2007年10月25日
“保険”をかけたことが裏目に出た?
巨人、中日に3連敗
久しぶりに「渡辺節」が聞かれました。5年ぶりにリーグ制覇を果たしながらクライマックスシリーズでは中日に1勝も出来なかった惨敗に、事実上の読売の総帥で巨人軍の球団会長の渡辺恒雄氏が10月22日、怒りを報道陣に大爆発させたことです。
「制度が良くない。リーグ優勝は何の意味もない。おれがオーナーの時は絶対に反対した。誰がどうしたか知らねえが、こんなくだらん制度を作った」とプレーオフ制に大きな異議を唱えました。
さらに返す刀で原監督のサイ配にも批判を露(あらわ)にしました。第2戦で川上投手にバスターを決められた(三遊間ヒット)を例に挙げて「これは作戦ミスだよ。作戦ミスが3日続けば負けるんだよ。ベンチワークが敗因か? それもある。あいつがしっかりしているんだよ、落合が。落合の方が頭が良かったんじゃないかな」とまで、展開しました。
これじゃあ、原監督の立場もないでしょう。敵将を持ち上げ、自軍の指揮官をコキ降ろすのは、いかにも渡辺氏らしいな、と感じました。2度目の監督復帰2年目で4年連続Bクラスから脱出して、リーグ1位になったのに、まさに「立つ瀬がない」という表現が当たると思います。
さらに渡辺会長は外国人補強にまで言及。「こんなバカな状況で補強しないでいられるか。フロントがどうかしているわな。負けるべくして負けるんだよ」と語り「これを教訓にして来年、生かせないようなら巨人はおしまいだな。だけど、おしまいになると野球が全部つぶれるな」と締めくくりました。
最後の発言は、かなり傲慢なセリフだと思います。ただ、どこまで本音なのか疑問なので、論評はやや危険だとは思いますが、最も気になったのは、冒頭の発言、CS制の否定です。
私の取材(間接取材がほとんどですが)では、CS制の導入の主導権を握っていたのは、当の巨人だったのです。昨秋、正式に決定した時、アーン「保険」をかけたのだと、解釈しました。3位でも日本一になれる可能性を残したと受け取りました。
1位であれば入場料収入などすべて、当該球団に入るという経営的メリットはありますが、それは“おまけ”であり、資金面で余裕のある巨人には、あくまで日本一奪回が最大のテーマであったでしょう。
皮肉なことに、この制度が決まった時、最初に異議を唱えたのが、中日・落合監督でした。1シーズンを戦って1位になることに最大の価値があると認識してたからこそ、丸刈り頭にしたのだと思います。
テスト期間として、来年も同様の制度が採用されることになっていますが、実質、現オーナー批判までした「渡辺発言」、今後どのように球界に影響を与えるか注目したいと思っています。
October 25, 2007 11:59 AM | コメント (9) | トラックバック (1)
2007年10月14日
5人以下の「努力目標」は守れるか
特待生問題
誠に申し訳ありません。9月11、14日に更新したこのコラムで「阪神の日本シリーズ進出の確率は8割ぐらい」と書いたのですが、結果は阪神が中日に惨敗。何の弁解もできません。お詫びするとともに、私の野球記者としての見る目の無さを痛感させられました。
その原稿を書いた時点から、予想が大幅に外れたら、筆を置くか、当分休載しようか、と思い続けてきました。考えあぐねた末、この失態を少しでも取り戻すべく、お叱りを覚悟の上、続けて行こうと決めました。これからも読んでいただきたいと切に願っています。
さて、今回のテーマは高校野球です。日本高野連が特待生問題について外部から意見を求める「特待生問題有識者会議」(15人で構成)の最終会合が11日に行われました。特待生を認める結論が出たのですが、その骨子をまとめてみると
(1)制度の基準などを募集要項などで一般公開する。
(2)入学金、授業料などは免除できるが、遠征費、寮費などは認められない。
(3)部員登録する特待生は各学年5人以下が望ましい。
(4)学業が一定基準に達していること。
(5)採用には中学校長の推薦書が必要
各委員からは、大会でベンチ入り可能な特待生は各学年4人まで、部員登録は各5人以下になるよう努める、制限なしの3案が出たが意見は1本化せず、堀田力座長は「5人以下が望ましいとガイドラインとして示し、3年間を試行期間として長所、短所を把握した上で再考する」と折衷案を提示、了承されました。
