2005年06月16日
生まれもってのスター、松井秀喜
松井秀喜は、やはり生まれもってのスター選手なのだ。ケガを押して出場した14日のパイレーツ戦での活躍に、その認識をあらためて強くした。
事の発端は12日のカージナルス戦だった。7回裏の守備で右翼に入っていた松井は安打を捕ろうとして足首をひねり、ジョー・トーリ監督とトレーナーに付き添われ、ベンチに退くこととなったのである。松井の日米連続出場を知る者はみな、これを見て凍りついたが、それはここアメリカでも例外ではなかった。このシーンが全米向けスポーツ・ニュースで紹介されたほか、地元紙も「マツイの転倒が連続記録をKOするかもしれない」(デイリーニューズ)といった負傷とその影響を危惧する記事を掲載したのである。
幸い13日に試合がなく、MRI(磁気共鳴画像装置)検査の結果、骨に異常ないことが判明。14日当日、トーリ監督の判断で、指名打者としての出場となった。
そして、みなが不安な目を向けるなか、松井は第1打席で先制の5号ソロ本塁打を放ち、4回の第2打席も右前打で出塁。ホルヘ・ポサダ捕手の左前打で、二塁からホームインする好走塁を披露したのである。
これを受けて15日の地元各紙は松井を大きく取り上げることとなった。それらの記事に共通しているのは、ニューズデーの記事が「松井の右足首のMRIは陰性だったが、彼は日本人記者たちに、昨日ゲームがあったらプレーすることはできなかったろうと話した」という書き出しになっているように、13日には出場できる状態ではなかった点を強調していること。
さらに打撃練習をするまで、プレーできるかどうか不確かだったことにも言及している。例えばデイリーニューズは打撃練習前にクラブハウスの扉に貼られた打順表の5番には“Ma”とだけ書かれており、指名打者が“マツイ”か“マルチネス”かわからなかった、と明かしており、やはり松井の出場がギリギリの出場だったことを強調していた。
また、大きく負け越した遠征から戻っての本拠初戦を9-0で勝利した、という背景まであった。そうしたことを紹介した上で、これらの記事はいずれも松井の活躍に「感情に訴える」という言葉を使うほどの絶賛をしているのである。ドラマチックな展開で、その主役になれるのは、やはりスターとしかいいようがない。
とはいえ、松井がこれで完全復活となったわけではなく、依然として心配な状態が続いているのは事実だ。
15日、ヤンキースは09年オープンを予定している新スタジアム建設計画の全容を発表した。ぜひその開幕の日まで松井にはヤンキースの一員として、連続出場を続けていて欲しいものである。
【ジャーナリスト 渡辺 史敏】
June 16, 2005 07:00 AM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3538
