2005年09月22日
期待と疑惑の中でボンズ復帰
いよいよ終盤に入ったMLB各地区の優勝争いとワイルドカード・レース。残り約2週間の熱闘にファンの興奮が高まっている。そんな中、プレーオフ争いとは別に全米が注目するトピックがある。ジャイアンツの主砲、バリー・ボンズの復帰だ。
日本でも数多く報道されているように、昨シーズンまでで703本の本塁打を記録しているが、今季は右ひざの故障で11日まで欠場を続けていた。さらに筋肉増強剤使用について疑われており、その記録の意義を問う声も多い状況だ。ベーブ・ルースとハンク・アーロンの本塁打数への挑戦への期待と、不正への疑惑の入り交じった中での復帰となったのである。
それでも12日からの6連戦はホームでの試合だったため、地元ファンは比較的温かく迎えていたようだ。
対して他地方のファンの感情が明らかになったのが、ボンズにとって初のロード・ゲームとなった20日のナショナルズ戦だった。ここニューヨークでも地元紙ニューヨークポストが、ニューヨークには絡まない試合ながら、21日付の紙面でその様子をわざわざ記事にしている。
記事のタイトルは「ボンズ、ブームでブーに応える」。ブームとはとどろき、つまりバット・スイングのことで、ブーとはブーイングの音のことだ。つまりスイングでブーイングに応えたという意味である。
同記事によれば、やはりこの日のファンは試合前からボンズにブーイングを浴びせ、左翼の守備につけばやじり倒したのだという。他地方のファンにとってはやはり疑惑のほうに目が向けられている、ということなのだろう。
それに対して、ボンズは4回に2階席に届く今季3号、通算706本目の本塁打を放った。さらにその後ブーイングを続けるファンに対し、指を唇にあて、静かにするジェスチャーをして見せた。ボンズは「(ファンのおかげで)少し燃えた」とコメントしており、熱心なブーイングは逆にハッパをかけたようである。
ただ記事はこの特大の本塁打で「ボンズはブーイングを声援に変えた」と表現したが、事態はそう簡単にいきそうもない。「今年2度の薬物テストをクリアした」と身の潔白を主張しているものの、彼を疑う雰囲気は依然強く、今後もブーイングは続くだろう。21日にも4試合連続で放ち、ルースに並ぶ714号まで残り7本、残り試合はあと11試合、うち29日までの8試合が敵地なのだ。
ルースの記録に近づくにつれ、ファンやマスコミの反応がどうなっていくのか注目したい。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
September 22, 2005 07:00 AM
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