5人以下というのはレギュラーの半数程度を目安にしたものですが、根拠が乏しい気がしますし「努力目標」ということですから、果たして各校が遵守するかどうかも疑問です。
もう一つ、特待生を認めていない学生野球憲章13条との整合性です。堀田座長は「特待生の採用は教育基本法及び学校教育法に基づいて行われる教育上の措置であり、13条に違反しない」と説明しました。
日本高野連の脇村春夫会長は「結論は尊重する」とコメントし、この答申を受け入れる姿勢を示しています。最終結論は11月末の評議委員会で出ますが、まず答申を受け入れることになるでしょう。
今年度は既に募集が始まっており、実施は09年度からになります。「努力目標」に関しては「?」がつきますが、一つ評価すべきは特待生で入学し、ケガなどで野球部活動が出来なくなった生徒に学校生活を継続する措置を盛り込んだことでしょう。不可抗力は起こり得ること、彼らの将来を考えたら、いい答申です。
最後に付け加えるなら、もうそろそろ学生野球憲章も見直すべきでしょう。堀田座長は違反していないとしていますが、やはり矛盾は感じられます。幹部の方々には、ぜひ考えてもらいたいものです。
October 14, 2007 10:37 PM | コメント (4) | トラックバック (1)
2007年10月03日
日本ハムにダブルの喜び
Vと中田翔の交渉権獲得
3日に高校生ドラフト会議が行われました。高校生への利益供与が発覚した西武は日本プロ野球機構から3巡目までの指名権をはく奪されました。
前回に記したように、やはり、人気が集中したのは仙台育英・佐藤由規投手と大阪桐蔭・中田翔投手でした。中田君にはオリックス、阪神、ソフトバンク、日本ハムが1巡目指名、抽選となり、最後にクジを引いた日本ハムが交渉権を得ました。藤井球団社長が“残り福”を手にしたわけです。佐藤投手は5球団が競合、こちらは今季限りで退任するヤクルト古田兼任監督が“置き土産”をしました。
会議後の会見で中田君は事前にどの球団でもOKと明かしていたように、日本ハム入りに積極的な姿勢を表明し「1年目から新人王を取りたい」と大望を語りました。まず入団は間違いないでしょう。それにしても、日本ハムの07年は恵まれたシーズンになったと感じました。
まず9月29日に球団史上初のリーグ連覇を達成。飛び抜けたスターはおらず、昨年と比べ新庄が引退、小笠原が巨人に移り、戦力ダウンは否めなかったはずです。首位打者・稲葉が小笠原の穴を埋めた部分がありましたが、総合力で勝ち取ったVと感じています。
西武・伊東監督が「強さは感じないのに気付いたら負けていた。昔のウチの野球に似ている」と振り返り、オリックス・コリンズ監督が「彼らはスピードがあるし、守備も優秀。投手陣もいい選手がそろっている」とエールを送りました。敗軍の将が語るように、攻守走のバランスが取れていたということです。
もう一つ、森本稀哲外野手が本紙の紙面に手記を寄せてくれましたが、その中で「開幕前に順位を下位に予想して欲しいと思っていた。『やっぱり日本ハムは強い』って言われるより『勝てないって』って言われた方が今、『ほ~らね!』と言えるから」と書いていました。
5月中旬、首位から8ゲーム差離されたピンチがありましたが、下旬から6月上旬まで14連勝、8月8日から8連勝と2度の大型連勝が効いて、優勝フラッグを手にしました。森本がリーダー役になって、戦前の下馬評をくつがえすエネルギーになったと思います。
全員野球、総合力野球を示すデータもあります(記録はすべて優勝決定時点)。チーム本塁打は73本。100本塁打未満での優勝はパでは45年ぶり。チーム防御率3・23こそリーグ2位ですが、得点は513。これはリーグ最少で、プロ野球史上初めての快記録?です。
ダルビッシュ、グリン、武田勝らの先発陣が粘り強く投げ、武田久、マイケルの救援陣が踏ん張り、堅守がこれを支えたということでしょう。
とはいえ、これで終わりではありません。クライマックスシリーズ第2ステージはセの第1ステージ(中日-阪神)と同じ13日から始まります。それまで、各選手がペナントレースの疲れを取りつつ、ベストの体調で臨んでもらいたいものです。
October 3, 2007 04:52 PM | コメント (5) | トラックバック (0)
