渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2005年04月07日

開幕カード大活躍の松井に絶賛の嵐

 2005年のMLBシーズンが始まった。ニューヨーク・チーム所属では5日現在、メッツの石井一久の登板はまだだが、W松井は順調な滑り出しを見せている。

 2年連続初打席本塁打を放った松井稼頭央も素晴らしいが、それ以上に存在感を示しているのがヤンキースの松井秀喜だ。

 3日に行われた宿敵レッドソックスとの開幕戦では、本塁打を含む5打数3安打の猛打賞を記録。さらに守備では2回、ケビン・ミラーによる本塁打性の当たりをフェンス際でジャンピング・キャッチし、新加入の“ビッグ・ユニット”ことランディ・ジョンソンのピンチを救った。

 続く5日の第2試合でも、2試合連続の本塁打を含む4打数3安打を記録したのだ。

 松井のこの大活躍を、ニューヨーク地元メディアは当然のごとく連日大きく報道している。残念ながら裏1面などトップの扱いは、初戦がジョンソンの初勝利、第2戦はサヨナラ本塁打を放ったデレク・ジーターがさらっていったが、スポーツ面のトップなどは松井の記事や写真にかなりの紙面が割かれた。

 例えば、4日のニューヨークポストは大見出しで「マツイ、モンスター・ナイトを楽しむ」と打ち、本文で「まずグローブでレッドソックスを叩きのめし、バットで止めを刺して、昨夜ゴジラはヤンキースのための新たなモンスター級開幕戦を飾った」といった具合。デイリー・ニューズも「ヒデキ・マツイ、契約最終年にゴジラ級モンスター・シーズンを開始」と表現していた。

 デイリー・ニューズは6日付でも「ヒデキ・マニア増加」という見出しの記事を掲載ししている。「ヒデキ・マツイがゲームを支配すればするほど、人々はより注目する。コミッショナーですら昨日は彼を褒め称えた」という書き出しで、第2戦を観戦したバド・セリグMLBコミッショナーが、観戦するたびに成長する松井を褒め称えたことを取り上げたのだ。

 まさに絶賛の嵐といった感じだ。

 そんななかで一番おもしろく感じたのが、3日の記者会見でジョンソンが話したエピソードに関する記述だった。ジョンソンのコメントは「通訳に日本語でawesome(スゴイ、すさまじい)をなんて言うのか尋ねたんだ。そしたら彼は“Psycho(サイコ、精神病者)”と言った。サイコと呼ばれて、彼がからかわれてると思わなければいいんだけど」というもの。

 日本語の“最高”という発言が、英語ではそんな風に聞こえることにかけたジョークで、アメリカ人はかなりおもしろく感じるらしい。ニューヨークポストなど同じ紙面で2度も紹介するほどだった。いかにもアメリカンなジョークだな、と思いつつもそんなジョークを記者会見で言われるほど、松井はジョンソンに親しみを持たれており、チームにも溶け込んでいるのだな、と感じずにはいられなかった。

 長いシーズンは始まったばかりだが、こんなスタートは本当に気分がいいものである。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

April 7, 2005 07:00 AM

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