浅岡真一 独断流

2006年05月19日

心ある投手がほとんどでは……

金本への内角攻め

 野球の原点とは一体、何でしょうか。作戦の妙、選手心理の微妙なアヤが絡んで両チームが勝敗を決するゲームですが、まず投手が打者に投げることからスタートします。当たり前と言われればそれまでですが、ここから始まり、投手は懸命に抑えようとし、打者はボールを選びながら、ヒットを打つことに専念するわけです。

 そこには、捕手を含めていろんな駆け引きがあります。打者側からいえば配球を読む、狙い球を絞る、センター返しを心掛ける、長打を狙うなど個々に、またチーム一体で攻略しようとし、投手はそれらに対処するべく工夫します。

 ホームベースの横幅は17インチ(43・2センチ)と野球規則で定められています。高低を使って打者にマトを絞らせない一方で、この左右、内外角に投げ分けるのも、投球術です。そりゃあ、いい時の藤川の速球なら多少、制球が狂っても打たれないでしょう。しかし、そんな速球派ばかりではありません。

 12日からのソフトバンク-阪神戦で金本への執拗な内角攻めが物議をかもしました。3試合とも、各投手陣がかなり厳しい投球をしていました。金本は冷静でしたが、岡田監督は初戦から怒りを露(あらわ)にしていました。

 ソフトバンク側は、3戦目の杉内が「いい打者は内角を突かないと」と思惑通りだったことをゲーム後、明かしていました。王監督も「あそこで投げなければ相手の思うつぼ。勝負の世界なんだから」と危険球ではないと主張しています。

 岡田監督も金本が沈着な態度、コメントをしたから余計に言葉を荒らげたのでしょう。フルイニング出場の記録更新中もさることながら、チームの柱となる4番打者。一軍の将として姿勢を強く訴えたかったのでしょう。ただ「また甲子園があるからな」というセリフはいかがなものでしょう。

 3戦目の松中の最終打席で能見は内角を突きました。松中は「あれは明らかでしょう」と“報復”をにおわせましたが、これも黙っていて欲しかったと思っています。監督と相手の4番のコメント。6月2日から3連戦に尾を引きかねないことは確かです。

 私は四球や危険球を巡って安易に「遺恨」という言葉を使うのは好みません。何も正義感面(つら)するつもりはないですが、内角攻めに双方が神経過敏になると、野球の楽しさ、妙味を失うことになると危惧しています。

 そこでふと思い出したのが、かつての真弓明信(現本紙評論家)のサヨナラ打です。詳しい日時は記憶してませんが、確か83年のヤクルト戦。チャンスで打席に立ち、某投手の初球は頭をかすめました。続く2球目、足を踏み込み快打を放ったのです。「あそこでは絶対、打っとかなアカンのです。次にまた(頭部へ)こられるでしょう。あの程度でビビらんと思わせんとネ」。ゲーム後のコメントは未だ耳に残っています。

 そういえば、金本もソフトバンクとの2戦目、3安打を放ちました。多少の厳しい攻めをハネ返してこそプロではないでしょうか。

 確かに過去、チームとして死球を与える命令が下されたことはあったし、個人の投手として意図的な投球をした例は見聞きしてきました。しかし、余りに殺伐としていて本来のあるべき野球ではないでしょう。

 全員が……と確信を持って書けないのは残念ですがほとんどの投手は、そんな邪悪な考えを持ってないと見ています。自分もプロ野球選手、相手の選手生命、その後の人生に影響を与えるのが危険球であることは分かっているはずです。

May 19, 2006 10:20 AM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/4695

このリストは、次のエントリーを参照しています: 心ある投手がほとんどでは……:

» Propecia. from What are the side effects of propecia.
Propecia blood pressure. Nzlive com propecia rally new zealand. Propecia pill... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年11月09日 08:20

» Adderall. from How while on adderall xr.
Wholesale adderall. Buy wholesale adderall. Adderall side effects. Adderall x... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2007年12月31日 16:08


コメント

 どうも話が脱線してるというか…浅岡さんの記事は投手の内角攻めに関しての、
技術的な部分と精神的な部分の兼ね合いについて論じてらっしゃるのであって、
阪神ファンがどうこうと言い合いになるのはどうかと思います。

