渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2005年06月02日

稼頭央「二塁も先発落第」

 31日にシェイスタジアムで開催されたダイヤモンドバックス戦で、メッツの松井稼頭央は出場機会をもらえなかった。首のケガも既に癒えていたにもかかわらず、先発で二塁を守ったのはミゲル・カイロだった。

 カイロは前日までで8試合連続安打を続けており、この試合でも3打数2安打を記録するなど現在好調である。それゆえの起用といえるが、松井も「練習でも調子は上がっていた」と発言するぐらい本人としてはいい状態にあったようだ。それだけに「ケガもしていないのに外されたのは初めて」と、悔しさをにじませたコメントが出るのも当然だろう。

 そしてニューヨークの地元紙は1日、この起用に敏感に反応した記事を一斉に掲載している。その論調は遊撃に続き、二塁も先発落第、というものだ。 ニューヨーク・ポストの場合、ラリー・ブルックス記者による「カズと効果:二塁は今ミゲルのものに」というコラムを掲載した。

 ブルックスはその中で松井をスーパーマンのコミックに登場する悪役キャラにたとえ、メッツに加わって以来、損害と混とん、混乱とを与えてきた、とまで示唆しているのだ。

 出場できなかった松井が「チャンスを与えられたときに、100%の力を出すのが自分の仕事」とコメントしたことをストイック、と評価はしている。とはいえカイロを9試合連続安打に加え、犠牲バントや二-遊-一のダブルプレーなどプレー全般にわたり高く評価。実質的な落第宣言記事になっていることに変わりない。

 そこまで断定的ではないがデイリーニューズも「カズ、ベンチで座っていることを強いられる」という記事を掲載している。

 ウィリー・ランドルフ監督がこの日松井を依然「技術的に私の二塁手」とコメントしたものの、「ミゲルは今多くのエネルギーを我々に与えてくれているし、いいプレーをしている」とも話したことも掲載。少なくとも現在に関してはカイロが正二塁手の座にあることを指摘している。

 気になるのはどちらの記事でも、今シーズンがメッツとの3年間総額2010万ドルにのぼる契約の2年目ということが強調されている点。なかには「それゆえ彼は先発の仕事を取り戻すため、より多くの機会を与えられるだろう」(デイリーニュース)といった表現もあり、高額契約ゆえに本来落第のはずの松井に機会が与えられているような印象を地元ファンが受けてしまいそうである。

 ここでさらに悪いイメージが定着、となるとメッツ在籍まで致命的になりかねない。この状況をなんとか打破する突破口を、松井が見つけてくれることを望むばかりだ。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

June 2, 2005 07:00 AM

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