人としては巨人時代に見慣れた松井でいいのでは? と思ってしまうのだが、そうもいかないようだ。
そんな中、地元紙のデイリーニューズが26日付でおもしろい調査結果を掲載していた。読者による投票と意見を集めた“スポーツ・フォーラム”のコーナーで、来季の中堅手はだれがいいか? という質問についてである。
1位は、32%を獲得したワールドシリーズ覇者ホワイトソックスのアーロン・ロワンド。チャンスに強く、強打が持ち味のロワンドはフリーエージェントではないため、ヤンキースはトレードで獲得を望んだが、交換要員がマッチしなかったため、頓挫したと見られている。だが、ファンの願望は強いようだ。
2位は11%で、レッドソックスからFAになったジョニー・デーモンと、これまで中堅手を長く担ってきたバーニー・ウィリアムスだった。バーニーの根強い人気が証明された形である。
松井はというと、5%で4位だった。意外なほど低い数字にびっくりではある。
読者の意見にも「松井は中堅手ではない」という手厳しいものもあった。一方で「松井は中堅に移すべきだ。だが、そうすると左翼は誰が守る?」という陣容の問題から消極的に反対する意見もあり、この数字だけを見て地元ヤンキースファンが松井に中堅落第の印を押している、と見るのは良くないのかもしれない。
そんな同紙は29日付紙面でヤンキースとジョニー・デーモンが本格的な交渉に入っている、と報じた。ただヤンキース側が3年契約を望んでいるのに対し、デーモン側は7年という長期契約を望んでいるため、まだ双方の隔たりは大きいとしている。
もしデーモンがヤンキース入りするなら中堅はデーモン、左翼松井で決定ということになるだろう。また、長打力はないが、確実な打撃を誇るデーモンが打順のどこに入り、どんなオーダーになるかは興味深いところである。
外野のトリオが揃うと、また1つ来年のヤンキースの姿が見えてくる。徐々に姿を現す新ヤンキース姿をあれやこれや言いながら、ファンたちは寒いニューヨークの冬を過ごしていくのである。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
November 30, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
2005年11月17日
松井、ギリギリ契約で紙面の扱いは…
ついに松井秀喜とヤンキースが、来季からの新たな契約に合意した。既に日本で大々的に報道されている通り、契約期間は4年で、年俸総額は5200万ドル(約61億8800万円)とみられている。
この合意について、ニューヨークの地元メディアも16日にそろって報道している。ニューヨークのニュース専門チャンネルNY1が、スポーツコーナーで松井の活躍場面のハイライトを流しながら速報形式で伝えたほか、地元紙もすべて速報記事を掲載といった具合だ。
その16日の各紙面だが、老舗のニューヨーク・タイムズはスポーツ面の1面で、今季のプレーオフで松井がフェンスにジャンプしながらファウルボールをキャッチする写真を大きく載せるとともに、「マツイ、ちょうどにサイン」「ヤンキースの左翼手、最高額の日本人選手に」という見出しで契約への経過をレポートした記事を組んだ。日本人選手の年俸にわざわざ触れるあたりが同紙らしいところか。また、「マツイの心は常にヤンキースとともにあった」という代理人アーン・テレムの言葉を小見出しに使うあたりは、ニューヨーカーの心をさらにつかみそうで、日本人としては少しうれしく感じた。
ニューヨークポストの見出しは「商談成立」「マツイ、ピンストライプスにとどまる」というもの。あまり面白味がないが、ヤンキースでの3シーズンの成績を表にし、安定した数字を残していることを紹介して「ミスター一貫性」と名付けたのは目新しかった。
対してデイリーニューズは「ヤンクス5200万ドルでマツイをキープ」「ゴジラの4年契約、時間ちょうどに成立」という見出し。具体的な金額に触れたが、ニューヨークタイムズと同様、交渉期限の15日、しかも午後10時ごろというギリギリに合意に達したことを強調するものになっている。ただいずれの記事も、双方が当初から残留を望んでいたこともあり、比較的淡々とした内容となっていた。
とはいえ、松井の契約合意の報道は大々的なものではなかった。ニューヨークポストとデイリーニューズはともに裏1面では松井残留、契約合意を伝える1文の見出しを載せただけ、という扱いだったのである。では、この日トップで扱われたのは何かというと、大リーグ機構と選手会が新たな薬物規定の実施に合意したニュース。従来の規定より大幅に厳しく、3回目の違反で永久追放となるこの規定の厳格化については、米議会をも巻き込んだ問題になっていたこともあって、松井よりも大きなトピックとして扱われたようだ。
この点に関してはギリギリのサインはちょっとタイミングが悪かったなぁ、と残念に思った次第である。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
November 17, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
2005年11月03日
松井の去就は…ヤンキース補強会議
ニューヨークの地元紙は2日、一斉に1日から始まったヤンキースの会議について報じていた。この会議はジョージ・スタインブレナー・オーナーをはじめ、フロリダ州タンパを拠点とする球団幹部が中心メンバーとなって、今オフの補強策について話し合われているもの。
この“タンパ”というのが、今のヤンキースではキーワードになっている。ニューヨークから遠く離れた場所にいる幹部たちと、ブロンクスにあるヤンキー・スタジアムを拠点とする“現場”との間にしばしばあつれきが生じることが指摘されているのだ。先に契約を更新したブライアン・キャッシュマンGMも会見でそのことに苦労したことを認める発言をしていたほどである。
今回の会議は、そうした問題を解消する意図が見られると指摘した記述が、いくつかの記事に出ていた。会議がニューヨークで開催された、ジョー・トーリ監督が2002年以来初めてこの会議に参加した、といった点である。その上でニューヨークポストは、スタインブレナー・オーナーの「彼らはうまくやった。結果はまだ完全ではないけどね」というコメントを掲載しつつ、前後してキャッシュマンが「その点については話すことができない」と4時間にわたった会議の内容について明言しなかったともしており、問題が解消されたかどうか不明だと指摘するような表現をしている。
と同時に、各紙ともそんな背景や会見にかかわらず、会議の主な議題は明白、としているのも特徴的だ。これまで何度も指摘されてきた通り、中堅をどうするか、15日で契約が切れる松井秀喜との契約は、その他のチームを離れる選手とその穴を埋めるFA補強は、について話されているに違いないというのだ。特に松井については中堅に回すという案もあり、それらの中でも重要視されているというのも同じ。
確かに今の状況では、これらについては疑いようがないともいえよう。とりかかるべき問題は明白なのである。
松井の問題について、1日付のニューヨークポストはキャッシュマンが「15日までにサインできなければ、松井はチームを去ることになる」とコメントしたことを掲載。さらに2日付では松井の代理人であるアラン・テレムがヤンキースとの交渉は来週のGM会議で本格化するだろうと語ったとしている。
こうしたことから、今回の会議中に松井の契約交渉が進むことはなさそうだが、逆に松井側に対し、どこまでの条件を飲む用意があるかがここで決まるのではないかと思われる。
これまで松井の残留は確定的と見られていたが、急転直下ということもあるかもしれない。タンパの幹部たちが会議で松井を過小評価しないでくれることを願うばかりである。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
November 3, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
