浅岡真一 独断流

2005年07月26日

頑張れ選手会、球界首脳より正論だ!

改革とWBC

 先週は、オールスターでの阪神勢の活躍大いに期待していると記しましたが、その通り8人の選手がファンが喜ぶプレーを披露してくれました。これをぜひ後半戦の戦いに結び付けて欲しいし、きっとそうなると思っています。

 さて今回は、阪神だけでなく12球団のすべての選手に奮闘していただきたい、とエールを送りたいと思っています。

 オールスターの初戦(22日)の前に、労組日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト)の臨時大会が開かれました。主な議題は先のオーナー会議で承認された暫定ドラフト案に対する選手会の意見統一とワールド・ベースボール・クラシック(WBC)へ参加するか否かというものでした。各球団の選手会長が集った臨時大会で、結論から言えばどちらも「NO」ということになりました。

 今回の暫定ドラフト案は2年間限定ということですが、かなり複雑で野球ファンの方にも分かりにくいものです。その骨子としては、まず、高校生と大学・社会人と分けて、ドラフト会議を行う(10月3日と11月18日予定)。そして指名自由枠が2あったのを「希望選手枠」と名称を変えて、1つにするという制度です。

 スポーツ紙、一般紙のほとんどが「妥協の産物」と批判的な論調で報じましたが、私も全く、その通りだと思います。

 私は完全ウエーバーにすべきだと前々から、主張してきました。契約金の高騰、裏金を防ぐにはその形がベストです。また高校生の分離ドラフトも実は裏があって、本紙が書いていたように、希望選手枠を巧妙に使えば、上原(巨人)と松坂(西武)両方を獲得することが可能なのです。

 高野連の幹部の方は歓迎の姿勢を示しました。近頃は大学の推薦入試時期が早まってきていることから、若者の進路が早く決まるとの見解です。しかし、大学側と話し合えば解決が出来ると思います。現にこれまでのドラフトでは、大学の推薦を受けていながら、プロに指名されて入団したケースはいくらもあります。

 選手会側は、昨年のストをした後、球界改革については選手会と徹底的に協議していくことを約束したのに、こんな不備な制度を発表したことに不信感を露にしました。これももっともな正論だと思います。

 もう一つWBCですが、かつてこのコラムで書いたように、収益などで完全な不平等条約。選手も敏感に感じ取っています。さらに開催時期。3月開催となればペナントレースの直前。キャンプも含めて、調整方法はかなり難しくなってきます。選手会は3月予選、7月本戦、という対案を示して米国側に働きかけていくことで意思一致しました。

 オーナー側もソフトバンク孫オーナーを中心に渡米して交渉していく考えを明らかにしていますが、果たしてどのぐらいの成果があるかかなり疑問です。

 だからこそ、選手会の毅然とした姿勢に期待したいのです。グラウンド外での全力プレーをぜひ見せていただきたい。頑張れ! 選手会。

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July 26, 2005 12:35 PM | コメント (5) | トラックバック (3)

2005年07月19日

猛虎勢の活躍が楽しみ、ぜひ旋風を!

オールスター

 真夏の夢のゲーム、オールスターが22日、西武インボイス球場、23日、甲子園で行われます。一流どころがこぞって、一流のプレーを魅せる。ペナントレースのゲーム、日本シリーズとは違った球趣がふんだんにあります。

 阪神からは、リーグ最多の8人が選出されました。投手では下柳、藤川、捕手で矢野、野手は藤本、今岡、鳥谷、金本、赤星のメンバーです。

 彼らの活躍を大いに期待していますが、各選手の個性を十分に発揮してアピールしてもらいたい。例えば藤川。カーブ、フォークを封印して、ストレート1本で打者に立ち向かってもらえないか、と思っています。松中、ズレータ(ソフトバンク)、和田(西武)、小笠原(日本ハム)らのホームランバッターに真っ向勝負! 想像しただけでゾクゾクするのは私だけでしょうか。