 内角攻めは、どの球団の投手もやってることです。というか、やらなきゃ食って
いけませんよ…プロの世界では。金本選手なんて、あれだけ内角攻められても平気
な顔して踏み込んでくるんですから…投手にしてみれば厄介なことこの上ない打者
なわけで、よく言われることですが「内角攻めされるのは強打者の証明」なんです
よね。確かに怪我までさせられては怒るのも当然なのですが、金本選手だけがそう
ならともかく、同じような目に遭ってる選手はいくらでもいるんです。そしてプロ
の打者は死球での怪我もある程度覚悟の上でやってるはずだと思います。投手の
場合と同じく、打者だって踏み込んで外角の球を捉えるバッティングも出来なけれ
ば食っていけないんですから。そういう打者に投手が死球を怖がって外角ばかり
投げれば、そりゃ打たれるに決まってます。

 報復のための死球かどうかなんて、どのみち証明出来るものではないです。その
辺りは審判による、前後の状況を鑑みての判断に委ねるしかないでしょう。危険球
と判定されれば一方的な不利益を被るのは投手ですから、それをわかっててわざ
わざ死球を狙うような投手は、浅岡さんの仰るように本当のところすごく稀だろう
と思います。

 「じゃあ打者は黙って怪我しろっていうわけ?」と言われれば、もちろんそんな
ことは思いません。怪我なんて少ないほうがいいに決まってるし、もし金本選手の
フル出場記録が死球による怪我でストップなんてことになったら、ファンとしては
やりきれない気持ちになるでしょうし。
 でもやはり、投手はギリギリの内角も容赦なく突く、打者はそれを打ち砕く、と
いうのがプロの野球だと思います。金本選手はじめ球界の強打者たちには「内角攻め
に遭うのは打者の誉れ」くらいの気持ちで迎え撃って欲しいですね?

投稿者 クロスボーン・バンガード : 2006年06月01日 17:29

>>同感太郎氏へ
もうちょっとパを勉強しましょうね
阪神だけに限らず内角攻めはパの強打者にもやってますよ。
そういえば西武の和田が「セは内角攻めの少なさに驚いた」とコメントしてましたっけ。
まあこれに関してどう判断すべきかは人それぞれでしょうが。
>いずれにしろ、明日は我が身というか、ソフトバンクの投手が甲>子園で打席に立つ時に内角攻めを身をもって体験すればいいだろ>う。
阪神ファンの方々はこういうコメント好きなんですねえ(汗)
言っちゃ悪いですけど最近の阪神ファンは相手を怪我させるのが好きなんでしょうか?
去年のカープ戦のスペンサーの倉に対する報復タックルに歓声を送ったり、3年前の日本シリーズでは秀太のスライディングを受け脳震盪になって担架で運ばれる川崎を罵倒したりと。
一方、阪神の選手がちょっとでも危ない目に合わされたら必要以上に相手球団を罵倒(自分たちのやったことは忘れてて)。
言っちゃあ悪いけど阪神ファンに他球団を批難しまくる資格はないと思うんですが。


投稿者 H/M : 2006年05月27日 13:21

去年の交流戦で松中に4個ぶつけたのは、阪神です。それを棚に上げての発言はいかがなものでしょう。
それに今回の松中へのインコース攻めは、試合の終盤に突然行われました。意図的に行われたのは明白でしょう。
更に言えば、ソフトバンクの投手陣は、カブレラ・和田や小笠原へも徹底してインコースを攻めます。
普段ろくに試合を見ていない人達に言われる筋合いのものでもないでしょう。
岡田監督も監督があのような発言をしては、チームとしての格が疑われてしまいます。
もっと大人にならなければいけませんね。

投稿者 flipflap : 2006年05月26日 22:18

ソフトバンクの金本選手への内角攻めは、野球のルールの範囲内であったかも知れません。けれども、その後の巨人戦では同じような投球はできず、やられていましたね。ルールの範囲内の攻め手と信じているのであれば、いかなる相手に対しても、チームの方針として、貫いて欲しいなと思いました。正直に言って、ソフトバンク対巨人の試合は、ホークスを応援してみていましたが、とても残念に思いまし。
それから、松中選手が1球の内角球について報復だと断じたということは、ある意味で自軍の投手の投球も、行き過ぎではないかと感じていたのではないでしょうか?私としては、ぶつけるかな?と思ってみていましたが、結果的にはぶつけなかったのですから、報復とはいえないのではないかと思います。勝負事である以上、ある程度やられたらやり返さないといけないのは、異論のないところだと思います。能見投手の投球も、野球のルールの範囲内ということではないでしょうか。松中選手も金本選手のように、コメントなしなら格好よかったのにと、残念に思います。
また、野球の監督の発言というのは、場外戦という意味合いもあるので、岡田監督や王監督の発言をどうのこうのと言うのは意味はないと思います。それよりも、ちょっとした内角攻めで相手投手に突進するズレータさんや西武のカブレラさんなどに対する制裁を、もう少し考え直すべきではないでしょうか?ハムの金村さん、かわいそうですよ。
最後に、阪神ファンは馬鹿ばっかりというのはどうでしょうか?馬鹿もいるかも知れませんが、ばっかりではないと思います。逆にソフトバンクファンは馬鹿ばっかりと言われたら、どう思いますか?

