2005年09月29日
最後に笑うのは…最終決戦突入
いよいよMLBのシーズンがクライマックスを迎える。気になるヤンキースだが、この記事を執筆している27日終了時点では、92勝65敗でア・リーグ東地区ではレッドソックスと並んで同率首位。ワイルドカード争いも、この2チームに中地区のインディアンスが加わり、3チームが首位という大接戦の状況にある。
宿敵レッドソックスとの最終3連戦は30日からで、その前に28、29日とオリオールズ戦を2つ残す。この2戦を落とすことだけは何としても避けたいところだ。
注目のレッドソックス戦には、最悪でも2ゲーム差で突入するわけで、まさに「最終決戦」と呼ぶにふさわしいものになりそうだ。
ヤンキースは26日からロードが続いており、最後がアウエーという面では不利といえる。ただ、ボルチモア、ボストンはニューヨークに近い東海岸の都市で、ボルチモアとボストン間は飛行機で1時間あまりと移動がつらいということはない。天気予報も30日から2日まで悪い日はなく、最高気温が約23度、最低気温が約9度と、観客やスタジアムが作り出す雰囲気を別にすれば、快適にプレーできそうだ。
ヤンキースの先発だが、30日が王建民、1日がランディ・ジョンソン、2日がマイク・ムシーナと予想されている。今シーズンの勝ち星トップ3が並ぶ格好だ。しかしムシーナは故障明けで、27日のオリオールズ戦では2回途中で5失点し、KOされている。状況によってはローテーションを崩して先発を変えることになるかもしれない。
期待の松井秀喜だが、ここ1週間は26打数9安打、打率3割4分6厘と好調で、チームに貢献している。長打が二塁打1本だけ、というのが気になるところだが、この調子を維持して、レッドソックス戦に突入してもらいたいものだ。
ワイルドカード争いだが、中地区で井口資仁のいる首位ホワイトソックスと2位インディアンスの戦い次第で大きく変化する。ホワイトソックスはインディアンスに2ゲーム差をつけており、28、29日のタイガース戦で連勝し、インディアンスがデビルレイズ戦に連敗すれば、優勝が決まる可能性もある。だが、やはり30日からの両チーム直接対決3連戦で決まる可能性が高いだろう。
ヤンキース、そして残りの3チームもだが、下手をすれば優勝を逃した上、ワイルドカード争いでも敗れる、ということもありうるわけで、1日たりとも気を抜けそうにない。
2日夜、笑っているのは果たしてどの3チームになるだろうか。3日にワンゲーム・プレーオフが開催される事態になるのか。興奮は高まるばかりだ。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
September 29, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
2005年09月22日
期待と疑惑の中でボンズ復帰
いよいよ終盤に入ったMLB各地区の優勝争いとワイルドカード・レース。残り約2週間の熱闘にファンの興奮が高まっている。そんな中、プレーオフ争いとは別に全米が注目するトピックがある。ジャイアンツの主砲、バリー・ボンズの復帰だ。
日本でも数多く報道されているように、昨シーズンまでで703本の本塁打を記録しているが、今季は右ひざの故障で11日まで欠場を続けていた。さらに筋肉増強剤使用について疑われており、その記録の意義を問う声も多い状況だ。ベーブ・ルースとハンク・アーロンの本塁打数への挑戦への期待と、不正への疑惑の入り交じった中での復帰となったのである。
それでも12日からの6連戦はホームでの試合だったため、地元ファンは比較的温かく迎えていたようだ。
対して他地方のファンの感情が明らかになったのが、ボンズにとって初のロード・ゲームとなった20日のナショナルズ戦だった。ここニューヨークでも地元紙ニューヨークポストが、ニューヨークには絡まない試合ながら、21日付の紙面でその様子をわざわざ記事にしている。
記事のタイトルは「ボンズ、ブームでブーに応える」。ブームとはとどろき、つまりバット・スイングのことで、ブーとはブーイングの音のことだ。つまりスイングでブーイングに応えたという意味である。
同記事によれば、やはりこの日のファンは試合前からボンズにブーイングを浴びせ、左翼の守備につけばやじり倒したのだという。他地方のファンにとってはやはり疑惑のほうに目が向けられている、ということなのだろう。
