2006年12月01日
日本球界も多国籍軍化へ?
阪神の中南米進出
やはり、この人の発言は影響力があるというか、話題になるようです。星野シニアディレクター(SD)のことです。先月末、あるイベントに参加した同SDは外国人補強に中南米地区にターゲットを広げるプランを明かし、今月中旬に行われるベネズエラ・ウインターリーグに調査団を派遣することも、決まりました。
やっと目を向けたのだなあ…という思いもありますが、これまで日本球界の助っ人獲得はほとんど米国球界の市場に限られてきました。編成担当が渡米するなり、提携球団のあっせんを受けるなどで補強をやってきました。
唯一、中南米に早くから注目したのが、広島カープです。メジャーリーグが将来、有望な選手を育成するための研修組織を運営していることにヒントを得て90年、ドミニカに「カープアカデミー」を設立しました。先見の明があったと思っています。
ちょっと調べてみたのですが、06年度の開幕時点での外国人の支配化選手登録は52人。うち米国生まれは31人と多いのは確かですが中南米や、台湾、韓国、豪州など9カ国生まれの選手は21人。4割以上を占めていました。その点では今回の阪神の新戦略は時代の流れに沿ったものでしょう。
ただ、そう簡単に直接交渉で獲得するのは不可能に近いでしょう。岡田監督が星野プランについて「(将来の)ルートを作ろうということでしょう」と語っていましたが、的を射てると思います。前述の中南米出身者にしても、一度は米球界に属してから、来日した選手がほとんどです。
時間がかかる上に、なお“障害”があります。日本の球団とメジャーとの資金力の差です。西武松坂に60億円、阪神井川に30億円の落札額を提示できるのです。ある選手に目をつけても金庫の中の豊富さで勝ち目は、なかなかありません。
さらに、メジャーで芽が出ず、日本にきて活躍すると大幅な年俸アップを要求してくるのが常です。現在、ソフトバンクとズレータとの契約交渉が難航しているのがその一例で、やむなく契約解消というケースはこれまで何度もありました。プロだから、アップを望むのは当然としても、球団としては経営上、他選手ともバランスを考慮するのも止むを得ないでしょう。
この阪神の中南米進出で刺激を受ける球団も出てくるのではないかと想像しています。2、3年で実を結ばなくても、地道に活動を続けていけば、いつか成果が上がるかもしれません。
前回のコラムでは日本人選手の海外流出に危機感を覚えていると記しましたが、一方で日本球界の外国人獲得にも変革の機運が出始めたと解釈しています。個人的には日本人選手の中からスターが続出するのが球界の発展の第一だと思っていますが、かつてはバース(阪神)や近鉄時代のローズらファンを熱狂させる助っ人がいました。
5年後、10年後、果たして外国人獲得の戦略がどう変わっているか、密かに注目しています。
December 1, 2006 11:39 AM
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