浅岡真一 独断流

2008年02月19日

怪物ルーキーよ、ぜひ定位置取りを……

中田翔のプロ人生

 やはり並みの高卒ルーキーではありませんでした。キャンプも中盤から終盤へ、予想通り、注目を浴びているのは、日本ハムの中田翔選手でした。10日の対阪神の練習試合(名護)、第2打席で左腕・筒井から場外ホームランを放ったことで、さらにヒートアップしたようです。

 私は沖縄へは行けず、ケーブルテレビで観戦していましたが、やや内角寄りの速球、完ぺきなスイングができたから推定130メートルも左翼超えに運べたと感じました。大阪桐蔭時代はほとんど見ていなかっただけに、余計に器の大きさを覚えました。

 と同時に、この超大型スラッガーをどう育てていくんだろうな、とも思いました。お読みになった方もおられるでしょうが、その2日前、日刊スポーツ評論家・山下大輔氏(前楽天編成本部長)が梨田新監督に直撃インタビューをした紙面(8日付)で、同監督は今季「サードで使うつもりは100%ない。一塁かDH」と明かしていました。

 確かに指揮官の戦法は理解できます。昨年度、日本シリーズに進出したチーム。そのレギュラーシーズンの内容は得点リーグ最少(526)、本塁打も同様(73)。逆に失点(489)は最少、チーム防御率3・22もソフトバンクに次いで2位。要するに守り中心のチームなのです。

 01年、チーム防御率4・98ながら“いてまえ打線”を看板に近鉄の監督として優勝に導きましたが、捕手ひと筋の現役時代の経験もあり、守りの大事さは痛感しており、日本ハムの現状の陣容からすれば、守り最優先になるのは、当然でしょう。

 ただ「100%」というのは本心なのでしょうか。私は梨田監督と長い付き合いですから、かたくなにそう考えているとは思えません。これだけフィーバーしているのですから、開幕当初は一軍入りさせざるを得ないでしょう。

 小谷野、稲田らがいて、現在の中田翔の守備力では「一塁かDH」と明かしていますが、阪神後の練習試合では三塁に使っているように、可能性を求めているはずだと思っています。

 かつてサードにはスター選手が多くいました。長嶋茂雄がその象徴ですが古くは阪神の藤村富美男、西鉄・中西太、最近では掛布雅之らです。スターである一つにはスタンドから近く、守りでも魅せることができたからだと思います。

 一塁手も同じで、本拠地ではより近いですが、地味なポジションですし、現代野球では守りのバリエーションも豊富で、むしろ三塁より高度な技術が要求されます。

 その点も含め、類い稀な逸材・中田選手にはダイヤモンドの中でレギュラーを獲得して欲しいのです。十代からDHではシラけます。守備は練習すれば上手くなります。かつて掛布氏がドロまみれ、汗まみれになり特守にアタックしたことも思い出しています。

 一人の野球を愛する者として、遮二無二、ノックを受けて欲しいと願っています。

February 19, 2008 04:18 PM | コメント (1) | トラックバック (0)

2008年02月07日

このままでは、外国人天国の危険性が……

パウエルの二重契約問題

 球春を告げるキャンプ情報が沖縄を中心にして連日、伝わってきています。まだ序章とはいえ、各チームとも話題が豊富で、プロ野球ファンも、やっと……の思いをされていることでしょう。

 その一方で、不快、不可解な問題がグラウンド外で起きてしまいました。ジェレミー・パウエル投手(前巨人)の二重契約問題です。事の経緯を簡単に振り返ってみましょう。

 まず1月11日、オリックスが獲得を正式発表(年俸5500万円、出来高5500万円=金額は以降も推定)。その直後あたりからソフトバンクが密かに獲得交渉に動き出しました。そして同月25日、ホークスは日本プロ野球機構に問い合わせ同投手が自由契約選手になっていることを確認、統一契約書へのサインを完了(年俸1億プラス出来高)。

 当然、オリックスは怒り心頭。最終の詰めを怠ったとするパウエル側と同球団の見解は平行線。そして事態を憂慮したパ連盟はホークスの正式発表の翌30日、二重契約と判断し、両球団で協議するように通達しました。

 だが、2月に入ると連盟の姿勢は急転。4日に3カ月の出場停止を条件にソフトバンク入りを実質上認めました。陳腐なのは2点。この3カ月というのは強制措置でも裁定でもなく、勧告だという通達。だからソフトバンクすら、納得できないと反発しました。戦力として必要なのはもちろん、3カ月も給料をただ払いするのですから。

 もう一つは小池会長が使った「三方一両損」というセリフです。三方とはパウエルと両球団ですが、契約成立の正当性に自信を持つオリックスが同損なんて誰が考えても不可解です。宮内オーナーは「後出しジャンケンが正しいのか」と憤りを隠しませんでした。

 言い得て妙ですが、この問題に詳しい記者に取材してみると、ここには“陰の仕掛け人”がいたとのことです。オリックスの条件を聞いた上で、ホークス側に話を持ちかけたのです。それで条件を吊り上げ、仲介料を得ることができるわけです。

 かつては新外国人は複数年契約を求めることが多くでした。身分保障を長くしたいのは人間ならば仕方ないでしょう。ところが、最近では力に自信がある外国人は1年契約を要求するのがほとんどです。今季、巨人が獲得したラミレス、クルーン、グライシンガーなどがその例です。

 宮内オーナーは「野球界と外国人の選手契約のあり方の問題」と言及し、規則の明文化を訴えました。私も賛同します。日本プロ野球選手会も同様の要望を機構側に出しています。

 今後、パウエル問題はどう進展するか予断はできませんが、今回の騒動を糧に12球団が結束すべきです。一部の球団の私利私欲が優先すれば、自分で自分の首を締めることになると思っています。

February 7, 2008 05:58 PM | コメント (4) | トラックバック (3)