 野手では赤星。体調が良くないハンディはありますが、塁に出たらすべて走ってもらいたいですね。そして金本、今岡には全打席ホームランを狙って欲しい。藤本、鳥谷には溌剌としたプレーをしつつ、他の一流選手から、何かを盗んでくれたら……と願っています。

 かなり古い話ですが、1975年のオールスター、山本浩二、衣笠祥雄らを中心にして広島勢が大活躍、当時“赤ヘル旋風”と呼ばれ、プロ野球ファンに大きくアピールしました。その勢いを後半戦にもつなげ、悲願の初優勝を果たしました。チーム発祥時は資金難でタル募金までして、市民が協力しながら、長く低迷して、苦節25年目にやっとつかんだ栄光。私もかつて広島に赴任していましたが、地元の財界の人たちに取材した時、その時の街のフィーバーぶりはすさまじいものだったと振り返っていました。

 その当時と今の阪神とはチーム状況は違います。今や巨人を凌ぐ全国区。首位を独走してもいます。しかし、2戦目は地元・甲子園でのゲーム。大声援を背にトラの実力を示せば、後半戦へさらに勢いを増すことでしょう。

 もう一つ、球宴にまつわることで、日刊スポーツ評論家・梨田昌孝氏のことを思い出します。彼がロッテ・村田兆治投手とバッテリーを組んだ時、「ノーサインでやってもらえますか」と申し入れたのです。

 オールドファンならご存知でしょうが当時の村田氏はまっすぐが150キロをはるかに超え、えげつないフォークを持っていました。フォークのサインを出してもロッテの捕手はしばしば落球していました。だからこそ、梨田氏はあえてチャレンジしたのですが落球は0。「あれでキャッチングに自信がつきました」と語っていたのを覚えています。

 こういう例があるから、藤川には真っ向勝負をしてさらに自信をつかみとって欲しいのです。とにかく、「獣王の意気高らかに」プレーしてもたいたいものです。

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July 19, 2005 12:07 PM | コメント (4) | トラックバック (5)

2005年07月12日

基本がしっかり、だから強い

V確率90%超

 前回はヤクルト、中日の“眼下の敵”の6連戦が阪神の一つの正念場になると書きましたが、何とヤクルトには3連勝、中日にも勝ち越し。はっきり言って、これほど大勝するとは思っていませんでした。ヤクルトなど3戦目(7月7日)にローテーションを変更、トラに相性のいい石川を中4日で先発させてきたのですが、ワンチャンスをものにして逆転勝ち。ものすごい勢いを感じました。

 この快進撃にはいろんなファクターがありますが、余り目立たないことで「ボール、悪球に手を出さない」ということを挙げたいと思います。ボールに手を出さないというのは打者の基本中の基本で、今のタイガースは、ほぼ全員がきちんと見定めが出来ています。先の石川攻略も今岡、桧山がしっかり四球を選んで、矢野の逆転打の足場を作りました。

 ボールに手を出すな……と言えば、ふと思い出したことがあります。あれは確か1977年だったと記憶しますが、阪急と近鉄がシノギを削っていた頃です。阪急の抑えには山口高志(現阪神スカウト)というとてつもない速球を投げる投手がいました。オールドファンならご存知でしょうが特に高めは160キロ近く出ていたでしょう。

 この山口に近鉄打線は手も足も出ず。業を煮やした西本幸雄監督はあるゲームで円陣を組み「高めのボールは絶対に振るな!」とゲキを飛ばしたのです。しかし、その直後、羽田(現オリックス営業部員)が高めのボールを振って空振り三振。激怒した西本監督は羽田のホオにビンタを食らわせました。最近の監督は選手を殴ることはしませんが“闘将”と呼ばれた西本監督は阪急時代も含め、愛情の証しとして鉄拳を振るい、選手もそれを感じるから、横を向くようなことはなかったのです。

 ところで、このビンタには後日談があって、羽田はその回の先頭打者だったので、円陣の輪に入っていなかったのです。それでも普段から「ボールは振るな」と徹底指導されていたから「自分が悪い」と言い訳はしなかったのです。

