浅岡真一 独断流

2007年11月05日

新生・梨田ハムに期待する

課題は見えた

 今年の日本シリーズは中日が日本ハムを制し、53年ぶりの日本一に輝きました。ファイターズの連覇はならず、来年から米大、カンザスシティー・ロイヤルズの指揮を執るヒルマン監督は有終の美を飾ることはできませんでした。

 日本ハムは来年に向けて再スタートを切ることになりますが、新しく監督を務めるのが近鉄最後の監督・梨田昌孝氏です。ヒルマン監督の辞意を伝えられた9月中旬あたりから、日本ハムのフロント、本社は数人の候補者を挙げ、人選を進めてきましたが、梨田氏の野球理論、01年に近鉄をリーグ優勝に導いた手腕を高く評価したのです。

 筆者が78年、近鉄担当記者になって以来、30年近い付き合いになります。その縁もあって、選手引退後は新聞は本紙評論家(放送はNHK)となり、近鉄消滅後のこの3年間も同じ所属で評論活動を行ってきました。

 それなりの知名度がありますが、余りご存知ない方に彼の長所を挙げれば、何よりも野球が好きだということです。例えば、甲子園でナイトゲームの解説、評論をする時は他の仕事が入ってない限り、午後2時半から3時までにはグラウンド入りしています。

 フリー打撃などの練習を見て岡田監督はじめコーチ、選手に声をかけ、記者顔負けの取材もします。さらに阪神の練習が終わると、相手チームの練習を見て監督らに同じように取材していました。

 もう一つ、当たり前のように試合前のシートノックを必ず記者席から見ていました。「選手の動きを見ておくと参考になるからね」と語り、もうすぐ故障するんではないか、と予測できることもあるそうです。

 もちろん、好きだけで監督として結果を出せるとは限らないですが、日本ハムのチームカラーが、彼の指導方針に合っていると思っています。選手の個性を伸び伸び出させるのが、近鉄時代のやり方でした。あの厳しい闘将・西本幸雄氏に鍛えられたのですが、自分なりのスタイルを編み出したのです。

 ただ、行く手は困難です。パ・リーグで3年連続以上、日本シリーズに出場したのは90~94年の西武以来ありません。そして今年のシリーズで弱点も出ました。まず得点力不足。先発投手陣も質量ともに豊富ではありません。そして捕手陣も力不足です。

 高橋捕手にはきついようですが、楽天・野村監督がTVの解説で指摘したように、ほぼ外角一辺倒、内角攻めはほとんどありませんでした。これだけ打者の技術が向上している現状、配球の妙を使わなければ、抑えることができません。

 このあたりは捕手出身の梨田氏の指導に注目しています。もう一つ強化すべくは攻撃力。セギノールの退団は確定的で、4番を任せられる主砲をフロントと一体になって獲得すべきでしょう。

 いずれにせよ、森本を中心に田中賢、工藤、稲田ら伸びしろある素材がいるわけですから、課題を克服しながら常勝チームを再構築して欲しいものです。

November 5, 2007 03:02 PM

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