2006年04月28日
陰の功労者はサンテレビ
阪神の人気
10日余りの遠征を経て阪神は聖地・甲子園に戻ってきました。ゴールデンウイークでヤクルト、巨人を迎える球春真っ盛り。スタンドは連日、熱気に溢れています。
ここまで大阪ドーム3、甲子園5の8試合、観客動員は順調です。すべての試合で関係者には大入り袋が配られ、ファンの声援は選手へ目に見えないエネルギーを与えています。
さて連日、甲子園に通い、満員のスタンドを見るにつけ、あるテレビ局の貢献を痛感します。それはUHFのサンTVです。この局の特長は試合開始から、終了まで完全中継することです。それを1970年からこれまでずっと続けていることはお茶の間の方には有り難い限りでしょう。付け加えるならば、これまでの最長は92年9月11日の阪神対ヤクルト、何と6時間41分でした。
もちろん、VHF局にもいろんな事情があることは理解できます。世間にはプロ野球ファン、トラ党ばかりでなく定時番組を楽しみにしている方も多いでしょう。また、スポンサーとの兼ね合いもあって、民放の現場の方は悔しい思いをしていることは確かです。
その点、サンはいわゆる“小回りが利く”局という利点があります。とはいえ関西の以外に在住されている方には馴染みが薄いと思うので、一応ネット局を列挙すると京都放送、TV和歌山、三重TV、岐阜放送、TV神奈川、東京メトロポリタンTV、千葉TV、TV埼玉、栃木TV、GAORA,スカイA。ただ、これらの局では打ち切りがあるようです。
一方でABCとは解説者のダブル契約も含め、結びつきも強いのです。同局は水、日曜日の独占権を持っていますが、日曜日にはリレーナイターと称して、定時番組の前後にサンに放映を委託したり、特別番組がある場合は丸々、サンに委託することもあります。
このリレー中継は日本一に輝いた85年9月から始まったのですが、リーグ制覇直前からの提携はABCの勇気ある決断で、ファンにも支持された記憶が残っています。
ここまでサンTVを称えてきたのは、完全中継をすることによって、阪神の、甲子園の魅力を伝えたと考えるからです。風船を飛ばしあと1人、1球コールをし、勝利後には六甲おろしを大合唱するシーンを画面で見れば、実際に「聖地」に足を運んでみたいと思うのがファン心理というものでしょう。
かつて昭和30年代から40年にかけて、巨人ファンが圧倒的に多い時期があった。ONというスーパースターがいたこともあるが、テレビ中継の多さ、特に地方では巨人しか知らないファンもいた。新聞も同様ですが、やはり電波での露出は効果が大きいだろう。
阪神が球団として黒字に転換したのは85年あたりから。昨年は低迷・巨人を上回り観客動員が日本一。今の繁栄を支えたのは69年から、いかにチームが弱かろうと完全中継を継続してきたテレビに局も含まれるのでしょう。もちろん各民放の貢献も認めますが……。
順調にゲームが消化されれば5月9日、交流戦初戦(対ロッテ)が2500試合目のメモリアル中継になるそうです。
継続は力なり--。
(次回は5月5日に更新予定)
April 28, 2006 04:15 PM | コメント (9) | トラックバック (2)
2006年04月21日
背景には交流試合の減が……
146試合制
さる17日、来季から導入を目指すポストシーズン試合についての検討会が開かれました。その2週間前に行われた実行委員会で現行のパ・リーグ136試合制、セ・リーグ146制の相違にセ側が問題提起し、特別委員会(仮称)を設け、協議していくことが決められていて、その1回目の特別委員会が開かれたのです。
会議には阪神、広島、ソフトバンクの3球団が欠席、セ側からは(1)公式戦146試合制維持(2)公式戦1位を優勝と規定(3)セ・統一形式(ポストシーズン試合)をテーマにして行われました。
結論から言えば、(1)に関してパの各球団が同調する意向を示し(2)、(3)については今後、話し合いを続け7月までに具体案をまとめるということになりましたが、パが146試合制にあっさりと歩み寄りを見せたことは、私には意外でした。
