浅岡真一 独断流

2005年08月16日

今こそフェアプレー精神の原点に……

高校野球の不祥事に思う

 今年も真夏の祭典、全国高校野球選手権で甲子園球場は活気を呈していた。毎年のことながら、球児のハツラツとしたプレーには目を奪われ、テレビ画面に吸い寄せられる。昼間は高校野球、夜には阪神のゲーム……すっかり“オタク生活”が身についてしまいました。

 ところで、今夏の祭典では前代未聞の異変が起きてしまった。高知代表の明徳義塾が大会2日前になって出場を辞退するというハプニングがあったことです。

 その事情については、各マスコミで大きく報じられてきましたので、皆さんはご存知だとは思いますが、もう一度、その経緯を簡単に整理してみましょう。

 高知大会の始まる1週間前に一部の部員による喫煙が発覚、馬渕監督に知らされました。同監督は当事者に1週間の謹慎を申し渡しただけで、部内だけで解決させました。

 さらに地方大会が始まる直前、上級生による暴力事件が保護者の訴えで分かり同監督を含めた学校側は、保護者に謝罪、示談金まで手渡したとのことです。問題はこの2件を県、日本高野連に報告しなかったことです。そして甲子園大会の直前、県高野連に匿名の投書があり、日本高野連などが事情聴取して、事件が公になりました。

 校長が事件を知ったのは8月1日とのことですが、野球部長と馬渕監督は責任を取って辞任しました。同情的に考えれば、一部の選手の不祥事で他の部員に連帯責任を負わせたくないとしたのでしょうが、それはモラルに反することです。今回の事件で私が一番感じたのは「フェアプレー精神の欠如」です。

 今夏、ある地方大会の決勝戦を見ていましたが、攻撃側の選手が走塁で相手野手に何度かヒジ打ちを食らわせ、遂に審判から注意を受けるシーンがありました。こんなアンフェアな行為をする選手も選手なら、これを注意しない指導者も指導者だと怒りすら覚えました。

 野球の原点とは何でしょうか。小さな白球を追って全員が、グラウンド外も含めて集中力を結集させることだと思っています。ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンは何もラグビーの専売特許だけではないでしょう。特に高校野球にはこれが原点になるはずです。だからこそ、ベンチに入れない選手がアルプススタンドで懸命に声援を送ることができるのです。

 フェアプレー精神と全部員の結束力。日本高野連が「教育の一環」と理念を掲げているのも、そこにあるのです。この事件を機に、選手はもちろん、指導者、学校関係者は他人事と受け取らず、原点をかみ締めてもらいたいと思います。

 最後に、子を持つ親の身として、事件を起こした高校生をきちんとケアして欲しいと願います。若者に過ちは付き物です。一度のミスでその後の人生が傷ついてしまうのは余りにも酷です。反省すべきところは反省して、厳しい練習に耐えてきた誇りは心にしまっておいてもらいたい。それには周囲の愛情が不可欠でしょう。

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August 16, 2005 10:40 AM

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コメント

僕は高校の時、バレーボール部にいました。監督に殴られたことはたびたびありました。いやがおうでも気合が入り、集中力が増します。集中力の切れたプレーが自分だけでなくチームメイトをも危険な目にあわせることがあります。わかっていても疲労のため体が動かない時、一発殴られ、気合が入ったことで生き返ったようなプレーができたことも度々ありました。その甲斐あってか、インターハイにも出場しました。県内で一、二の進学校の、ひ弱な僕たちがインターハイに出場できたのは、ある部分では、鬼のような監督の絶妙なタイミングでの一発の鉄拳のおかげと思っています。もう二度と殴られたくない。でも懐かしい、30年近くも昔の話です。

投稿者 日本チャチャチャ : 2005年09月15日 19:54

残念ではありますが今の時代の甲子園に「汗と涙の青春」を求めるのは所詮無理なことだと思います。学校の売名行為のために、全国から部員を集める学校、小学校の頃から活躍し、勝つことだけを優先して野球をやってきた生徒。これらが合体したところに、踊らされることこそ馬鹿らしい話だと思います。私も松山商業対三沢高校の試合には小さいながらも感動しましたし、過去、沖縄水産や新湊高校の健闘にも感動しました。しかし、最近の高校野球を取り巻く動向を見聞しますと、教育の一環とか母校と郷土の名誉のためとかいう言葉は過去のものとなり、全て、自分のため、自分が、という意識が過剰になっているように思えます。高校野球は同じ、高校生の運動でも他の競技にないものを持っていたからこそ価値があったのであり、その価値が失われつつある現代では、残念ではあるがインターハイの一つの競技として甲子園から去るべき時代が近いことを示唆しているようにも思われる。