投稿者 ピーコ : 2006年05月25日 23:19

厳しい言い方かもしれませんけど、ソフトバンクに城島が残留していたら、彼は決してあのような執拗な配球はしなかったでしょうね。あの試合の金本への投球は、次の投球への布石とかいう物が全く感じられない。
「別にぶつけても、かまわないんだから」
という、いかに配球の妙で打ち取るかなど全くない投球を見せられては、ホークスファンに方には失礼かもしれませんが、試合後の斉藤や杉内のコメントは山崎捕手の配球センス、投手自身の外角への制球力のなさをすり替えて言い訳しているようにしか聞こえず、見苦しいことこの上なかったです。

岡田監督の「しょうもない・・・」と言うたぐいのコメントはこの部分についてといった方が良いですよ。

投稿者 あ : 2006年05月25日 23:16

私が失望しているのは、勝利のためなら手段(戦術)を選ばない姿勢です。今日の日本プロ野球をつまらなくしているのは、正しく勝利至上主義に基づいています。心・技・体、全てを兼ね備えたプロフェショナル同士の戦いを願って止みません。

往年の王さん(巨人)は、江夏さん(阪神)との対決を一番楽しみにしていたはずです。手に汗握る一球、一球に誰もが感動を覚え、プロ野球の魅力に引き込まれて行きました。今回の件では、虚しさだけが残り、明日の日本プロ野球の行方を危惧するばかりです。そして、WBCでの戦い方が嘘でなかったと信じたいものです。

投稿者 : 2006年05月25日 22:44

内角を攻めな金本クラスのバッターは抑えられんことは誰もがわかってること。しかしだ、金本じゃなければ当たってたボールが何球あったか。とても正当な内角攻めには見えなかった。圧力掛けてピッチャー殴るヤツにでも3日間同じ攻めできるか?金本が何も言わんからってなめとったらアカンで。当たってからじゃ遅いことだってあるんだぞ!当たった本人はもちろん、当てた方にも後遺症が残る場合があるやろ。去年の一件で理解できんのか!阪神側も最後は意識して松中に投げてたように見えるが体を仰け反るほどのボールを放っとったか?あれで「野球が面白くなくなる」なんて言われたら内角投げられんやろ!とにかく金本が言うとおり「内角にコントロールする技術がないヤツが投げるのは失礼だ!」

投稿者 こう : 2006年05月25日 22:31

この前の広島中日戦では一方的に5死球も中日の投手に主力野手をぶつけられましたが、最後までフェアに終わりました。

投稿者 かぷふぁん : 2006年05月25日 17:59

 あの第三戦、タイガース先発の江草は、松中に恐怖心を与え、なおかつ「絶対打たれない」はずのインハイのファーストボールを投げました。
 ですが、松中は体勢を崩されながらも、三塁内野安打で出塁したのです。
 あのボール、ぼてぼての内野安打とはいえ、安打にできるのはJapanの四番松中以外にいないと思います。
 これぞ、内角攻めに対する四番打者としての答えでしょう。

投稿者 buschan : 2006年05月25日 01:31

阪神ファンってバカばっかですね・・・
あれはどう考えても岡田監督の発言が悪いでしょう
その発言翌日の松中の
「あれは明らかでしょう」に繋がったんですよ。
逆に阪神が相手チームの監督に
「しょうもないチームや」とか言われたらどう思いますか?

投稿者 あさい : 2006年05月25日 00:20

>王監督も「あそこで投げなければ相手の思うつぼ。勝負の世界なんだから」と危険球ではないと主張しています。

そうです
だからこそ、阪神も相手の攻めを見習って、4番松中選手に同じ攻めをしたまでのことです
いい打者は内角を突かないと。勝負の世界ですから。
それを“あれはあきらかでしょう”というコメントは筋違いも甚だしいことです
それに、松中選手への内角攻めはお手本になるような典型的なものでした
体勢を仰け反らせる程度で、もんぞり返ってひっくり返ってかろうじて避けられるような球は投げていませんから。

投稿者 ゆゆ : 2006年05月23日 23:33

プロの投手も、確かにコントロールミスがあるだろうが、一人の打者に対し打席から飛び出さなければ避けられないようなコントロールミスが一試合で何回もあることはおかしい。もし意図的な投球であるならば、首から上を狙ったものに対しては直ちに退場処分に処すべきであろう。首から上は、満一直撃を受ければ、選手生命どころか人間としての生命も犯しかねないと思われるからである。
投手として、打者の首から上を狙って脅かしそれでしか打者を討ち取れないような投手はプロとしては恥ずべきであろうし、それを是認する監督の人格も疑う。

