浅岡真一 独断流

2006年01月27日

野球界だけが救われた

ホリエモン逮捕

 ライブドア・堀江社長らの逮捕は大きく世間を揺るがせています。株主、関連会社を含めた社員も不幸であり、株式市場にもかなりの影響を及ぼしました。昨秋の衆院選に担ぎ出した自民党の小泉首相ら一部の議員も責任を追及されているし、健全経営をしている他のIT産業に関わる方々にも“はた迷惑”な事件でしょう。

 そんな喧騒を呼ぶ中、ホッと胸を撫でおろしているのはプロ野球界だと思います。

 もう誰もがご存知でしょうが、一昨年6月、オリックスと近鉄の合併問題が起きた際、いち早くライブドアが買収に名乗りを挙げました。堀江社長が大阪ドームを訪れた際には、大フィーバー。「ホリエモン」コールが巻き起こり、当時の梨田監督によれば「ファンの方も、私もあの時点では“救世主”のように映った」と述懐しています。

 話題作りであったか、本気であったか、私は前者だと認識しています。近鉄本社も日本一の私鉄、それなりにいろんな模索をしたはずで、万策尽きて合併を持ちかけたので、他へ売却する気はなかったと分析しています。

 しかし、堀江氏は二の矢を放ちました。秋に選手会がプロ野球史上初のストライキを打ち、1リーグ制を目論む複数の球団もこの強硬姿勢と世論の支持を受け入れざるを得なくなり、パ・リーグにもう1球団を増やすことが内定しました。

 これを受けて、堀江氏は仙台を本拠地に「ライブドア・フェニックス」というチーム名を掲げ、参入を表明しました。だが、直後、同業の楽天も新規参入を宣言しました。

 日本プロ野球機構と実行委員会では、両社から経営内容やチーム運営の具体的プランなど、2度にわたってヒアリング、最終的に楽天の参入を認めました。

 歴史に「もし……」はないでしょうが、ライブドアが参入していれば、どうなっていたでしょうか。もう球界は大混乱に陥っていたでしょう。

 堀江氏が逮捕された23日、根来コミッショナーは「新規参入の審査でも、ライブドアの薄暗い部分に批判が集まった。審査が正しかったということ」と語っていました。日本プロ野球機構に私はいろんな不満を持っていますが、あの時の選択には拍手を送りたいと思っています。

 私は2リーグ制の絶対支持者です。元々、近鉄の担当記者としてスタートしたこともあり、DH制の野球も魅力があります。昨年の交流戦は大好評、ロッテの日本一も含めパの野球の面白さは、さらに浸透したと感じています。

 だから、ライブドアがパの一員であれば、またぞろ1リーグ制論者が頭をもたげ、おかしい方向に行く可能性があったと思っています。

 ただ、今後も球界の再編、売却、買収はあり得るでしょう。根来コミッショナーは「今回のことを踏まえ、審査方法など協約をきっちり整備しておく必要がある」とも語っていました。他の案件も含め、野球協約の改正に一刻でも早く、着手してもらいたいものです。

January 27, 2006 03:53 PM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/3241

このリストは、次のエントリーを参照しています: 野球界だけが救われた:

» ホリエモンは刑事訴訟制度改正のきっかけをつくれ! from 猫の徒然草
☆ホリエモンのキャラは、「結果の平等」を強く求め、「勤勉」を美徳とする日本の文化には、合わないのかもしれません。 日本では、「競争」ということが、もうひとつ理... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年01月29日 13:53

» ライブドア騒動に思うあの夏 from 「来年」を失わないために。
ライブドアに強制捜査が入ったということで、連日報道されているわけですが、その時にいちいちあの2004年7月4日のホリエモン映像が流れるもので「どさくさまぎれに人... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年01月29日 20:28

» 1/31の日記 from The Weblog of buschan へようこそ!
 今日は正直ネタがない状態です。  そんな状態でしたので、日刊スポーツ浅岡記者のblogからひとつお題を頂きました。    感想ですが、私も総論賛成です。   ... [続きを読む]

トラックバック時刻: 2006年01月31日 02:07


コメント

根来コミッショナーの言っていたように、ホリエモンについての黒い噂、恐らくそれについてはプロ野球関係者、特にメディアの長でもあるナベツネは当時掴んでおり、適正な判断をしたという、それだけだと思います。私もその話は当時から聞いており、ナベツネ大嫌いの30代近鉄ファンの私でさえも、ホリエモンの参入を頑として認めようとしなかったナベツネの態度には納得していました。
愛するチームがそんなモノ達の手に渡るのは許せなかった。プロ野球がまた黒い世界に包まれることは関係者も、ファンも望んでいないことだと思います。

そのプロ野球界は「ほっとしている」のではなく、「それ見たことか」と思っているのだと思います。ホリエモン親衛隊のマスコミ、情報を知らない/正しく判断できない人たちに散々叩かれましたからね。

恐らくフジテレビや民主党も同じ理由からホリエモンを突き放したのでしょう。
半面その噂を知らなかったのかどうなのかわかりませんが、そのホリエモン人気を利用しようとした、結局正しい処理の出来なかった自民党が今回、打撃を食らったのは、こういう言い方をしては失礼かもしれませんが、当然、自業自得なのかもしれません。