それに対して、ボンズは4回に2階席に届く今季3号、通算706本目の本塁打を放った。さらにその後ブーイングを続けるファンに対し、指を唇にあて、静かにするジェスチャーをして見せた。ボンズは「(ファンのおかげで)少し燃えた」とコメントしており、熱心なブーイングは逆にハッパをかけたようである。
ただ記事はこの特大の本塁打で「ボンズはブーイングを声援に変えた」と表現したが、事態はそう簡単にいきそうもない。「今年2度の薬物テストをクリアした」と身の潔白を主張しているものの、彼を疑う雰囲気は依然強く、今後もブーイングは続くだろう。21日にも4試合連続で放ち、ルースに並ぶ714号まで残り7本、残り試合はあと11試合、うち29日までの8試合が敵地なのだ。
ルースの記録に近づくにつれ、ファンやマスコミの反応がどうなっていくのか注目したい。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
September 22, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
2005年09月15日
ヤンキースの浮沈握る松井
注目された7日から13日までの1週間におけるヤンキースの成績は4勝2敗だった。宿敵レッドソックスとの3連戦も、2勝1敗で勝ち越しに成功している。レッドソックスは同じ1週間で3勝4敗、13日終了時点のゲーム差は先週7日時点より1.5ゲーム縮まり、2.5となったが、2.5もある、とも言える。それより深刻なのは、ワイルドカード・レース。インディアンスが6勝1敗だったため、ついに2位に転落、ゲーム差1となってしまった。
リーグ戦の厳しさを感じた1週間で、地元メディアはもちろん、連日熱狂的な報道を続けたが、その中で良くも悪くも目立ったのが松井秀喜だった。ニューヨーク・ポストを例に挙げると、8日付から14日付まででヤンキースの選手が裏1面を飾ったのは実に6回。そのうち2回登場したのは松井だけなのだ。
ただし、1回目の11日付に関しては悪い方での登場となっている。10日のレッドソックス戦でヤンキースは2-9で敗れたのだが、松井は4回表1死満塁でレフトフライをまさかの落球。この失策が敗因となった。同紙はこの落球の写真に「ブロンクス・ブンブラーズ」という見出しで、負け試合を伝えている。ブンブルとはふらつく、という意味で、ヤンキースの別称ブロンクス・ボンバーズにかけたもの。失策で失点し、連勝できなかったヤンキースをフラフラしているととらえたのだ。
一転して、いい方での登場となったのが、14日付紙面。前日のデビルレイズ戦でヤンキースは20安打の猛攻を見せ、17点を挙げて圧勝した。この試合で松井は2本の二塁打を含む4打数4安打4打点と大暴れしている。その印象が強かったためであろう。裏1面には松井の打撃場面の写真が大きく掲載された。
ただ、写真に添えられた見出しは「手直しされたヤンキースのラインアップが、レイズにつけを払わせた」というもの。これはこの日、アレックス・ロドリゲスが2番、ジェーソン・ジアンビが3番、ゲーリー・シェフィールドが4番と打順が組み替えられ、それが功を奏したことを示している。松井はレッドソックス3連戦から5番を打っており、この日打順が変わったわけではないのだが。
いずれにしろ、松井はヤンキースの浮沈を握る中心選手となっている。彼がいい方で1面を飾る日がこれまで以上に増えれば、チームのプレーオフが見えてくるのは確実だ。
最後に、もう1つのヤンキースの話題を。
以前紹介したマイナーリーグ1Aのスタッテンアイランド・ヤンキースがプレーオフを勝ち抜き、ファイナルのチャンピオンシップ・シリーズへ進出した。優勝を決するシリーズはブルージェイズ傘下のオーバン・ダブルレイズを相手に14日から3回戦制で行われる。
MLBのヤンキースよりひと足早く栄冠をつかむことになるか、こちらも注目だ。
同チームの日本語ウェブサイトは、http://www.siyanks.jp
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
September 15, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
2005年09月08日
ヤンキース、今週がヤマ場
9月に入って1週間、期待のヤンキースはワイルドカードレースのライバルであるアスレチックスとの3連戦で2勝1敗と勝ち越したものの、6日終了時点で2勝3敗と勢いがつかないでいる。
