2005年11月14日
現状では何のメリットもなし
タイガースの上場
先週、またも村上ファンド(通称)が、電鉄本社に対して阪神タイガースの株式上場を要求してきましたた。電鉄株の大量保有が発覚して間もなく、同ファンドはこの件を提案したが、電鉄側は「ノー」の返答をして一度は沈静化したかに見えました。ところが再度の要求、さらに14日にも「論理的に説明していただきたい」と記者団に語りました。これは私にとっては予想外でした。
マスコミで多くの経済評論家や学者の指摘してきたように、この要求は取りあえずのジャブで、本丸は電鉄が所有する不動産部門の資産価値であり、すでに六甲山の事業運営のリストラも要求しています。
なぜ、同ファンドがタイガースの上場にこだわるのか、企業価値がさらに高まるとしていますが、これについては後述するとして私の推論を記したいと思います。まず第一に考えられるのはタイガースの経営権を握り、支配権を持つことを目的にしていることです。もう一つは上場することによって、放出株を多く持って創業者利益を得ることです。
一つ目は、多分あり得ないでしょう。昨年度(04年)のタイガースの売り上げは約150億円。純利益は3億円足らずで、投資家からお金を預かって運用するファンドからすれば“旨み”が薄い企業です。球界の風雲児になろうとしても、今回の楽天・三木谷オーナーが苦労? しているように、なかなか侭ならないものです。
2つ目は可能性が大いにあります。私は専門外ですが、上場している株券は額面の価格より株価が高いのが一般的です。電鉄の株式を40%も保有している同ファンドなら、公開する際も大量に放出株を手にすることは当然で、その利益を次の運用資金にすることができる訳です。
こんな推測をしてみましたが、いずれにせよ電鉄側が拒否しているように、球団の上場はする必然性がないし、デメリットはあってもメリットはあるとは思えません。まず企業価値を上げるという論理ですが、全国に1000万人以上のファンがいると推定され、今季の甲子園でのゲームはすべて大入り満員になったことで、価値は十分に証明されています。
同ファンドがどういう上場の仕方をするか不明ですが、好ましからない個人、団体が大量保有した場合の危険はつきまといます。また、配当という義務を背負いながら利益が挙がらなかったらどうするのでしょうか。さらに株主優先となると純粋に猛虎を愛するファンは不利益を被ります。職員も増やさなければならず、人件費もかかります。
大体、ファンに賛否を問え……なんて要求は陳腐です。かつてダイエーが上場する時、お客さんにアンケートを求めたでしょうか。流行っている食料品店、服飾店などが上場するのに顧客に相談するでしょうか。同レベルの論理で、あれだけ聡明な、財界でも認められている村上氏にしては、次元が低すぎる要求だと思います。
ご存知のように米大リーグで上場しているチームはありません。デメリットを熟知しているからだと想像しています。TV放映権料の平等配分などの財政基盤も絡んでいるとも思いますすが、習熟度で劣っている日本球界では、時期尚早でしょう。
経済情勢の大幅な変革、球界の大きな動きが出たら一考に値しますが、それもかなり遠い先だと思っています。
November 14, 2005 02:29 PM
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.nikkansports.com/mt/mt-tb.cgi/2695
コメント
現状メリットないでしょうね。ムラカミのやってることは、体のよい地上げ屋といったところですしね。ご本人も「ファンの気持ちなんか汲んでいられない」と吐露してますし。上場になったら、文字通り、ムラカミが阪神ファンのボスになるわけやな。私はそんなのは真っ平ごめんです。
投稿者 村上ファン怒 : 2005年11月21日 12:01
村上氏はタイガースの上場を求めていますが、必ずしも上場ありきではないとも言っているようです。彼は「ファンに意見を求めよう」とも言っています。老オーナーたちのプロ野球私物化に辟易している野球ファンからすれば、その心意気、好きです。
彼の野球やタイガースへの思い入れや本心は定かではありません。警戒するのは分かりますが、浅岡氏の「大体、ファンに賛否を問え……なんて要求は陳腐です。」コメントも閉鎖的ですね。アンケートしてファンの総意が反対であればそれでいいではありませんか。なぜファンに意見を述べる機会を与えてくれないのでしょうか?「賛成」でも「反対」でもみんな意見を聞いて欲しいんです。みんなでタイガースをよくしたいのです。
ここにきて庶民の野球ファンは、周囲の意見を拒絶し「既得権益」を守ろうと躍起になっている一部球界関係者の姿に徐々に疑問を感じているのでは?