当初、パの各球団は統一に決して乗り気ではなかったことは確かです。しかし、同数の試合数という論理はある面では正論で、同調せざるを得ない部分はあったでしょうが、その裏には交流戦が絡んでいると見ています。
これはほぼ推論なので、はっきりとした確証は得ていないことを前提にお読みいただきたいのですが、10試合の差を交流戦を減らすことによって……とセ側がちらつかせたのではないかと想像することができます。無言の圧力があったかもしれません。百歩譲って、パ側がその恐れを抱いて、同調せざるを得なかったのではないでしょうか。
交流戦は昨年から始まりファンには好評を博しました。スタンドで、テレビでパの各選手を見る機会がなかったセ・リーグ党もいい選手が揃っていて素晴らしいプレーをすることを目の当たりにされたことでしょう。
興業的にもパ側は潤いました。阪神や巨人などの人気チームを相手にすれば、観客動員は増えましたし、テレビ放映もされ、その放映権料も少なくなかったはずです。ただ、逆に一部のセの球団は前3年間と比べて6試合、タイガースやジャイアンツとの対戦が減ったのですから、それなりの影響は受けたことは確かでしょう。
「プロ野球全体の繁栄」は基礎であるべきことだと思いますが、現実には各球団の台所事情は格差があり一朝一夕には、その差は埋められないことは認めざるを得ません。だからと言って交流戦を縮小しようと考えるのは多数のファンに失礼ではないでしょうか。
さらに選手会がすんなり受け入れるかどうか。かなりの抵抗が予想されます。これから注目していきたいものです。
推論を長々と綴るのは、批判を受けるかもしれませんが「独断流」と名付けられているので、あえて書かせてもらいました。
最後にもう一つ。(2)の提案は論外です。優勝チームと1位チームが二つできる可能性のある規定なんて、あってはならないことです。別にメジャー至上主義ではないですが、米国でもそんな無茶は未来永劫しないでしょう。ここはパ側に踏ん張って欲しいですね。
(次回は4月28日に更新予定)
April 21, 2006 11:39 AM | コメント (3) | トラックバック (1)
2006年04月14日
金本は阪神にも大きな財産を残した
世界新の偉業
素晴らしいセレモニーでした。9日の金本の世界新記録樹立。試合後、阪神が企画した記念イベント。大阪ドームで目の当たりにして年甲斐もなく、目頭が熱くなりました。
一つの通過点だからでしょう。底抜けの喜びは表さず、むしろ淡々とお立ち台に上り、リプケンの祝辞に聞き入り、長寿の秘訣、思いを明かしていました。そのセリフについてはもう既に大々的に報じられているのであまり触れないでおきます。
これは余談ですが、ケーブルTVを御覧になっていた方、翌日の新聞を読まれた方はスコアボード内のリプケンの姿を見れなかったことに疑問を持たれたのではないでしょうか。これは、肖像権の問題が絡んでいるからだと聞きました。阪神が本人に正式な許可を受けていたため、スタンドのファン、現場の報道陣、関係者だけは見ることができたそうです。アメリカ社会の一端を垣間見た感が残りました。
さて、金本選手のことに戻りますが、彼が勲章を手にしたことは偉大ですが、それは彼個人に止まることなく、タイガースにも勲章、新たな伝統を与えたと思っています。彼の練習態度、野球に対する姿勢、ふだんの生活習慣、これらは若手の手本になっています。
球団関係者に聞いてみると中堅、若手は遠征に出た時、無茶な夜遊びはしていないとのことです。そりゃあ金本も聖人君子ではなく夜の街へ繰り出すことも、たまにはあると自ら明かしています。だが、自己管理をきちんとやっているから、偉業を達成できたのであり、その背中をチーム全員が見ています。
かつて闘将と呼ばれた西本幸雄氏に阪急の監督時代の思い出話を聞いたことがあります。福本豊、加藤秀司らが若手だった1965年(昭40)、彼らを鍛えるべく西宮球場の左翼スタンド下の室内練習場で打ち込ませていました。初めは数人だったのが、一人二人と増え、すぐに全員が揃うようになりました。「オレはその時、しめた!と思ったね」。チーム全員が懸命に練習する気風。これが後の阪急の伝統になり黄金時代の礎を築いたと言えます。
