浅岡真一 独断流

2005年06月21日

決まったのは“不平等条約”だけか

腰くだけの実行委

 先週は「遅々として……」という書き出しでプロ野球界の構造改革のことについて言及しました。それだけに20日のプロ野球実行委員会を注目していたのですが、はっきり言って失望しました。

 改革の主なものは(1)ドラフト制度(2)FA制度(3)選手の年俸抑制(4)2リーグ制(5)交流戦などと記しましたが、これらのうち、はっきりとした方向性が出たのは、交流戦の継続だけでした。これは、一部のセの球団が異論を唱えたものの、野球ファンの多くの支持を受けたため、止むを得ず--という事情もあったようです。

 もう一つ、ドラフトに関しては4項目の「倫理行動宣言」が発表されました。新人選手獲得活動において利益供与は一切行わない--、要するに“裏金”を使わないということで(他の3項目の詳細は21日付紙面を参照)、フェアプレー精神を唱っているようですが、こんなことは当たり前のことで、今さら何を宣言しているのか、というのが実感です。さらに、違反の疑いがある場合、調査するとしていますが、その疑いをどう見つけだすか、実質的には不可能に近いでしょう。プロ球界の憲法である野球協約に条文化しないというのも中途半端です。

 そもそもドラフト制の改革はそんな瑣末事を宣言することではないと思います。現在の自由枠2を堅持していくのか、新たなシステムを確立するのか。私は一貫して完全ウエーバー制を訴えています。先週にその理由を記したので詳しくは省きますが、裏金撤廃による球団の健全経営と戦力均衡を目指すにはそれがベストでしょう。

 この最優先課題は各球団の思惑で棚上げされた挙げ句、何と来年3月に開催される国別対抗戦(ワールド・ベースボール・クラッシク)へ参加する方針を固めました。3週前にこのコーナーでテーマにしたことですが、この構想そのものは世界の野球界の発展につながると思いますが、問題は利益配分と時期です。

 メジャーの機構と選手会の取り分が17.5で日本は7%、それにスポンサーの選択権は米国にあるというのは、21日付の本紙で表現していたように「不平等条約」です。ましてシーズン開幕前に行われるとなれば、選手のコンディション、ペナントレースの妙味に大きな影響があります。

 こんな「不平等条約」はあっさりと受け入れて、球界改革は後回し。一部の球団の利益を重んじているとしか思えません。

 7月初旬に実行委員会、オーナー会議が開かれる予定ですが、この状況では、現行で逃げ切り--ということになりかねません。ここは昨年の近鉄合併騒動に端を発したファンの声を大いに期待したいと思っています。現行に賛成の方が多いなら仕方ありませんが、そうではないと思います。交流戦継続の基盤になったように、世論の昂揚を願っています。

 ※このコーナーへの疑問、ご意見、反論を募っています。

June 21, 2005 12:34 PM

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