阪神本社や球団幹部のあまりの慌てぶりやかたくなさに、「私は阪神電車の人間で、タイガースや野球への愛情や敬意なんて本当はないんだ。村上さんよ、私の在任中に波風起こさないでくれ」というモノを感じてしまいます(私の上司と似てる)。なぜ、「ご意見ありがたく頂戴します。阪神電車とタイガースのために十分検討します」と切り返す余裕がないのか?
村上氏が救世主とは思いませんが、一石を投じてファン主導のプロ野球へ変わってくれればと思います。
タイガースを村上氏の金儲けの道具にさせるな!という意見も分かりますが、半世紀以上阪神電車の金儲けの道具だったタイガースをファンの手に取り戻すチャンスが到来していると捉えたいと思っております(村上氏を支持するか否かは別として)。マスコミ各氏もそういう風に我々ファンをリードしていただかないと・・・。
投稿者 一野球ファン : 2005年11月16日 13:19
上場反対という事だけは理解できましたが、それ以外の意見に関しては、本質的な理由が語られておらず、反対の理由が明確ではないと感じました。
上場により村上氏が株の売却益を得るとの事ですが、まったくもって無意味な意見だと思います。球団の直接の株を彼が購入するかどうかはわかりませんが、公開前に売ってもらう手段などありますか?
株での益があるとすれば、上場によって阪神電鉄が一部株の売却益を得る、あるいは上場で得られた資金を投じて球団に投資することで、球団を保有する事の波及効果を高めることができ、結果として電鉄の株価が上昇するという可能性は十分にあるでしょう。
また、阪神ファンが多い事と企業としての価値は直結していません。ファンが多いから、すでに価値は高いとする理由はないということです。ファンが多いということは、企業価値を高める潜在能力がある事を示しているとは思いますが。
株式公開が第三者の買収を伴う可能性があるのは当然のリスクですが、ここまでハッキリと反対するのであれば、なぜ反対するのか、もう少し具体的なデメリットを書くべきではないでしょうか。
私は決して阪神の株式公開を支持するわけではありませんが、これでは一方的に持論だけを展開し、自分とは異なる意見の人物をこき下ろす読売の渡辺オーナーと同レベルです。
投稿者 ろくぞう : 2005年11月16日 08:32
<ナベツネと村上がニアミスだそうで>
村上氏曰く「野球界は既得権益の亡者」
渡辺氏曰く「モノをつくり、サービスをし、モノを運搬する、そういうことを何もやっていない、単なるハゲタカだよ。」
二人の言い分は正論だと思う。しかし、二人ともそれを言う立場にはない、と思う。
今の野球界はアマも含めて既得権益にしがみついているというのはそのとおりでしょう。とは言うものの、タイガースの上場でそれがあたかも刷新されるかのような村上氏の言い方はあまりにも浅はかと言わざる得ません。なぜならプロ野球界の既得権益を生み出しているのは阪神ではなく読売巨人軍なわけで、タイガースが上場するならばジャイアンツも上場して株式公開しなければ意味がないのです。
つまりプロ野球各球団は運命共同体なわけで、ひとつの球団だけが上場しても全く無意味でプロ野球改革には何の意味も持たないのです。
村上氏が既得権益を打破するのが目的であるならばプロ野球全球団を買収し富を公平に再分配しなければその目的は達せられないのです。そんなことは不可能ですから、村上氏の言っていることはウソであると言わざる得ません。
一方で渡辺恒雄氏は原監督の解任劇でもわかるように選手及び監督やチームを「モノ」扱いしているのですから何をか言わんや、であります。
日本のプロ野球界を刷新する第一歩は株式上場ではなく、野球に対して情熱がありリーダーシップのとれる公明正大な人物をコミッショナーに据えることだと思います。
投稿者 珍打くん : 2005年11月15日 21:27