投稿者 木村 ヒトシ : 2006年05月23日 17:51

結果的にぶつけていないのなら何をしても構わないと思えるかどうか。
金本選手はインコースが苦手なバッターではありませんよね。
どちらかと言えば得意。そして球を避ける技術もおそらく日本球界一。
しかし故意でないにしても、金本選手の頭部付近ばかりを襲っていました。
技術の攻防は全く感じられず、非常に危険に見えました。

遠山投手の松井選手へのインコース攻めのような、技術の攻防を見たいです。

投稿者 レオ : 2006年05月23日 12:27

弥生さんとピカリンさんのご意見に同感です。あえて言わせてもらえるなら、ソフトバンクの投手は阪神戦だけではなく、ロッテ戦や西武戦にもそのくらいの闘志でやってもらいたい。何も阪神戦だけそんなにムキにならんでもいいだろう。いずれにしろ、明日は我が身というか、ソフトバンクの投手が甲子園で打席に立つ時に内角攻めを身をもって体験すればいいだろう。

投稿者 同感太郎 : 2006年05月23日 02:41

内角攻めとビーンボールの違いはバッターが一番判ると言いますが、本当に解っているのは投げたピッチャー当人です。それを往年の東尾のように「売り」にするのも含めてプロなら自分で判断しなければならない。要するにプロとして悪役を演じるかってことでしょ。
それにしても今回の事例はホークスが根本的に大人気ない。(岡田監督も最近は審判にケチをつけることが多くて少々嫌気がさすのだが・・・)
我々素人は、松中は体が重たいからあの程度の内角球で「危険」と言い、金本は体も強いし大人だからもっと内側の球に対してもコメントしない、と考えた方がいいと思う。
そういえば、大昔にバッキーの「内角攻め」で王が怒って巨人・阪神全員が大乱闘。合気道有段者の荒川の蹴りでバッキーが指骨折なんて悲劇もあったなあ。王監督は杉内や斉藤がこんな目にあったらどうするつもりだろう?

投稿者 Dr.K : 2006年05月22日 22:42

金本への内角攻め。
王監督、杉内投手、山崎捕手とも厳しい内角攻めは当然と強気な発言をしております。一方で、同じように内角を攻められて三振をした松中選手は「あれは明らかでしょう。あれでは野球が面白くなくなる」と発言しております。本当に松中選手がそう思うなら、第一戦の後に自チームの監督、コーチや投手に苦言を呈するべきであったと思います。
テレビで見ていた限り、斉藤投手も杉内投手も金本選手の体めがけて投げているように思いました。現に昨年は三瀬投手が金本選手の頭にぶつけております。それに比べて松中選手への内角攻めははるかにゆるい内角攻めだったと思いました。
もしソフトバンクが、昨年のように金本選手の頭にぶつけてもそれはたまたまで、厳しい内角攻めを当然とするなら、あくまでその姿勢を貫くべきで、それに対して対戦相手から報復行為を受けてもそれは甘んじて受けるべきです。報復行為がいやだというのであれば、最初から内角攻めをやらなければいいわけです。それにもかかわらず、自分たちのチームが散々厳しい内角攻めをやった後、対戦相手から同じ攻め方をされたら、これでは野球が面白くないというのでは、同じことをやっても自分のところは正当で相手は不当と言っていることで、自分勝手もいいところです。
私自身は今回のソフトバンクの内角攻めは、限界を超えておりなんらかの警告対象とするべきだと思います。確かに、コントロールミスで死球を与えることはあると思います。しかし今回のように、同じ打者に対して、何球ももんどりうって逃げなければならないような投球するのは意図的であり、このような投球に対しては、例えばそのような投球を二球投げると「イエローカード」、三球になると「レッドカード」で退場などとするなどが考えられます。
浅岡さんも、「内角攻めに双方が神経過敏になると、野球の楽しさ、妙味を失うことになると危惧しています」などと当たり障りのない論評をするのではなく、このあたりのお考えを明らかにして欲しかったと思います。

投稿者 弥生路子 : 2006年05月20日 13:08

そこまでしないと抑えられないってのはどぉなんでしょ?
大リーグみたいにアウトコースにボール1つぶん広げたらどぉなんでしょ?
同じ野球選手
怪我したら何日か休まなくてはならないんですから
遺恨を残すようなプレイはしてほしくないですね

投稿者 ピカリン : 2006年05月19日 23:22

コメントしてください



保存しますか?