阪神でもかつて掛布が頭角を現し、スター街道を歩んでいったころは猛練習で周囲を圧倒し、それが手本となりチームメート、後輩たちに素晴らしい影響力をもたらしました。しかし、彼が晩年を迎え、引退してしまった後には、強烈なインパクトを与える主軸バッターは、私の知る限り出現しませんでした。
それがチームの低迷にもつながっていったと受け取っています。だが、今や金本を中心に矢野、下柳の38歳トリオがグラウンド内外で範を示しています。もちろん赤星、浜中、鳥谷、関本をはじめ後輩たちも、いい手本であることは十分、理解しているでしょう。
現状は戦力が整っているから2、3年は優勝争いするでしょうが、多少、戦力が落ちても金本らが残してくれた“財産”は永遠に保有してもらいたいと願っています。
April 14, 2006 12:37 PM | コメント (0) | トラックバック (2)
2006年04月06日
新旧の競争楽しみ、夢を
プロ野球開幕
また、長いシーズンが始まりました。各地で熱戦が繰り広げられ、プロ野球ファンの方も、やっとやってきた……という思いでワクワクされていることでしょう。
さて開幕当初の一つの特徴として、私は新人選手の活躍を挙げたいですね。まず話題を誘ったのは、西武・炭谷選手(平安)の開幕スタメンでした(3月25日)。オリックスとの開幕戦ということもあり、私もインボイス西武のネット裏にかけつけましたが、これが18歳なのか、と驚きをかくせませんでした。
捕手としては51年ぶりの快挙。しかし、リード、キャッチングとも冷静沈着。さすが、元名捕手・伊東監督の慧眼、4戦目のソフトバンク戦では満塁弾を含む2発6打点、本紙の1面を飾りました。どれほど成長していくか、本当に楽しみです。
炭谷ばかりではありません。投手でも日本ハムの武田勝(シダックス)が中継ぎながら野村楽天に“恩返しの初勝利”(3月26日)。30日にはオリックス平野佳が、プロ初先発で楽天・松崎(東北福祉大)と投げ合い、初白星を手にしました。
セ・リーグに目を移してもヤクルト・武内(早大)が開幕の阪神戦(1日)でスタメン起用に応えて同点3ラン。サヨナラ劇のお膳立てをしました。中日の藤井(NTT西日本)が同日の広島戦でスーパーキャッチ、逆転のきっかけを作りました。
他にも有望な新人がいると聞いていますが、中堅、ベテランも指をくわえているだけではありません。阪神・金本はこのコラム掲載中にフルイニング連続出場の世界記録を達成するでしょうし、18年目・石井(横浜)も今月中に2000本安打を達成する勢いです。
ヤングがはつらつとプレーし、負けじと伸び盛り、中堅が活躍する。さらにベテランが“円熟の味”を十二分に発揮して球界を盛り上げる。これこそ、球界にファンが求める「競争激化」でしょう。
何だか、他の会社や組織にもあるべき姿であるような気もします。薄汚い権力闘争や競争はあってはならないことですが、フェアな競争が組織を活性化させると、信じています。
ところで、つい最近、ランドセルメーカーのクラレが購入者の小学校1年生に「将来に就きたい職業」のアンケート結果を発表しました。男の子はやはりスポーツ選手が8年連続トップ(調査開始以来不変)で、昨年は3割を切ったとのことですが、今年は31・8%と上昇。
その内訳はサッカーが52・8%と相変わらずトップですが、2位の野球は4ポイント増の32・9%と過去最高値に達し、全体でも1割を超えたということです。高校の野球部員も最近は増加傾向にあると聞いていますが、こういう子供たちの憧れが促進されるためにも、最高峰であるプロ野球は楽しく、夢をアピールしてもらいたい。
私らの世代の幼少時は、遊びの主流は野球でした。長嶋に、王になりたいと思っていた方は多いと思います。他愛ないノスタルジアと言われればそうですが、体を使う、動かせる楽しみはいつの世にも子供たちに持って欲しいものです。
そのためにも、プロ野球は常に全力プレーで、オジさん族も含め、魅了してもらいたい。
April 6, 2006 10:21 PM | コメント (0) | トラックバック (2)