 少し余談が長くなりましたが、多くの指導者が注意することを、阪神の各打者は守れています。その背景には集中力が高いことがあり、その集中力を生んでいるのは、絶対優勝するんだ!と全員が一丸になっていることです。

 先日、星野SDがABCの「虎バン」に出演し、V確率は100%以上と語っていましたが、私は90%超としておきます。打線は悪球打ちをしない限り、このまま好調をキープするでしょう。投手陣もウィリアムス、藤川、久保田の後ろ3枚が揃って不調に陥ることは、まずないでしょう。

 ただ、野球は何が起こるかわかりません。それで数%の不安を残しているのです。最大の敵は他の5球団ではなく、主力のケガ、故障でしょう。みんな自覚しているでしょうが、体調管理だけはきちんとして欲しいものです。

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July 12, 2005 10:08 AM | コメント (2) | トラックバック (4)

2005年07月05日

ポイントになるのはヤクルト戦

阪神の7月戦線

 このところ球界改革のことに言及してきましたが、久しぶりに阪神の話題に触れたいと思います。

 ファンの方も十分に手ごたえを感じられていると思いますが、今のタイガースは、本当に強いと、ネット裏から見ていて感じています。赤星の体調が万全でなく、打点王・今岡が不調というハンディがありながら、そのマイナス材料を全く感じさせないゲーム運びをしています。

 3日の横浜戦終了後、今岡のスランプを尋ねられた岡田監督は「1人、2人悪くてもいいんや。(好調な打者が)何人かおるやろ」と語っていました。今岡への気遣いを見せながら、余裕のコメント。投打の歯車がしっかりとかみ合っている手ごたえを感じとっていると言えます。

 独走態勢さえ、築きかけていますが、この7月はペナントを手にするためには、非常に大事な時期だと考えています。特にカギを握るのは、ヤクルト戦でしょう。

 交流戦が1か月半も繰り広げられたことも関係して、何とヤクルト戦は8試合も組まれています。これまでのシーズンなら、まずあり得ないスケジュールになってしまいました。このことに異論を挟む気はありませんが、大きく負け越さないことが必須です。

 ヤクルトというチームはゲーム運びが上手です。それとチーム防御率が阪神に次いで2位。何よりも藤井をはじめ高井、山部、抑えの石川とサウスポーのコマが豊富です。

 阪神の攻撃パターンは赤星が塁に出て、鳥谷がつなぎ、金本を軸にしたクリーンアップで点を取っていくというのが基本です。質の高い左腕がくれば、その基本パターンが機能しにくくなるのは当然でしょう。

 ちょっとデータを取ってみたのですが、今季77試合で左腕投手が先発してきたのは25試合。11勝14敗という数字が残っています。もちろん、ゲーム展開によって、中継ぎ、抑えの起用方法が変わってくるので“参考データ”ぐらいの結果ですが、貯金14もあるチームにしては、勝率が悪いことは確かでしょう。

 さらに対戦成績。わずか6試合しかやっていませんが、2勝4敗と負け越しています。今の阪神なら苦手意識など持っていないでしょうが、追いかけてくるチームだけに1勝の重みはかなりあると思います。

 もう一つ追いかけてきている中日に対しても、1つの負け越し。この2チームには心して、対戦しなければ……とお節介したくなるのです。

 まあ、岡田監督は現状に浮かれることはなく「1試合1試合を大事に戦っていくだけ」と平常心を持っており「勝負はまだまだ先」とロングディスタンスの姿勢を貫いているので、このあたりは心強いと見ています。

 5日からは、ヤクルトを本拠・甲子園で迎え、移動日なしで名古屋に乗り込みます。まずはヤクルトとの8試合の第一ラウンド、注目したいものです。

 ◆記録はすべて7月4日現在。

July 5, 2005 04:46 PM | コメント (0) | トラックバック (1)