2005年08月04日
ヤンキース野茂、初登板は失敗?
ヤンキースは先月27日、以前からうわさされていた野茂英雄投手とマイナー契約を結んだ。この動きをいち早く報道したのは、地元紙の1つ、ニューヨーク・ポストだった。
前々回、野茂とヤンキースの契約の可能性についての地元メディアの反応を紹介したとき、同紙は野茂獲得の動きについて一切報じていなかった。そこからすっぱ抜くところが、やはり地元メディアの強みといったところであろうか。今回の契約は、同紙が27日付紙面で報じた後、チームから正式発表、という運びになった。
われわれ日本人としては、すぐメジャーに昇格し、ピンストライプのユニホームで松井秀喜とともにプレーする野茂を期待してしまうが、その後の地元メディアの報道とチームの動きを見ていると、そうすんなりとはいかないかもしれない。
既に報道されているように、野茂はヤンキース傘下の3A、コロンバス・クリッパーズで2度の調整登板を行うことになっている。その初登板は1日、バージニア州ノーフォークでのノーフォーク戦で先発投手として行われた。結果は3回途中、2失点で降板、被安打3、奪三振4、与四球4だった。
日本語では“調整”という言葉を使うことが多いが、この登板について地元メディアはメジャーで投げる力が野茂にあるかどうかを見極めるための“テスト”ととらえている。
そのため、2日付のデイリーニューズは「ノモ、メジャー昇格への最初のマイナーテストに失敗」という見出しで、1日の登板について伝えている。さらに同記事には「何の約束も保証も存在していない」と、野茂が先発ローテーションの一角を保証されているわけではないことを強調するヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMのコメントも添えてあった。地元メディアにとっては“失敗”という印象だったのである。
またヤンキースは2日にパドレスを解雇されたデニス・レイエス投手と契約したが、これを同紙は「野茂との契約に似た動き」と表現し、キャッシュマンGMの「われわれはもっと選択肢が欲しいだけ」というコメントを掲載した。
つまり、野茂がヤンキースの一員としてプレーするには、単にテストされているだけでなく、いくつかの“選択肢”の中から勝ち上がらなければならないのである。
野茂にとって試練の道が続く。しかし彼はこれまでもいくつもの困難を乗り越えてきた。見事、勝ち上がり、ヤンキースタジアムでその勇姿を見られる日は近い、と信じたい。次のテスト登板は5日の予定だ。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
August 4, 2005 07:00 AM
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