浅岡真一 独断流

2005年02月01日

エエで、飛ばないボール

実りある監督会議

 いよいよプロ野球のキャンプが始まった。12球団がどれだけチームを整備していくか、新戦力がどれぐらいの実力があるのか、興味は尽きない。私も阪神を中心に取材に行く予定で、ホットな話題をお伝えしたいと思っています。

 キャンプ情報は後にするとして、今回はさる1月28日に行われた監督会議のことを取り上げたい。座長を務めるソフトバンク王監督が“飛ばないボール”の採用を提案、併せてパの6監督はストライクゾーンを「セ並みに広げて欲しい」と訴えた。

 いわゆる飛ぶボールは近年、問題になっており、昨秋、大リーグ選抜チームが来日して、使用球の違いを選手、首脳陣が体験してさらに球界改革の一つにクローズアップされた。

 そういう空気を察知したのだろう、監督会議の2日前、スポーツメーカー大手のミズノ社が従来より反発力が弱い公式球を開発した。発表によると約2・1メートル飛距離が落ち、本紙の試算によるとホームランはパで104本、セで33本減ることになる。

 ホームランは野球の華の一つでそれこそ、王座長の現役時代は、あのスーパースターの1本でお客さんを呼ぶことができた。だから、ファンからすれば球趣が薄れるという不安を持つ方もいるだろうが、私はそれ以上にヒットの数が減るだろうと注目している。

 昨季のセ・リーグは21人の3割打者を輩出した。パは9人、両リーグの投手と打者にそれほど格差はあり得ない。ちなみに10年前のセの3割打者は9人、ベスト10位は2割台だった。

 かつては3割をマークすれば一流と言われたが、これほど多量になれば、一流の称号を与えていいのだろうか。その多量輩出の最大の要因は飛ぶボールだと私は思っている。詰まっていても内野手の頭を越え、少しいい当たりをすれば外野オーバー…。

 もう一つはストライクゾーン。パの各監督はセの方が広いと言っているが、私はそう認識していない。特に右打者の外角球はむしろ辛めだと見ている。もちろんルールに沿って判定するのが基本だが、審判によって微妙に違う。

 先日、阪神の岡田監督と野球談議をしていて「ええボールはストライクなんや」と語っていたのを思い出す。非常に微妙なニュアンスだが、内外角へビシっと決まった投球は右手を上げるべき、打者も「参りました!」と引き下がる、という意味なのだ。

 残念ながら、王座長の提唱にセ側(球団も含め)は消極的で、来季へ持ち越しとなりそうだが、ストライクゾーンの問題は連盟、球団、現場でもっともっと突っ込んだ話し合いをしてもらいたい。

 最後に付け加えると、80年前後にも“飛ぶボール”が問題視されたことがあった。この時も各メーカーがやや反発係数を減らしたと記憶している。それから徐々にまた飛距離が伸びていったのだ。

 不具合が起きれば検証する--。様々な球界改革もその姿勢で臨むべきだ。

February 1, 2005 03:51 PM

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