浅岡真一 独断流

2005年02月08日

大歓迎するが難問多し

大阪市民球団

 さる2日、大阪に市民球団を作る構想が発表された。MKタクシーの会長も兼ねる近畿産業信用組合の青木貞雄会長(76)が明らかにしたものだ。

 既に、本紙では大きく報道され、一般紙にも紹介されたが、その概要をもう一度ここでおさらいすると、資金調達は2つの方法で行う。選手の年俸(70人枠)は一人につき1企業がスポンサーになる。一方で初期費用として府民・市民を中心に1人1万円の出資を100万人に求める(合計100億円)というユニークなプランだ。

 大阪に生まれ育って50有余年、幼き頃は南海ファンであり、西本近鉄の全盛時に猛牛番であった身には、歓迎すべき構想ではあるが、誕生に向けては難問が山積していると感じた。

 まず、資金面について、1球団は選手だけで成り立たない。首脳陣、打撃投手、トレーナー、広報、スコアラー……、いわゆる現場サイドで100人をはるかに超える人間が要る。さらにスカウトを中心にした編成部門、営業、総務などフロント組にも数十人。現に阪神タイガースは嘱託など含め総勢200人近くを雇用している。

 この構成員への人件費はかなりのもの。近鉄が球団を手放した毎年30億円の赤字のほとんどは人件費から出たもの。他の現存の赤字球団の窮状も、ほぼ同様の形態だ。それを100億円でまかなおうということだろうが、果たして100万人の出資者が現れるか、これも疑問符がつく。

 2点目は同時に発表された収支予想で1試合の観客動員を3万1200人(1人平均単価1750円)とし、初年度から3700万円の黒字を見込んでいるということ。入場者数はセ6球団の平均値から割り出したものらしいが、巨人、阪神という“化け物チーム”があってこそ、その数字が出るのであって、例えセに加入が認められたにしても、それだけの身入りがあるかどうか。

 3つ目は野球協約に抵触する案が多々あり、参入が認められるか、これまた疑問。コミッショナーの長谷川事務局長が、オーナーが明確化されていない点を指摘して参入に否定的な立場を明らかにしている。

 確かに現在の協約には不備があると考えている。外野からは目一杯、これからも指摘・提案していきたいが、最終的には機構側、選手会などが自主的に改革していくしかない。

 複数のスポンサーというのは、近鉄の悲劇を目の辺りにして興味深いテーマだとは思う。ただ、それにはクリアすべきことが多いのも事実だ。

 MKタクシーを業界の革命児に導いた青木会長のこと、根回しは周到、秘策も持っているかもしれない。ただ選手の獲得もメドが立っていない現状で、3月に加盟申請するのは拙速ではないだろうか。

 最後にもう一度記すが、構想・発足に異を唱えているのではない。大阪の府民税・市民税を支払っている野球大好きオジサンの疑問が杞憂であることを、密かに願っている。

February 8, 2005 03:50 PM

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