もし、ライブドアのプロ野球参入がどこかの時点でが認められていたら・・・・と考えるとき、やはり彼は選挙に出馬し、そして人気急上昇の彼は恐らく当選。・・・当然ながらこういった話、事件は封印され表に出なかったのだろうと思います。

そういう計算を立てる私は浅岡さんとは反対で、彼は本気でプロ野球参入しようと思っていたのだと思っています(近鉄の試合を見に行った時はわからないけれど)。勝っても負けても利益があることを計算して、近鉄買収やフェニックス立ち上げを企てたのだと。
結果、彼は負けて「改革者/若者の希望/対老害の旗頭」という称号を得ました。町で聞けば「彼なら何かやってくれると思った」と多くの人が言います。
彼が改革者ではないと言うことは、自分の会社だけでは大きなものは殆どなしえていない、合法的な部分だけを見ても買収と言う手っ取り早い、新しくも何とも無い方法で今の地位を手に入れただけというライブドアという会社を見れば、判断がつく筈ですが・・・イメージと言うのは本当に恐ろしいものです。

投稿者 ジェイク : 2006年02月17日 13:46

>歴史に「もし……」はないでしょうが、ライブドアが参入していれば、どうなっていたでしょうか。もう球界は大混乱に陥っていたでしょう。

それでも、「キンテツバファローズ」がそのまま「ライブドアバファローズ」として残ったのなら、その方が良かった。

今回の騒動で再びピンチになったとしても、まだ残っていたのなら存続のチャンスはまだまだあったのですから。

ライブドアを拒絶した事で今回の騒動から回避出来た事は事実ですが、そのおかげで失われたものは二度と戻っては来ません。

裏金を始めとしたルール無視、ルール違反が目立つ野球界。果たして彼の事を批判出来るほど立派なものだったのでしょうか?

そして今は?

投稿者 かまぼん : 2006年02月01日 00:14

野球界の問題はほとんど何も解決していないのが実状では。
ただ、交流戦とか、ロッテの躍進とかで焦点がぼやかされたり、先送りされたりしただけ。
誰も彼もが「ファンのため」と言っているが、私には「自分のため」としか聞こえてこない。
小手先のファンサービスや子供だましのセレモニーでお茶を濁しているに過ぎない。
活躍頻度の割りに、破格の収入を得ている野球界に崇高な倫理観は求めないが、見せる野球ではなく魅せる野球を期待したい。

投稿者 magmagtigers : 2006年01月29日 10:07

野球って奴はやっても観ても楽しくなけりゃね。特にプロ野球は金取って球場を開くんだから、サービス精神は絶対必要。そういう意味ではホリエモンは楽しさを皆に期待させた分、三木谷氏よりは「格」は上。ただし、法律違反はだめよね。怪しい最近の「バブル勝ち組」の人たちも肝冷やしてると思うけど、野球の楽しさは「権力じじい」や「バブル馬鹿」のための物じゃないこと、本当の野球好きは皆解ってますよ。今後、プロ野球もJリーグは見習うべきよね。「地域主義」しか、今後のプロスポーツを盛り上げようないような気がするけど。

投稿者 野球好きの親父 : 2006年01月28日 23:46

私は少なくても球界参入、ニッポン放送問題、広島立候補など、今回の件以外はほとんど正論であったように思えます。

意図を気にかけることが多いですが、そもそも少なくてもあそこで大きな声をあげてくれなければ、近鉄の他にもう一つ球団を潰されて何万のファンが悲しむ事は想像に難くありません。
1リーグが時流によって阻止された事で、どうせライブドアよりは楽天の方が我々のいう事を聞かせられる・・・という事で仕方なく楽天が入りましたが、はたしてホリエモンが声を上げなかったら楽天は入れたとも思えないです。
多少、強引な発言はありましたが、そう言う人間がいわなければ、改革改革なんて流れにはならなかったでしょう。しかし、そんな時流に対してそれでもドラフト改革を2年も先延ばし裏金問題もあった中、未だに希望枠を続ける球界の首脳たち・・・球界を繁栄させようという気はさらさらないのでしょうな。

投稿者 マリエモン : 2006年01月28日 07:29

自分は「救われた」のではなく、「先延ばしにされた」だけだと思います。
どういう人間であってもホリエモンを選手会もファンも利用しただけで、新規参入が実際に決定した後の事まで手が回らなかっただけに1年目のゴールデンイーグルスは悲惨な成績を残して田尾監督は解任され、ジャイアンツ頼みだったセリーグの各球団は放映権収入の激減で更に運営が厳しくなっただけに、決して救われてはいないと思います。

Jリーグにはユースがあるのにどうしてプロ野球は無い事や、プロとアマの連盟が乱立してそれぞれの既得権益があって居心地良いおじいちゃん達がなかなか退きたがらないだけに1本筋の通った組織ができない事など、先行きははっきり言って暗いです。

投稿者 ダーシン : 2006年01月27日 17:00

コメントしてください



保存しますか?