渡辺史敏の「from New York(フロム・ニューヨーク)」

2005年04月21日

不調石井、メディアとファンから冷たい視線

 先週お伝えしたメッツの松井稼頭央は残念ながらその後も絶好調とはいえない状態で、時にはファンのブーイングを浴びるなかでのプレーが続いている。

 そしてメッツのもう1人のカズこと、石井一久投手もメディアとファンから冷たい視線を集める事態に陥ってしまった。

 石井は7日レッズ戦での今季初先発したものの6失点し、敗戦投手となった。続く13日のアストロズ戦では一転MLB屈指の豪腕ロジャー・クレメンスと互角に投げ合い、7回を無失点に抑える好投を見せ、周囲をほっとさせた。これで一挙に波に乗り次はメッツでの初勝利か、と期待された18日のフィリーズ戦だったが、結果は5回で5点を失い、またも敗戦投手になったのである。

 不調2試合で問題となったのは、制球難。レッズ戦は5四球、フィリーズ戦でも6四球(1敬遠含む)を記録している。移籍会見時に紹介したが、ニューヨークの地元メディアは当初から石井の制球難に注目していた。それだけに、それ見たことか、といった感じになってしまっているのだ。

 ニューヨークポストは19日付けの紙面で「カズがプレートを見つけられず、メッツ負ける」と題した記事を掲載した。動機時は冒頭で「昨夜カズ・イシイによる最初の13球で、メッツは自分たちがトラブルに巻き込まれていることを自覚しなければならなかった。なぜなら12球はボールで、残りの1球は左翼への安打になったからだ」と、13球で試合が決まったかのように初回の様子を伝えると、さらにその後も四球を出した石井の様子を「醜い」とまで表現している。

 他の地元紙でもそこまできつい表現ではないが「イシイとメッツ、制御不能に」(デイリーニューズ)、「イシイ初回にコントロールを失い、11球連続でボールを投げ、メッツは先行され、連敗した」(ニューズデイ)といった見出しが並んだ。やはり初回の投球について「予測不能な最悪の状態」といった表現を使った記事もあった。

 そしてこれらのいずれに共通するのは、こういう事態はキャンプの段階から予測されていたこと、という論調。我々からすると、こうした荒れた日もあるが、それでも結果的に勝っていくのが石井という認識がある。だが、勝ち星なしで黒星2つ、という状況にあっては皆を納得させることはできないのは事実だ。

 フィリーズ戦後、「腕が振れてなかった。その分、球持ちが短くて球の切れもなかった。制球ミスもあった」と自省のコメント発した石井。次は23日のナショナルズ戦で大家との日本人対決が予想されている。両者の好投が期待されるが、石井は特に内容の伴う結果が要求されている。

【ジャーナリスト 渡辺 史敏】

April 21, 2005 07:00 AM

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