渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2005年05月19日

“カズズ”今後の大発奮に期待

 “アジアン・ナイト”と銘打たれたプロモーションが行われた17日のメッツ対レッズ戦は、“カズ・ナイト”と呼べるような試合になった。

 約1カ月ぶりにけがから復帰した石井一久が先発として6回1/3を3安打1失点に抑え、松井稼頭央が7回に試合を決める3号逆転2ラン放ち、2対1で勝利したのだ。

 地元タブロイド紙ニューズデーはこの2人の活躍を報じた試合リポートに「カズズ、シンシーを共同でKO」という見出しをつけた。シンシーとはレッズの本拠地シンシナティの略称で、愛称カズを複数形にしたKazsという表記になっているのがミソだ。

 デイリーニューズも同じように石井と松井両名の活躍を試合リポートのメーンにしたが、見出しは「カズ、HR(ホームラン)でレッズとブーを黙らせる」と、松井寄りのものになっていた。ブーとはもちろんブーイングのこと。こうした見出しに使われるように、ニューヨークでも日本でも松井にブーイングのイメージが定着してしまったのはちょっと悲しい。これを機にイメージ・チェンジがなされていくことを願うばかりだ。

 対する石井に関しても、この試合を見てほっと胸をなで下ろしたメディアやファンも多いはずだ。試合当日の各地元紙では「イシイが復帰、しかしローテーションは依然流動的」(ニューヨークポスト)といった見出しをつけた記事が並んだためである。それらの記事はいずれも、石井の復帰は本人、チームにとっていいことだが、だからといって現状では先発ローテーションが固まりそうになく不安要素が多い、という意見で構成されていた。石井にしても以前から指摘されてきた制球面での不安を理由に、信頼を勝ち得ているとは言い難い文章が多かった。これも悲しいことである。

 それだけに、勝敗はつかなかったもののこの試合の投球に高い評価がされたことは喜ばしいことと言えよう。

 今の2人には、安定して結果を残していくこととともに、印象的な活躍の両方が必要なのかもしれない。

 20日からは今年最初のサブウェイ・シリーズがメッツの本拠地シェイスタジアムで始まる。彼らがどんなプレーを見せてくれるか楽しみだ。この注目度が段違いの3連戦で活躍すれば、皆に与える印象も違う。ぜひとも大発奮を期待したいところである。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

May 19, 2005 07:00 AM

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