投稿者 Kohshien Torakichi : 2005年08月23日 10:02

私は中学以降、ずっと運動系でした。その経験から、『試合は奇麗事では済まない。なぜなら勝つことを究極の目的とするからである。』と考えます。どんなことをしても『勝つ!』。そのための過程で奇麗事を言っても、負ければ何もなりません。高校野球もその他のスポーツもフェアプレイという言葉は知っていても他山の石です。教育の一環ですか?勝つ為に何をするかを的確に教えて、『何をしても勝つ!』と言う訓練を積んだ者だけが、激動の社会で勝ち抜けるのです。社会に出て、生きるか死ぬかの激務に勝ち抜ける者だけが、雇用と収入を確保できると考えます。

仕事で奇麗事では何も進みません、『他社との競合に負けて、フェアプレイで頑張りました』では会社は倒産します。どんな
事をしても勝ち抜く訓練を積んだ者が社会では必要とされます。フェアプレイは言い訳です。

肘打ちも勝つために必要なら当たり前です。双方で平気でやりあうのが当たり前です。スポーツは喧嘩です。

投稿者 タイ国駐在員 : 2005年08月20日 23:31

4番ファースト長内さんの言うとおりです。

喫煙くらい日常茶飯事ですよ。私も高校時代に同級生の野球部員達が喫煙していたのを知っていました。

暴力行為については、同級生などは知りませんでしたけれども、他校が練習試合に来た際に、その高校の監督が皆の目の前で選手を殴り倒していたのを目撃しました。

浅岡さん、取材(認識)が足りませんねぇ!

投稿者 SPORTS評論家 : 2005年08月19日 20:34

浅岡さんのコラムを読んで、「やはり朝日系の記者はこんな観点でしか書けないんだろうな」と、改めてがっかりしました。

走塁時の肘打ちなんて、当たり前の話です。
地方大会の試合や、その前の練習試合を見た事がありますか?
口汚い野次や罵り合いのオンパレードですよ。
その報復として肘打ちぐらいは当たり前。走者は野手にスパイクの刃を向けたスライディングタックルを敢行し、野手は身を守るために走者をスパイクで踏んづける。

高校サッカーなら、もっと醜いユニホームの引っ張り合いやタックル、ラリアット等、日常茶飯事であることはご存知のはず。

これらを決して正しいとは言いません。
見る方としては、そんな後味の悪いものを見たいとは思わない。
でも、ただでさえ注目度が高い上に負けたら終わりの高校野球や高校サッカーは、その分勝ったときの注目度が他の競技とは違う。人間やお金だってそれだけ動く。だから、なりふり構わないプレーが目に付くんです。

それらから目を背け、「高校野球」=「さわやか」と言う虚構を一般読者に植えつけているのは、ほかならぬ朝日系のメディアの皆さんではないんですか?

暴行や喫煙なんて氷山の一角。全部を調べつくせば、こんなものでは終わらない。ダルビッシュが「反省」したことになってプロ野球で活躍していることは、ジャーナリズムが負の部分に背を向け、徹底的に糾弾することを怠った結果のはず。

そろそろ、高校野球がさわやかなんていう取り上げ方はやめてみてはいかがですか?野球偏重主義を改め、そろそろ柔道や陸上、バレーやテニス、バドミントンや水泳など、他の競技をもっと紹介してみてはいかがですか?

投稿者 4番ファースト長内 : 2005年08月16日 19:36

ある地方大会で相手チームにヒジ打ちを食らわせたとありましたが、どこの学校か明確に書いてもらいたい。もし、その学校がその県の代表として甲子園に出てきているのであれば、大きな問題だと思います。そのようなチームが、神聖な甲子園でプレーする資格も無いし、そのような輩のプレーが全国放送され
れることは害だと思います。
そのチームの指導者に反省を促す意味でも、学校名を明示して頂きたい。

投稿者 らすかる : 2005年08月16日 18:15

私、高校野球が嫌いです。

その理由の一つが、今回の明徳義塾のようなことによります。何で出場辞退しなければならないんですかね。処分すべきは、問題を起こした選手と報告を怠った監督でしょう。
「連帯責任」?吐き気がしますね。何で一部の不届き者のために、それまでまじめに一所懸命頑張ってきた選手まで責任をとらされるのでしょう。しかし、高野連や世の高校野球好きはそれを是とする。それが「教育の一環」なのでしょうか?
ところで、「教育の一環」と言いながら、野球だけ朝から晩までTV中継して、他のスポーツを一切無視していますね。TV的に問題がでちゃうから、「教育の一環」なんて都合のいいお題目を掲げて、問題を起こした学校を排除しているんじゃないですか。野球以外のスポーツでインターハイ出場を決めた高校が、何らかの不祥事で出場を辞退した、なんて話を聞いたことがないんですけど。

マスコミの取り上げ方にも疑問が残ります。高校野球には大きな紙面をさくくせに、他のスポーツは決勝の結果程度。フェアプレーの精神が笑っちゃうね。努力して掴んだ栄冠に、価値の大小はないはず。こんな状況のどこがフェアプレーなのさ。野球だけを過保護にしてるでしょう。原点をかみ締めてもらいたいのはマスコミも一緒です。

纏まらない文章を失礼。

投稿者 たかく : 2005年08月16日 17:37

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