6日のデビルレイズ戦も、失策から逆転負けを喫した。デビルレイズはヤンキースと同じア・リーグ東地区で最下位に沈んでいるが、ヤンキースは4勝10敗と苦手としている。こうした結果、ヤンキースと同地区の首位レッドソックスとのゲーム差が4に広がってしまった。ワイルドカードレースでは首位を保っているものの、2位インディアンスとの差はわずか0.5、3位アスレチックスとの差は1.5となっている。4位ツインズは5.5ゲームの差があり、以下は脱落した状況だ。
そんな苦しい状況にあるヤンキースは、さらに今日7日からの1週間に1つのヤマ場を迎える。まず8日まで苦手デビルレイズとの2連戦が残り、そして9日からいよいよレッドソックスと本拠ヤンキースタジアムでは、今季最後となる3連戦に突入するのである。しかも、その直後は再びデビルレイズと、今度は敵地での3連戦が待ちかまえているといった具合だ。
苦手とはいえ、デビルレイズにこれ以上の取りこぼしは許されない。しかし、それ以上に気になるのはレッドソックスとの3連戦。ここで一挙に首位奪還とはいかなくても、何とか射程に入れたいところではある。
今季レッドソックスとの対戦成績は7勝6敗。ホームでは3勝3敗と五分。前回の対戦はオールスター開けの7月14日から敵地での4連戦で3勝1敗だった。
ホームの有利さを生かしきれてない感じがするが、9月の首位争いということでスタジアムの雰囲気は特別なものになるだろう。ヤンキースの面々を後押ししてくれるに違いない。
特に、レギュラーシーズン最後の対戦カードがレッドソックスと敵地での3連戦で、その際は逆に厳しい環境でのプレーを強いられるのは必至だから、それだけに今回の3連戦は何が何でも勝ち越したいところだ。
この3連戦の9、10日分は全米でテレビ中継される予定で、注目度の高さがうかがえる。
最後に期待の松井秀喜だが、ここ1週間の成績は23打数4安打、打率1割7分4厘、長打は三塁打1本だけ。先週調子が上向いてきた、と書いたが逆に下降線をたどってしまった。何とか復調し、ライバル打倒の主戦力となって欲しいものである。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
September 8, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
2005年09月01日
首位奪還には、松井の活躍不可欠
熱戦の続いた8月が、ようやく終わろうとしている。8月30日終了時点で、ヤンキースはア・リーグ東地区の首位レッドソックスに2.5ゲーム差の2位。注目のワイルドカード争いでは、インディアンスに0.5差で首位となっている。
そんな中、我々にとって非常に気になるのが松井秀喜の調子だ。執筆時点では同31日のマリナーズ戦を1試合残しているものの、ここまで8月の成績は114打数30安打で、打率2割6分3厘。これは4月の2割5分に続き、今季の月間打率では2番目に低い数字だ(ちなみに最高は6月の3割9分8厘)。
7月が3割1分7厘だったから、ニューヨークを含む全米各地を襲った猛暑のせいなのか、急速に調子を落としてしまった感がある。また、本塁打も7月の7本から3本に減ってしまった。
ただこの成績の推移をもう少し細かく見てみると、30日までの過去14日間での打率は2割8分8厘で、さらに最近の7日間ではちょうど3割なのだ。つまり8月前半を底に、次第に調子が戻ってきているのである。
特に「ここ7日間」というのは、2番に打順が移ってからということだ。慣れない2番での打撃が調子に影響するのでは、とみんなが心配しているが、少なくとも数字上は動じていないように見えるのだ。
ただ2番に移った23日の20号以来、本塁打が日米通算400号を前にして止まっているのは気になる。何とか去年に続き、30本を達成してほしいところだが、苦しくなっているのは事実だ。
守備もレフトとセンターを行ったり来たりという状態が続いている。チームを第1に考える松井は、こうした不安定な状態でのプレーも当然のことと考えているだろうが、もう少し固定できれば、と思ってしまう。
今、ヤンキースはニューヨークとは3時間の時差がある西海岸に遠征中。マリナーズ戦の後は西地区で首位に立ったアスレチックスとの3連戦を控える。今季、アウエーでの打率が2割6分3厘と低いだけにここからが正念場だ。この遠征が終われば18日ぶりの休養日もやってくる。
首位奪還、ワイルドカード・トップ維持には、松井の完全復調が必要不可欠。何とか乗り切ってもらいたいものである。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
September 1, 2005 07:00 AM | トラックバック (0)
