浅岡真一 独断流

2005年10月25日

カンフル剤は我が庭・甲子園

阪神の逆襲

 思わぬ展開になってしまいました。接戦が予想された日本シリーズ、阪神は敵地・千葉マリンスタジアムで、ロッテに木っ端みじんに粉砕されてしまいました。2試合連続の2ケタ失点はシリーズ史上初、ロッテを上回ると見られていた打線は沈黙し、わずか1得点だけ。ゲーム後、ファンからは罵声(ばせい)が飛んだとのことですが、屈辱感を最も味わったのは首脳陣と選手であり、雪辱の思いは全員に溢れていることでしょう。

 そんなトラ戦士に活力を与えるのは、本拠・甲子園に戻ってくることだと思っています。

 どのチームもそうでしょうが、特に阪神の場合には甲子園とういう“わが庭”は素晴らしいエネルギーを与えてくれるグラウンドです。低迷している時代もそうでしたが、今季はすべてのゲームで大入り満員、その大方の阪神ファンの後押しを受けて今季は勝率は6割を超えました。

 なぜ、それほどアドレナリンが湧いてくるのか、ユニフォームを着たことがない私にはわかりませんが、ネット裏で取材して、選手が生き生き、伸び伸びしていることだけは痛感してきました。

 後から言っても仕方のないことですが、千葉の1、2戦、多少の懸念はありました。ゲームから遠ざかって2週間半、これほど間が開くとなかなか実戦勘が取り戻しにくいという点です。これは85年の日本一の核弾頭・真弓明信氏も指摘していました。「シーズン中でも4、5試合不調の状態が続くことがあるのだから、短期決戦ならなおのこと。そこが心配だね」と漏らしていたのです。

 確かに清水直には普段のスイングが出来ず、渡辺俊にはほとんどの打者がタイミングが合わず、完封を許してしまいました。2人が好調だったことは確かですが、本来の阪神打線の姿ではありませんでした。ソフトバンクとの死闘を制した実戦勘をそのまま持続できたロッテとは実に対照的でした。

 そんな“慣れ”を取り戻してくれるのにもわが庭は大きなキッカケになると信じたいものです。思えば2年前、星野阪神はダイエー(現ソフトバンク)に2連敗した後、甲子園で3連勝しました。あの時も優勝が決まってから1か月以上のブランクがあり、やっと3戦目で、目が覚めたのです(最終的には日本一は逃がしましたが……)。

 わが庭に加えて、もう二つ、変身の材料があります。3戦目・下柳、4戦目・杉山の先発陣です。下柳の絶妙の芸術投球はロッテ打線の勢いを止めてくれる期待感が十分。杉山は速球、変化球とも先発陣では球威チーム1。コントロールだけ気を付ければ、そう打たれることはないと思っています。

 二つ目は実生活でも“我が家”に帰ってくることです。チームは月曜日に帰阪し、それぞれ自宅へ戻りました。独身の選手でもそうでしょうが、家庭を持っている者にはやはりホテル生活とは違って格別の味でしょう。サラリーマンの方々も含めてそんな経験はあるでしょう。妻の、子供の顔を見て片時の安らぎを得ることは、何よりのリフレッシュになります。そして過去を振り返らず、自宅から「出陣」すれば、気分もずいぶん変わってくるでしょう。

 シーズン中でも、ポイントとなるゲームはすべて制してきた阪神。“我が庭”“我が家”での底力、意地を大いに楽しみにしています。 

October 25, 2005 10:13 AM

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コメント

そういうのを「内弁慶」って言うんですよ。前回の日本シリーズでも甲子園でしか勝てなかった。余程内向的な球団なのかな?全くもって情けない!

投稿者 SPORTS評論家 : 2005年10月25日 23:12

今回のシリーズの阪神を見ていると昭和60年の広岡西武を思い出す。
当時、早々と優勝を決め、吉田阪神の優勝を待っていた広岡西武がバース攻略に自身があるかのような記事が目立った。シリーズ前の予想でも阪神の打力を西武の投手力が上回るとされていた。
この打力と投手力の二文字を入れ替えて、西武をロッテにすれば今年のシリーズ予想そのものではないのか。
あの時の西武は甲子園で2勝したがシリーズを通して主力打者がさっぱりだったのだ。
岡田阪神は甲子園に戻って巻き直しと言うがボビーロッテの方が地元よりもプレッシャーがかかりにくいように思える。

投稿者 珍打くん : 2005年10月25日 17:32

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